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 2013年、医療ビザに関わる規制をきっかけにインドを去った依頼者が大挙して向かった先がタイであった。タイでは、体外受精を始め、代理出産に関する規制法がなく、あらゆる治療が自由に提供されていた。しかし、障がい児の置き去り事件が発生、タイでも2015年の初頭にピリオドが打たれた。その後、依頼者らはネパール、メキシコ・タバスコ州、ジョージア、カンボジアなどへと、流れていった。しかし、2015年末までに、ゲイカップルを受け入れていたネパールとメキシコ・タバスコ州は相次いで門戸を閉じた。

 ジョージアは東ヨーロッパにある旧ソ連の国であり、1991年に旧ソ連から分離独立後は、政治的に不安定で、財政的にも厳しい状態が続いている。国民所得は低く、失業率は10%を超えている。街では、仕事にありつけない中高年の男性の姿が見受けられる。ジョージア産ワインが知られているが、それ以外に国際競争力がある産業はこれといってない。

 ジョージアでは、1997年以来、代理出産は合法であり、外貨が稼げる有力産業になっている。近隣の西ヨーロッパを始め、トルコ、イスラエル、ロシア、オーストラリアやイギリスなど、さまざまな国から依頼者がやってくる。

 ジョージアのエージェントでは、子どもは依頼者のものであるということを徹底させるため、代理母は「孵卵器」であると女性たちに教え込んでいる。その言葉通り、依頼者と代理母は受精卵の移植から出産、子どもの引き渡し完了までの間、一度も顔を会わせることはない。

 ジョージアでは、離婚して子どもを抱えているなど、経済的に困窮した女性が代理母産業へと次々と足を踏み入れている。一方、正教会は、保守的な立場から代理出産に強硬に反対している。医師、大学教授でもある神父は、次のように言う。

「エージェントは、代理出産について良い事ばかり宣伝しているので、人々の考えもそれに影響されている。旧約聖書にも代理出産について書いてあると宣伝しているが、それは嘘だ。依頼者も世間も、代理出産を良いことだと教えられているので、実際の問題に気がついていない。子どもがいない夫婦に子どもを与えることなので良いことだと言っている。自分のところにも依頼者が相談に来たことがあるが、代理母と子どもの繋がりが深いことを教えると、代理出産を依頼することを諦めたことがあった。」

「代理母と子どもは関係がないというのは、医学的に見ても完全な間違いだ。遺伝的に違う受精卵を受け入れると、母体と子どもに対し悪影響を及ぼす。細胞に影響に与えて、毒になる。別の言い方をすれば、受精卵を他の女性の体に入れることは、植物を植え替えるのと似ている。代理母の体は受精卵を排除しようとするが、受精卵は、着床しようと努力している。受精卵は、生き残ろうとして戦っている。そのことが子どもの心身に影響を及ぼすと思う。そのために出産後、何年後も、代理母と子どもの関係を証明することができる。代理母と子どもは、生物学的には深く繋がっている。そして、代理母の感情は子どもに伝わる。遺伝的関係より生物学的関係のほうが重要だ。授乳は母親だという証拠の一つ。」

「それなのに、エージェントは、代理母は孵卵器だ、あなたの子どもではないと教えている。だから、代理母は自分のことを孵卵器だと思っている。そのように考えている女性のお腹の中で胎児は成長していくことになる。そのことが子どもに影響しないといえるだろうか?」

「しかし、最終的にはいくらトレーニングしても、身体はそれを受け入れない。
妊娠中の女性は特別な精神状態にある。出産後は特に精神的に脆弱でそのような時期に依頼者に子どを奪われることによって、女性は大きなダメージを受ける。」

「女性にこのような仕事をさせるのは女性の尊厳に関わることだと思う。フェミニストは女性の権利をさかんに主張しているが、代理出産にもっと反対すべきだと思う。女性を孵卵器として扱ってはいけないと思う」

上記の神父は、医師でもあるため、医学的根拠を示して反対している。いずれにしても、正教会では、代理出産を罪悪視しており、代理出産で生まれた子どもには洗礼を与えない、という強硬な意見もある。一方、正教会では、教主が代理出産を批判するあまり、代理出産で生まれた子どもに対する偏見を煽るような発言を行い、関係者から猛反発を受けたことがあった。

 だが、「家にお腹を空かせた子どもがいるので、背に腹は代えられない」と元代理母の女性は言う。エージェントのスタッフ女性は、「この仕事をやる女性は、”何か”を乗り越える必要がある」と証言する。 “何か”とは、道徳心のことだろう。
 ある代理母は、顔全体が隠れる大きなマスクをして現れた。誰にも知られたくないという決意の表れであろう。彼女のクライアントは日本人だという。しかし、これまで一度も会ったことはない。「お金の問題があって、代理母をしているが、代理出産だからといって特別なことはない。自分の妊娠の時と全く同じように感じる」と証言する。産みの母親と子どもが特別な関係にあることは、代理母自身がよく知っていることだ。

 妊娠出産は女性にとって命がけの行為である。しかし、それだけではない。彼女たちは9ヶ月分の対価として1万ドルの報酬を貰うために、自分の身体を使って、道徳的に”正しくない”ことをさせられているのである。そのことを、外国人の依頼者は知るよしもない。

 ジョージアでも、外国人への代理出産を禁止する法案が提出されようとしたことがあった。しかし、水際で阻止された。国内で、賛成派と反対派の間で政治闘争が繰り広げられており、代理出産に関し、細かなルール変更がたびたび行なわれている。最近行われた法改正によって、何ヶ月も滞在延長を余儀なくされる依頼者が続出し、大きな混乱が生じた。現地のエージェントですら知らない間にこうしたルール変更が行なわれていることは、渡航者にとって大きなリスクである。

 ジョージアでも、代理出産が禁止される可能性があるが、ゲイカップルなどが押し寄せ、すでに黄色信号が灯っているカンボジアに比べればまだその可能性は少ない。グルジアではもともと異性愛カップルにしか代理出産を認めていない。また、カンボジアを始め、白人による植民地支配を経験した国々では、代理出産はセンシティブな問題をはらんでいる。

 国内最大の反対勢力である正教会は、代理出産を道徳的に非難する一方で、代理母にならざるをえない貧しい女性への経済的支援を唱えることはない。微細な規制を導入することで妥協点を見出し、商業的代理出産の是認という大枠は変わらないままだ。タイが門戸を閉じた後、グルジアは数少ない選択肢の一つであり、代理出産を禁止しないよう、諸外国の領事館から暗に圧力もある。まさに「背に腹は代えられない」グルジア政府のジレンマを示している。日本人エージェントを頼って日本人依頼者が渡航しており、その数は漸増していくだろう。グルジアは、世界中の依頼者からリーズナブルな渡航先と認識されている。

Link
「代理出産のユートピア ジョージアに向かう日本人」『週刊ダイヤモンド』(2016年6月11日)

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by technology0405 | 2016-06-08 16:05 | field work | Comments(0)

グルジア(ジョージア)調査結果

2015年、インド、タイ、ネパール、メキシコ(タバスコ州)なと外国人依頼者に対し代理出産サービスを提供してきた国々が次々と門戸を閉ざした。タイを追われた人々がカンボジアに流れる一方、ヨーロッパと陸続きの東ヨーロッパの国々も久しい間、ツーリズムの受け皿となってきた。
 グルジアでは、1997年に健康保護法が成立し、妻に子宮がない男女カップルに限り、代理出産を認めているが、実際にはこの条件にあてはまらない依頼者にも代理出産を提供してきた。イギリス、ドイツなどヨーロッパの国々、中東地域ではイスラエル、特にトルコからの依頼者が多い(トルコでは生殖ツーリズムは禁止されている)。現地のエージェントでは、「ドイツなど代理出産に対して厳しい姿勢を取る国もある。こちらでもいろいろな国の情報を持っていて、そうした国からの顧客に対しては、注意喚起をするが、依頼者の母国に帰国するための手続きは、依頼者の責任でやるようにお願いしている。そういう契約になっているので、何かトラブルが生じても責任は取らない」と、子どもの帰国トラブルには一切対応しないという方針をとってきた。子どもの帰国手続きは、送り出し側のエージェントが対応してきたと思われるが、予期しないきっかけで子どもの地位は容易に不安定化する。グルジアでも代理出産子の帰国トラブルが散見される。2014年から国籍法が変更され、代理出産子についての取り決めとして、依頼者の母国の国籍を付与できなければ子どもにグルジアの国籍を与えるというルールが追加された。これは、相次ぐ代理出産子の帰国トラブルや子どもの遺棄などに対し、苦肉の策として、インドでも行われた対応である。しかし、実のところ、国籍法改定のきっかけになった帰国トラブルは、法務省が導入した省令によるところが大きい。2012年に代理出産の契約書の書式についてルールが改訂されていたが、関係者に対し、周知されていなかった。「2014年頃、子どもの出生証明書の発行を求めて戸籍登録の窓口に行ったところはじめてその事実を突然、告げられた」とエージェントは証言する。現地で重要なルールの変更があったにも関わらず、エージェントは対応できていなかった。このトラブルに見舞われたイスラエルから来た依頼者男性は、次のように述べた。
「代理母はあと1週間ほどで出産の予定。イスラエルに妻と子どもが一人いて、こちらには自分一人で来ている。イスラエルで代理出産をやる場合、長い時間待たなければならないし、既に子ども1人いるので優先順位が低い。グルジアは安いし、卵子ドナーも必要だったので来た。イスラエルでは卵子ドナーがほとんどいない。グルジアの法律は厳しいと思う。ちゃんと書類を揃えないと手続きできない。エージェントのミスのせいで、長期滞在を余儀なくされる予定。同じ目にあっている依頼者は他にもたくさんいるのではないかと思う」
 契約書の不備で足止めになった場合、子どもはグルジア政府の管理下に置かれ、裁判手続きを要する。裁判では、代理母と匿名卵子ドナーが出廷して証言をすることが必要になる。こうした手続きのために、代理母や卵子ドナーのプライバシーが毀損されている。
グルジアではオーソドックス教会が大きな影響力を持ち、代理出産に反対する最大勢力になっている。たとえば、教会では、代理出産で産まれた子どもには洗礼を授けないといった方針も示されている。代理出産をめぐって容認派と反対派との間で政治的綱引きがあり、その一つの現れとして互いに矛盾する法務省の規制や国籍法の改訂が行われたと見ることができる。
 2014年、ある党から、代理出産禁止法案が提出された。健康省では、専門的な見地から法案の妥当性を検討するため生命倫理委員会に意見聴取を行った。生命倫理委員会は、教会の影響が濃いメンバー構成になっており、結果、代理出産を即時に全面的禁止するよう報告書がまとめられた。その論拠として、倫理的な見地からのみならず、医学的知見から、妊娠出産する女性と子どもとの生物学的繋がり(biological reationship)が重要であることが挙げられている点は興味深い。
 オーソドックスの神父であり、医師でもある生命倫理研究者は、次のように述べる。
「エージェントなどは、代理出産の良い面ばかり宣伝しているので、人々の考えもそれに影響されている。たとえば、代理出産のことは旧約聖書に書いてあると宣伝しているが、それは嘘。代理出産の子どもは依頼者の子どもだというのも嘘。遺伝的に違う受精卵を受け入れると、母体と子ども、互いの細胞に影響に与える。そのために出産後、何年後も、代理母と子どもの関係を証明することができる。代理母と子どもは、生物学的に深く繋がっている。遺伝的関係(genetic relationship)より生物学的関係のほうが重要。妊娠中の代理母の感情も子どもに伝わる。そのことが子どもの心身に影響を及ぼすと思う。代理母は、エージェントから、あなたは孵卵器だ、それはあなたの子どもではないと教えられている。しかし、いくらトレーニングしても、身体はそれを受け入れない。出産後、女性の心身は非常に脆弱な状態に置かれる。そのような時に子どもを奪われ、女性は大きなダメージを受ける。出産後に出てくる母乳は、母親である証だ」
 代理出産を肯定する言説への対抗として、生物学的繋がりを証明する科学根拠を示すことは有効だろう。神父によれば、代理出産を希望する依頼者に対し、このことを説明したところ、その夫婦は依頼を思いとどまったのだという。遺伝的関係と生物学的関係、どちらが重要なのか、現在のところ、科学的には解決できない。それよりも、重要なのは、生物学的関係か遺伝的関係かどちらが重要かという議論以上に、経済的に困窮している女性への救済策ではないだろうか。いずれにしても、代理母は孵卵器であって遺伝子を入れる入れ物に過ぎないという言説は、依頼者にとって非常に都合が良いものである。そして、それは必ずしも正しくない。遺伝的関係か、生物学的関係か、それは、科学的論拠である以上に、ポリティクスである。あるグルジア人依頼者の女性は次のように述べる。
 「代理母の出産を明日に控えている。嬉しくてしょうがない。自分は、結婚したのが遅かったのもあり、7年間、子どもができなかった。体外受精は一回だけチャレンジすることができた。3つの受精卵ができた。医師は私に移植するよう強く勧めたが、私は、代理母に移植することを希望した。たまたま病院に来ていた代理母を見つけて、その代理母を指名した。何かその代理母にピンと来るものがあった。私の卵子を3つ移植したら妊娠することができた。契約書に決められた金額よりももっと多く代理母に対して支払った。果物、食べ物、タクシー代・・・色々嵩んで借金をしてしまった。でもこの借金はよろこばしい借金だと感じている。25,000ドルかかった。本当は15,000ドルでよかったのだけれど。一生懸命働いてお金を返したい。出産は怖くないかと代理母に聞いたら、あなたがいるから怖くはないと答えてくれた。子どもを渡す心の準備もできていると思う。代理出産のことは、子どもにも話すつもり。きっとわかってくれると思う」
 依頼者女性は、年齢的に最後のチャンスとなる貴重な受精卵を自分の身体に戻すのではなく、若い女性の身体に入れることで少しでも成功の可能性に賭けたかったのだろう。医師の制止を振り切って代理母への移植を断行した。彼女は、決して富裕とはいえない。それでも彼女がとった行動を見ると、代理出産という方法が知られることで、若い女性の身体をそのように利用可能だとする認識がますます広がっていくのではないかと危惧される。さらに、
「契約書には将来、会わないと書いてあったが、代理母が望めば、会ってもいいと思っている。代理母には息子がいて、自分の息子と、代理出産の子どもと会わせたいみたいだ。しかし自分は代理母とは何の関係もないと思っている。代理母はただの入れ物。出産後も子どもに会いたいというのは、代理母の希望が強いから、受け入れているだけ。代理母が妊娠してから、最初の7ヶ月は毎日がとても長く感じた。ようやくこの日を迎えることができた」
 彼女は、自分の夫と代理母とは一回も会っていないとも述べており、代理母が新しい家族の中に入り込んでくるのをいつか煩わしいと感じる日が来るのではないか。その端緒は、「代理母はただの入れ物」という認識に現れている。出産前の期待や喜びが依頼者女性の心を一時的に寛容なものにしている可能性がある。子どもの引き渡しが完了し、依頼者の家庭で新しい生活が始まれば、代理母は不要であるどころか、むしろ障害物でしかなくなり、代理母の期待は裏切られる可能性があるのではないだろうか。
 上記のケースでは、ローカルな契約であることから、互いの侵入を避けられない面があった。だが外国人が依頼者のケースでは、出産後に至るまで、一度も依頼者の顔を見ていないという代理母も少なくないようであった。まさに、孵卵器という言葉通りの扱いである。とはいえ、代理母の側にも、外国人依頼者がもし交流を望んできたら困るという戸惑いも語られた。「自分の依頼者はトルコ人。契約書に1ヶ月に5日間だけ交流できると書いてあった。もし依頼者が来たら、自分の家で会うのか、自分の家に依頼者が泊まるのか、どうしようと思う。夫は反対するだろうし。ちょっと困る」。言葉が通じない関係では、疎遠な方が居心地がよいと考えるのも道理である。
 現在の情勢からすると、代理出産の禁止法案はブロックされたようだという。健康省の関係者は言う。「英国大使館から代理出産子の出生証明書を発行するために、グルジアではどのような書類が必要なのか、と問い合わせがあったことがある。こちらで根拠法と必要書類一覧を作成して大使館に回答した。イスラエル大使館からも頻繁に問い合わせがある。代理出産を禁止にしないで欲しいというニュアンスを感じる」。インドやタイ、ネパール、メキシコなどが外国人への代理出産禁止に動いた背景には、白人依頼者による有色人種の搾取であるという構図が批判の枠組みとして有効だったこともある。グルジアはそのような契機が欠けているうえに、西ヨーッパと近接しており、彼らからみて利便性が高いという地政学的要因がある。生命倫理委員会の報告書に関わった関係者は、「代理出産を禁止すべきとの勧告を政府に提出した後、政府は、外国から肯定派の人物を迎え入れて講演会を開いた。その後、代理出産禁止法案はびたりと動かなくなった。グルジアを本拠地とする世界的な代理出産のエージェント代表が政治的影響力を行使したのではないか」とその理由を推測した。外部からも内部からも、代理出産禁止への道はブロックされている。生命倫理委員会の報告書を読むと、代理出産禁止によって経済的打撃を被る医療機関やエージェントなどに対し、新しい職探しを援助すべきだと書かれている。しかし、不思議なことに、経済的に困窮している女性への救済策は唱えられていない。


ジョージア調査結果1


Acknowledgments:
調査にあたって下記の方々に協力いただいた。記して感謝したい。

Dr. Anastasia Zakariadze, Ivane Javakhishvili Tbilisi State University
Dr. Tengiz Verulava, M.D., PhD, ACAD.G. Chapidze Emergence Cardiology Center
Dr. Nana Kvernadze, Gynecologist, Infertility specialist of MD, Neo-Est, Medical Center "Open Heart"
Ms. Tamuna Gabunia, Medical Coordinator of New Life Georgia
Dr. Marina Darakhvelidze, Head of Health Care Department of Ministry of Labour Health and Social Affaires of Georgia
Dr.Vakhtang Akhaladze, MD, PhD, SciD, Dr.h.c.,Rector of Georgian Patriarchate St. King Tamar University
Mr. Konstantine Tsereteli, Tbilisi Free University



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by technology0405 | 2016-02-06 16:42 | field work | Comments(0)

ジョージア調査結果

ジョージア(グルジア)は世界的に支店を展開している代理出産エージェントNew Lifeの発祥の地である。New Life Georgiaは2008年にトビリシで営業を始めた。インド、タイと相次いで商業的代理出産に関する規制強化が採られた後、増大するニーズを満たすため、2015年3月にはカンボジアで代理出産サービスを開始し、現在、経済危機に陥っているギリシアでも外国人向けの代理出産サービスを開始する準備を行っている。カンボジアでは体外受精の技術が導入されており、代理出産を禁止する法律がない。ギリシアでは利他的代理出産が容認されている。グルジアやネパール、メキシコではひと月20組ほどのカップルを受け入れており、カンボジアではもっと多く30組になるという。海外からの顧客の窓口となっている同社の女性は、次のように述べた。「代理母は口コミでやってくるので、応募してきた時点で友人から聞いてこの仕事のことをちゃんと理解している女性がほとんど。女性には"依頼者の子ども"だと常に言い、妊娠出産の対価として報酬をもらっていることを忘れないようにする。代理母の卵子を使った代理出産はしない。代理母には裁判をしても絶対に勝てないと念を押してある。なぜならDNAテストをすれば代理母の子どもではないことは明らかだから」(Ms. Sophie Ukleba)。同社では代理出産サービスを快適に提供できる地を求めて世界中の法律について調査を継続している。体外受精技術が存在し、安価で代理母を調達できる地で、現地のスタッフを雇い入れて代理出産サービスを次々に開始しており、法規制の急な導入に備えたリスク分散を着々と行っている。
 ジョージアでは1997年の健康保護法によって代理出産が合法化されている。生殖補助医療について言及されているのは、141条、143条、144条である。141条では、カップルと独身の女性に対し精子提供が認められること、依頼者は子どもの親となり、精子ドナーは父親として認められないことが記載されている。
143条では、体外受精、精子提供、卵子提供、代理出産が認められている。配偶子提供や代理出産を行う場合はカップルの同意書が必要。妻に子宮がなければ代理出産が可能。子どもは依頼者のもので、ドナーや代理母は親になれないことが記載されている。144条では、配偶子や受精卵の凍結保存が認められている。
 生殖補助医療について直接に言及した法律は上記のみであり、体系的に規制する法は存在しない。現行法においては、体外受精や配偶子提供や代理出産は認められており、依頼者が子どもに対する全ての権利を持ち、ドナーや代理母の権利は全く認められていないのが特徴である。ジョージアでは、このように、体外受精について非常に「リベラルな」法が採用されている(Dr. Archil G. Khomasuridze)。なぜこのように「リベラルな」法が採用されたのか、今となっては誰にもわからないという( Ms. Babutsa Pataraia)。ジョージアの法は、模範とする複数の国の法律を部分的に接合したものから成立しており、生殖補助医療について十分な理解の上に作成されたものではないことは明らかである。そもそも、ジョージアで体外受精が初めて成功を収めたのは2000年(1999年という説も)のことであり、健康保護法ができた1997年よりも後のことである。一説によれば、体外受精についての法は、ジョージアの法律作成の支援をしたカナダの法律家が導入したものだという(Dr. Irma Gelashvili)。こうした曖昧な現行法の限界を乗り越えるため、体外受精や代理出産について、近年、法務省などが規制強化に乗り出した(後述)。
 グルジアで初めての代理出産を手がけたのは2000年に開設されたHope for The Futureである。代表のMs. Tamar Khachapuridzeによれば、依頼者はグルジア人で代理母は無償でサービスに応じたという。その後、15年間、代理母のリクルートや代理母の管理に携わってきた。代理母のカウンセリングに関わっており「事前にきちんと説明する。母親は誰か。遺伝的つながりがあるのは誰か。15年前からこの仕事をやっているが、代理母に子どもへのアタッチメントの問題はない」と公式見解を述べた。しかしそれに続けて、次のような証言も行った。「もちろん色々な女性がいる。例えば、子どもは代理母に似ると考える人もいる」。しかし他人のために妊娠出産することは決して簡単なことではないと考えられ、代表によれば、代理母の心配事や愚痴に対応する必要もしょっちゅうあるという。筆者とのインタビュー中にも代理母が事務所を訪れて、「医師が検査をしてくれない。もっときちんと検査するよう言って欲しい」と彼女に依頼しにきた。他にも「出産が怖いと言ってくる代理母もいる」という。いうまでもなく、出産は命がけの行為である。出産の経験がある女性が代理母として選ばれており、出産が初めての女性はいないが、自分のための妊娠出産ではないという点が、代理母をそのように消極的にしたり、不安にさせたりする原因かもしれない。
 日本人依頼者の子どもを妊娠しているという代理母(36歳)は、次のように述べた。「夫と子ども二人(15歳、12歳)で住んでいる。卵子ドナーを3回やっている。代理出産は初めて。お金が必要だからやっているが、良い事をしているという気持ちもある。日本人依頼者には向こうが秘密を守りたいという理由で会っていない。誰の精子と卵子を使っているかは知らされていない。事前に遺伝のことなどを説明してもらって理解した。今は妊娠4週目くらいで、自分の妊娠の時と精神的にも身体的にも同じように感じている。自分の妊娠と感覚は変わらないが、受精卵はもう入ってしまったのでなれるしかない。これから依頼者に渡す心の準備をしたい」。エージェントやクリニックの人間は「事前にきちんと説明をし、代理は自分の子どもではないことをきちんと理解している」と繰り返すが、代理母に話を聞くと、それは半分事実で半分は嘘である。また、次のような代理母もいる。「離婚して3歳の女児がいる。2015年2月18日に帝王切開で出産した。女児だったが、子どもの顔もちゃんとみていない。依頼者が病院からつれていった。依頼者とは契約のときと最後の子どもをつれていった日に会ったが、言葉を交わしていない。トルコ人で言葉が通じないので。依頼者は誰でもよい。いま次の代理出産に向けて待機している。子どもについては何とも思っていない。自分の卵子ではないので自分の子どもだとは思わなかった。仕事だと思ってやっている。自分を孵卵器のようだと感じる。9ヶ月間あるので、子ども渡す心の準備をすることができる。将来、子どもが会いたいといってくれば会うが、自分はただ産んだだけだと話す」。彼女は、自らを孵卵器だと語っており、代理母という役割によく適応しているように見える。いってみれば代理母の鏡のような存在だが、それでも出産の日を正確に覚えており、彼女にとって特別な日であったことが伺える。彼女の依頼者をアレンジしたエージェント代表は、彼女は割り切っているめずらしい女性で、だから会社の広告塔になってもらっている、と語った。さらにこの代理母は次のように続けた。「自分は卵子提供はやりたくない。それでも、子どもに何日も肉を食べさせていないというような状況の女性が卵子ドナーになるのを自分は悪いとはいえない」。自らの身体感覚や倫理観に照らして抵抗があることであっても、差し迫った経済的理由があればそれを侵犯せざるを得ない女性の立場への同情を示した。また、多くの代理母が口にする「代理出産は良いことだと思う」という言葉を彼女も述べている。インタビューに同席したエージェントの事務スタッフの女性は「この仕事をする女性は"何か"を乗り越える必要がある」と口を挟んだ。代理母たちは、自らの身体を通して、伝統的モラルに対する挑戦という難事を引き受けさせられている。
 代理出産の依頼者は日本のほかにも、オーストラリア、トルコ、ロシア、レバノン、ギリシア、グルジア、リビア、イラン、中国、インド、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、豪、マケドニア、日本、ウクライナ、イギリスなどありとあらゆる国からやってくる。隣国トルコからやってくる依頼者も多い。トルコでは代理出産ツーリズムは禁止されているが、実際には黙認されている。エージェントの女性は「トルコ大使館では代理出産だとわかっても妨害はしない」(Ms. Tamar Grazava)と証言した。また、ドイツでは代理出産が厳しく禁止されており、子どもの入国は認められない。かつて、ジョージアで代理出産を依頼したドイツ人カップルが帰国できなくなったことがあったという。長期滞在を強いられ、ビザ切れで母国とジョージアを何度も往復しなければならない状況に追い込まれた。夫婦は離婚し、提供卵子を使用していたため妻は子どもの引き取りを拒否した。夫は現地で子どもの世話をしていた女性と結婚し今はジョージアで仕事も見つけ定住しているという。しかしこのエージェントの代表によれば、最近ではドイツ大使館も協力的になっており、ドイツへの入国は可能だという。海外で代理出産を依頼する人々が後を立たず、トラブルやスキャンダルを回避するため、現地の大使館などが水面下では依頼者への協力を余儀なくされている現状があるものと考えられる。
 1997年以来、代理出産における依頼親の権利を認めてきたジョージアだが、近年、規制強化の兆しが見られる。2014年1月、法務大臣が代理出産の規制強化の見通しを明らかにした。また同月、東方正教会のジョージア総主教が代理出産について「他人の女性のお腹で育つ子どもが哀れである」という主旨の発言をし、利害関係者の反発を招いたという出来事があった。2014年1月下旬、法務省が準備していた代理出産の規制法が一部明らかになるという事件が生じた。これらをきっかけに、代理出産の問題は一般国民の間でも一大スキャンダルとなった。一部公開された法案の内容は、代理母はジョージア人に限る、依頼者はジョージア人、または1年間のうち6ヶ月以上ジョージアに滞在する外国人に限る、また依頼者の年齢は、妻は41歳まで、夫は46歳までとされているという。さらには、利他的代理出産に限られるという。これに対し「利他的に代理出産をすることは、絶対にありえない」とある法律家は反対する(Ms.Nino Bogveradze)。法律家は、「商業的代理出産が違法になれば地下に潜り、代理母が報酬をもらえなくなる恐れがある。だからきちんと規制して商業的代理出産を行うべきだ」と続けた。この規制法が導入されれば、代理出産産業は壊滅的な状況へと追い込まれる可能性がある。このため、反対派の抵抗も強く、当初2016年1月施行が目指されていた法案の審議は完全にストップした状況だという。「政府は体外受精や代理出産について理解していない」と代理出産に携わる関係者は証言し、知識が欠落した政府が規制法を導入することへの強い不信感を口にした。
 政府が規制法を導入することを考慮するようになったきっかけには様々なトラブルやスキャンダルが影響していることは間違いない。例えば、エージェントの代表が別のエージェントの代表を告発するという業界内部の競争関係に由来する不和もあった。訴えたエージェント代表によれば、当該エージェントでは依頼者の要請に応じて代理母を母親とする出生証明書の発行を行っていたという。これはジョージアでは違法である。告発したエージェントの女性によれば、「代理母を母親とするなら、代理母は子どもを依頼者へ渡さず、別の人間に子どもを売り払ってしまう可能性がある」と人身売買の危険性を強調した。さらに、同エージェントの代表は、筆者のインタビューに応じた際、この問題に絡んで次のように明言した。日本で将来、代理母が母親だという法律ができたなら、トラブルの元になるのでうちでは代理出産を引き受けない、と。
 代理出産の規制法はいつ成立するかわからない状況だが、既に法務省では規制強化を実行に移しており、代理出産の契約書をチェックするケースが見られるという。また、代理母、ドナー(使用した場合)、依頼者の関係者全ての署名が入った契約書が必要であり、契約書には公証人によるサインも必要になる。この規制を知らずに契約書を交わした依頼者が子どもの親と認められず、子どもは児童保護施設に送られたという。裁判を行い、結局は依頼者の子どもと認められたが、解決まで長い時間を要したという。
 ジョージアでは失業率も高く、規制に反対する側からは、代理出産ツーリズムが廃れれば雇用が無くなるという抗弁もみられた。しかし、ジョージアの「リベラルな」現行法のもとでは代理母の権利は全く無視されており、「経済的利益よりも害の方が大きい」とツーリズムの廃止を唱える研究者もいる(Dr. Irma Gelashvili)。ジョージアでは、他人のために妊娠出産をする代理母がどのように感じているのか、代理母の負担がどのようなものであるのかに注意を向ける人々はおらず、依頼者の権利は認めても、代理母の権利を認めるべきであると主張する人間はほぼ皆無であった。現行の法がどこからきたのか、今となってはその由来は明らかではないが、新たな規制が必要であることは間違いない。

ジョージア調査結果2

Acknowledgement

Ms. Tamar Gvazava, IVF Tours Georgia
Dr. Tinatin Supatashvili, MD, PhD. Embryologist, Archil Khomasurodze Institute of Reproductology.
Dr.Ludmila Barbakadze, MD, PhD, Archil Khomasurodze Institute of Reproductology.
Dr. Archil G. Khomasuridze, President of Georgian Association of Reproductive Health.
Dr.Ketevan Gotsiridze, Head of Reproductive Health Center, Chachava Clinic.
Dr. Nata Kazakhashvili, MD, Ph,D, Associated professor of I. Javakhshvili Tbilisi State University Faculty of Medicine.
Ms. Tamar Khachapuridze, Director of Donation and Reproductive Center of T.Khachapuridze.
Dr. Tengiz Zhorzholadze, Embryologist of PEPROART, Georgian-American Center for Reproductive Medicine.
Dr. Tea Charkviani, Ob/Gyn Reproductive Endocrinologist of PEPROART, Georgian-American Center for Reproductive Medicine.
Ms. Sophie Ukleba, International Patient Coordinator, New Life Georgia.
Dr. Irma Gelashvili, Ph.D. Georgian Health Law and Bioethics Society.
Ms. Babutsa(Baia)Pataraia, Executive Director of Sapari, Human Rights Center.
Ms.Nino Bogveradze, Attorney at Law, Kordzadze Law Office.
Mr.Konstantine Tsereteli, Assistant Professor of Free University of Tbilisi.
Mr. Arihiko Hasegawa, アルメニア友の会

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Chachava Clinic

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Archil Khomasurodze Institute of Reproductology

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Archil Khomasurodze Institute of Reproductology

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Donation and Reproductive Center of T.Khachapuridze

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Chachava Clinic

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PEPROART, Georgian-American Center for Reproductive Medicine


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Donation and Reproductive Center of T.Khachapuridze


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Archil Khomasurodze Institute of Reproductology


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Kordzadze Law Office


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Sapari, Human Rights Center.


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落ちそうなベランダ


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雑貨屋


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お菓子
by technology0405 | 2015-07-17 13:42 | field work | Comments(0)

グルジアの代理出産法2



  • 1997年から配偶子提供と代理出産は合法・代理出産によって産まれた子どもはカップルの子として1日以内に出生証明書に記載される(提供配偶子や提供胚を使用した場合でも同様)
  • 依頼者が親権を持つことについて、代理母の同意は不要
  • 子の親権を定める際に次の書類が必要 (代理出産契約書、IVFクリニック発行の代理母移植証明書、出産証明書)
  • 手続きを終えた後依頼者はいつでも子どもを母国に連れてかえることができる。
  • 関連法規Law of Georgia “On Health Protection” Article 143. Extracorporeal fertilization (IVF)Article 144.

by technology0405 | 2014-08-27 08:49 | Countries | Comments(0)

テル・アビブ家庭裁判所が2012年3月に出した判例により、依頼女性の卵子を使用した代理出産であれば、依頼女性が法的な母親になることとなった。母親であることの証明にはDNAテストが使用される。これまでは代理出産で子供を得た場合、依頼女性が子供を養子にする必要があった。

この判決はShifra Glick裁判官によって言い渡された。数ヶ月前N(依頼女性)夫婦はグルジア人代理母に双子を生んでもらった。一人目のお産が困難を伴い、二人目を出産するのは危険だと医師から言われていたため、IVF型代理出産を選んだ。双子の誕生以来、親の地位が明確になるまで、双子とNはグルジアにとどまっていた。

他の多くのイスラエル人カップルと同様、N夫婦も、時間と費用の節約のため海外の代理母を利用した。しかし、イスラエル国内の代理出産児の法的地位が1996年に明確化された一方で、海外で生まれる代理出産児の地位は依然として曖昧なままである。

この曖昧さを避けるため、内務省は、子供がイスラエルに入国する際に、依頼母が子供を養子にすることを求めている。N夫婦は内務省に対し、DNAテストの結果に従い自分たちが双子の親であることを認めるよう求めた。内務省から返答がなかったため、夫婦は2011年10月テル・アビブ家庭裁判所に直接要求を出した。

イスラエルの検察局は夫婦に対し、DNAテストではなく、実父確定検査で双子が夫の子供であることを証明し、子供とイスラエルに帰国後、Nと双子の養子縁組の手続きをするように求めた。Nはこの申し出を拒否し、裁判所の判断を待った。

グルジア共和国の法律では、代理出産児の親は代理母ではなく依頼親とされるので、N夫婦の名前が記載された出生証明書を持って、代理出産の事実を隠して双子と帰国することもできたが、そうしなかった。Glick判事は「生物学上の母親が、子供を非嫡出子として養子にしなければならないというのは、余りにひどく、常識に反する。」と内務省の姿勢を批判した。

この判例により、イスラエル人による渡航代理出産は今後さらに増加する可能性がある。

Israeli moms won't have to adopt babies born to surrogates
By Dana Weiler-Polak
[Haaretz Daily Newspaper | Mar. 7, 2012]

Israeli mothers no longer have to adopt babies born via surrogate
by Jared Yee
[BioEdge, 10 Mar 2012]

Israel: biological mother recognised as parent in landmark surrogacy decision
By Ruth Retassie
[Bio News, 12 March 2012]

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by technology0405 | 2013-09-03 16:23 | Countries | Comments(0)

グルジアの代理出産法

1997年以降、グルジアでは卵子・精子提供、代理出産ともに合法である。ドナーや代理母は、生まれた子供に対する権利を一切持たない。代理母でなく依頼親が法律上の親となり、出生証明書に代理母の名前は記載されない。

グルジアのLaw on Health Protectionの143条、144条は次のようである。

143条. 体外受精は以下の場合に認められる。
a) 不妊治療目的で、夫婦あるいはドナーの配偶子か胚を使用する場合。夫婦どちらかによる遺伝病が子供に遺伝する危険性がある場合も含む。書面での夫婦の同意が必要。
b) 子宮を持たない女性が、他の女性(代理母)に胚を移植する目的で行う場合。書面での夫婦の同意が必須。
これに準拠した出産であれば、夫婦を子供の両親とみなす。ドナーあるいは“代理母”は、生まれた子供の親権を一切認められない。
144条.
生殖補助が目的ならば、凍結保存した男女の配偶子あるいは胚を使用することができる。保存時期は、定型手順に従った上で、夫婦の意思により決定される。

Surrogate Motherhood Center of Georgiaのセンター長Tamar Khachapuridze医師は、2000年から厚生省の支援の下、不妊カップルがドナーや代理母を探す手助けをしている。このような公認のセンターはグルジアでもここだけである。

センターがオープンする以前は、「代理母」という言葉すら国内では知られていなかった。しかし、センターのオープンを地元メディアが取り上げて以来、仕事を求める女性たちが電話をかけてくるようになった。実際、Khachapuridze医師のクリニックに登録されている代理母たち20人は全員失業中である。「代理出産サービスを提供する女性の多くは、絶望的な状況にいます。子供がいても、お金がないのです。」

グルジアでは代理母が価格を設定する。代理母の子宮に父親の精子を入れて人工授精させるtraditional surrogacyは、代理母の卵子を使わないgestational surrogacyよりも値段が高い。グルジア国民ならgestational surrogacyが少なくとも5000ドル、外国人カップルならその倍の値段になる。これは、医療費や労働損失補償を含まない金額である。

高い失業率と経済不況の中にあるグルジアは、代理出産に最適な場所のようだ。商業的な代理出産サービスが、かなり安く手に入る。法律が代理出産を認めているものの、今のところ、それ以上の詳細な規定はないまま実施され続けている。女性が代理出産サービスを提供できる回数、ドナーから提供された精子を使用できる回数などは規定されていない。

グルジアの法律は、代理母と子供に遺伝的なつながりがある場合、代理母が子供を引き取ることを禁じてはいない。ただ、代理母が子供を引き取る場合、精子提供者はグルジアの最低賃金の25%を払うだけでよい。Khachapuridze医師は、この条項が恐喝につながる可能性があると懸念している。「これまでそんなことは一度も起きていませんがね。」

生殖補助医療に関わる法案も議会から提出されている。議員のGiorgi Gegelashviliは、代理出産が商業的に行われていることよりも、代理母と胎児の健康面を守ることに主眼を置く。「(不妊カップルへの)救済方法は必要だが、その規制は絶対にやらなくてはならない。」

Law of Georgia “On Health Protection”

Surrogate Motherhood and Donation Center - Human Georgia

Surrogate Motherhood in Georgia: A Chance for Cash
[EURASIANET.org March 28, 2006]


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by technology0405 | 2011-10-11 12:04 | Countries | Comments(0)
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