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キプロス

家政婦として働くつもりでキプロス共和国に連れてこられたフィリピン女性が、代理母になることを強要され、胚移植したが妊娠せず、その結果、約束の金も払ってもらえなかったと訴える出来事があった。

警察によると、この31歳のフィリピン女性は、キプロス在住の姉の勧めにより、4年間家政婦として働く契約を仲介業者と交わし、キプロスの夫婦の家に住み込むこととなった。しかしその夫婦のために代理出産するよう説得され、妊娠するしないに関わらず5000ドル支払うと約束された。

いったん夫婦の家で働き出すと、病院へ夫婦の付き添いで連れて行かれる他は、全く外出を許されなかったという。夫婦の胚がフィリピン女性に移植されたが着床せず、女性はフィリピンに送り返されることとなった。

この姉は以前から、フィリピンの女性を代理出産目的でキプロスへ連れて行っていた可能性があり、これ以上犠牲者が出ないように出来事を公にしたと女性は語っている。家政婦の仲介業者も、おそらく知っての上だという。

キプロス共和国は1974年以来南北に分断されており、トルコ系住民とギリシャ系住民が、北と南に完全に別れて暮らしている。国際的には承認されていない北キプロス・トルコ共和国と、ギリシャ系の南キプロスは政治も議会を別にして行われ、首都ニコシアも分断されるという状況が続いている。

キプロスは、トルコを始めヨーロッパどこからでもアクセスがしやすいこと、治療費の安さ、ドナーの匿名性、法律の緩さなどが理由で不妊ツーリズムの人気目的地となっている。配偶子提供と胚提供は利益が絡まなければOKだが、代理出産に関しては、トルコ系の北では禁止、南では法律のない状態である。Cyprus National Bioethics Committee は2007年に生殖補助医療に関する意見を出し、代理出産に関する法案の検討を求めたが、未だに法律はできていない。

しかし、禁止されているはずの北キプロスのNorth Cyprus Fertility Clinicのウェブサイトには「代理出産」の項目があり、代理出産の前段階治療をキプロスで行なってアメリカで代理母に胚を移植するというプログラムが紹介されている。こうした抜け穴により、どの国でも代理出産は可能になる。

法的保護の欠落のせいで問題が起きた、という趣旨でこのフィリピン女性の記事は書かれている。確かにフィリピンにもキプロスにも法律はなく、問題である。だが、たとえ法律があっても、患者が海外に違法な治療を求めるのを取り締まることは大変難しいだろう。

Opinion of the Cyprus National Bioethics Committee on Medically Assisted Human Fertilization

Woman’s surrogacy ordeal highlights lack of legal protection
[Cyprus e-directory]

Struggling to Control Fertility Tourism
[Biopolitical Times April 17th, 2010]

North Cyprus Fertility Clinic

Cyprus clinic suspected of egg trafficking
[BioNews 20 September 2010]



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by technology0405 | 2011-01-07 16:09 | Countries | Comments(0)
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