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タイは体外受精の技術も高く、外国人向けの観光サービスも充実しており、生殖サービスを利用する人々にとっては最も気の利いた渡航先であった。しかし今後、タイで外国人が生殖サービスを利用することは難しくなる可能性が高まってきた。生殖ツーリズムに対し、当初寛容だった国も、規制を強化する動きが見られる。近年のツーリズム規制において、最も困難な立場に置かれているのが、(男性)同性愛者であるといえる。北米やヨーロッバでは同性愛に対し寛容な国もあるが、渡航先となるアジアなど新興国では必ずしもそうではないことが背景にはある。

2012-13年頃にかけてインドで代理出産依頼者に対する医療ビザ規制が強化され、独身者とゲイカップルは依頼者の資格を失った。
次の渡航先として向かったのがタイである。タイでは医師会のガイドラインで第三者生殖技術の商業的利用は禁止されていたが、精子・卵子提供、代理出産、男女産み分けなど、あらゆる生殖サービスが自由に提供されていた。2013年以降、代理出産目的でタイに向かうゲイ依頼者は急増した。しかし、2013年12月に外国人の代理出産に関しタイ政府が新たな規制を導入するという情報がもたらされるなど急増する外国人依頼者に対する規制強化の可能性が高まっていた。これを受けてゲイ代理出産の最大のゲスト国となっているイスラエルでも、タイでは代理母が母親であるという規定があることを受けて、イスラエル政府がタイからの代理出産子の入国を拒否する騒動がおこっている。ユダヤ人の血統は母親を通して引き継がれていくと考えられており、父親がユダヤ人でも代理母がユダヤ人でなければ子どもはユダヤ人にはならない。いずれにしても2014年11月までにタイで代理出産を依頼するゲイ依頼者は皆無になるはずであった。2014年7-8月にかけて生じた豪カップルと日本人独身男性による代理出産がらみの事件により、タイ政府による商業的代理出産の排除の動きは決定的なものになった。

では次はどこへ向かうのか?
 
ロシアでは、代理出産は合法であり、ゲイ依頼者による代理出産は禁止されていないが、教会など保守層の動きもあり、難しい。モスクワのゲイの法律家が、ゲイ依頼者をサポートをしている。
ウクライナでは、代理出産は合法であるが、カップルにしか許容されていない。
ジョージアでも代理出産は合法であるが、1997年にゲイ依頼者は違法となった。

ネパールでは、法律が曖昧であるが、ポスト・タイの渡航先として注目されている。インドとネパールの往来にビザが必要ではないため、インド人代理母がネパールへ越境し、受精卵の移植と出産が行われる。ネパールの体外受精クリニックでは、インド人医師による技術協力体制が敷かれているが、技術が高いとはいえない。それ以上に、インドと同様、ゲイに対して寛容ではない社会的風潮があるため、リスクが高い。

ゲイ代理出産のホスト国として、今後最も注目されるのは、メキシコである。タバスコ市で商業的代理出産が合法化されたばかりである。その他の場所では規制されておらずリスクがある。また、メキシコの体外受精クリニックでは経験が少なく、技術が低い。成功率が低いと考えられる。それでも、ゲイ代理出産であれば、不妊患者の依頼者よりは高い成功率が見込まれるだろう。メキシコでは詐欺や賄賂が横行しており、信用できるクリニックを探すことが必須となるだろう。








 


by technology0405 | 2014-09-17 13:27 | Materials | Comments(0)
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