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ニュージーランドでの代理出産は、条件付きで合法的に実施されている。Ethics Committee on Assisted Human Reproduction が1997年に初めて利他的IVF型代理出産に倫理的承認を授けて以来、1997年から2004年までの間に、暫定的承認2件を含む29件の代理出産が承認された。
2005年から2010年にかけては、ECART (Ethics Committee on Assisted Reproductive Technology)に104件の代理出産申請があった。そのうち100件が承認され26人の代理出産児が生まれた。

Human Assisted Reproductive Technology (HART) Act 2004の14条1項によって、ニュージーランドで代理出産契約を結ぶことは法的に認められている。しかし契約は法的強制力を持たず、あくまで利他的なものでなくてはならない。商業的代理出産はHART Act14条3項で禁止されている。

代理出産はあらかじめECARTの承認を受けていなければならない(HART ACT16条)。承認を受けるためには、少なくともカップルのどちらかと子供の間に遺伝的つながりがあること、依頼母が不妊であることが医学的に証明されていることなど様々な条件を満たしていなければならない。さらにECARTは、代理母が自分の子供を生み終わっているか、関係者と子供の福祉が守られているかどうか、適切なカウンセリングが実施されたかどうかなどを確認する義務をもつ。ニュージーランド国内の代理出産の条件は、ECARTによりかなり厳密に規制されているといえる。

必要条件が全て満たされてはじめて、代理母に胚が移植される。子供が生まれたら、法的な親権は代理母から依頼親に移行する。しかしこの移行は、直ちに行われるわけではない。HART ACT 2004は親の決定に関してカバーしておらず、代理出産で生まれた子供はStatus of Children Act 1969に従って出生登録される。Status of Children Act 1969では、卵子の由来に関係なく、生みの親が母親と規定されている。また精子を提供した依頼父も、代理母の夫ではないので法的な父親とはみなされない。もし代理母にパートナーがいて、そのパートナーが代理出産に同意している場合、代理母とその夫が子供の法的な親となる。従って依頼親は、代理出産児と遺伝的つながりがあっても自動的な親権を持たない。依頼親はドナーとみなされる。依頼親が親権を得るためには、Adoption Act 1955の下で子供を養子縁組する必要がある。しかし実際には、正式な養子縁組の手続きをしないまま子供を育てている依頼親も多い。代理出産契約から親権の移行までカバーした包括的な法的枠組みの確立が必要である。

海外代理出産の場合は、養子縁組がなされなかった場合、依頼親が子供を育てることはできない。ニュージーランド法には海外代理出産に関する規定はないが、出入国管理事務所が、海外代理出産のケースにおける入国権と親権はニュージーランド国法に準拠すると明記している。2010年にタイ代理出産で子供を得たFitzgeralds夫妻は、帰国にあたり3つの政府機関に問い合わせたが明確な答えを得られず、タイで5週間過ごした後観光ビザで子供を連れ帰り、ニュージーランドで養子縁組手続きを行った。

2013年9月にはオーストラリア在住のニュージーランド人ゲイカップルが、アメリカ代理出産で得た3人の子供の「Citizenship by Descent(子供の出生時に親のどちらかがニュージーランド国籍を持っていれば申請できる) 」を申請して拒否された。オーストラリアでは、DNAテストで子供との遺伝的つながりを証明すれば、帰国も問題なかったという。「ニュージーランド法では、子供を養子にする必要があるといわれた。しかし、出生証明書には僕たちの名前が記載されている。どうやって自分自身から養子をとれというのか。」

時代遅れになったAdoption Act1955を改正すべきという議論も盛んである。特に同性愛者の養子縁組に関しては積極的な国会議員も多い。2012年10月には、自身もゲイで緑の党の国会議員であるKevin Hague氏が養子・代理出産改正法案“Care of Children (Adoption and Surrogacy Law Reform) Amendment Bill”を公開し、同性愛者の養子縁組を認めること、オープン・アダプションを進めること、代理出産の包括的な法的枠組みを確立することを提案した。

Human Assisted Reproductive Technology Act 2004

Status of Children Act 1969

Adoption Act 1955

International Surrogacy
IMMIGRATION NEW ZEALANDのHPより

Care of Children (Adoption and Surrogacy Law Reform) Amendment Bill

CONTRACTING THE NEW DELHI BELLY: Responding to the Practice of International Surrogacy
Annika Tombleson
Faculty of Law,University of Otago October 2012

Report 88: New Issues in Legal Parenthood
Law Commission, April 2005

Couple's kids denied citizenship over surrogacy
By Rachel Morton
[3 NEWS, 15 Sep 2013]

'Rent-a-womb' babies could end up stateless
SHABNAM DASTGHEIB
[staff.co.nz, 20/08/2011]

MP seeks big adoption changes
By Claire Trevett
[The New Zealand Herald, Oct 15, 2012]

Political rivals unite on gay adoptions
Audrey Young
[The New Zealand Herald, May 28, 2012]

A different answer to that question
By Martin Johnston
[The New Zealand Herald, Nov 3, 2012]

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by technology0405 | 2014-03-07 13:04 | Countries | Comments(0)
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