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Biomedical infertility care in poor resource countries: barriers, access and ethics
表紙
目次
編者: T Gerrits, W Ombelet, F van Balen, S Vanderpoel
Social Science Study Group of the ESHRE Special Task Force “Developing countries and infertility” in cooperation with the Walking Egg npo, the University of Amsterdam and the WHO

序論要約
Biomedical infertility care in low resource countries: Barriers and Access
T. Gerrits
FVV in ObGyn, 2012, Monograph: 1-6

このモノグラフに収められた論文はどれも、低資源国における不妊治療が多くの障害に直面していることを指摘している。同時に、アクセスやケアの障害を(部分的に)克服した仕組みについても知ることができる。エジプト、トルコ、イラン、ベトナムの例は、政府が、出生率を下げるための家族計画を進め人口増加を抑える一方で、不妊ケアにも意識を向け始めるプロセスを示す。こうした各国の例は、人口統計学者オディール・フランク (1983)の予言を証明している。「男も女も、不妊に対する懸念や不安を真剣に取り合ってもらえるとわかれば、もっと避妊しようという気になるだろう。」また、ロビー活動や不妊ケア擁護運動において中心になる人物や機関の存在が非常に重要であることもわかる。

経済的障害は、関係者全て――政府、(民間の)治療提供者、顧客――にとって大きな困難であり続けている。何人かの著者が指摘しているように、予防から治療まで含めた不妊治療サービスの入手、アクセス、費用をもっと利用しやすくするための革新的対処法が求められる。本モノグラムに寄せられた論文は、以下の問題を含む革新的なアプローチについて我々が創造的に考えるための刺激になるだろう。1) 新しいタイプのパートナーシップの開発(官民連携、国際間協力、治療の一部を外注するなど)、2) 既存の保険制度の拡大、保健融資の代替方法の探求、3) ESHREのタスクフォースが注目している、低価格かつ簡便なART治療の開発(1日で終わる診察など)

不妊治療およびARTの規制や提供に関わる政治家、法律家、臨床医は、法的・倫理的・心理的な疑問やジレンマ――文化的・宗教的コンテキストに起因することが多い――に直面する。これらの疑問やジレンマについては、性差別や他の不平等を避けるためにも熟慮しなくてはならない。特にHIV/AIDSが蔓延する地域では、不妊治療を必要とする人々の間に、そうした不平等が存在している。  

生殖権という観点でバイオメディカルな不妊治療に集中しても、不妊の男女が置かれている現状の解決には至らない。たとえARTが広く利用可能になったとしても、従来の価値観において妊娠出産の持つ文化的・宗教的重要性を考えると、子供のいない人々が直面する問題に終わりは来ないだろう。バイオメディカルな不妊治療の発達は、不妊の人間に対する冷遇とスティグマ化の問題には対処できない(それどころか悪化させる可能性がある)。これは2011年のヘンク専門家会議において大いに議論されたテーマである。バイオメディカルな不妊治療へのアクセスの拡大と同時に、不妊によるスティグマ化と苦痛の軽減策が必要である。また、生体医学的知識の社会的啓蒙――例えば、男性不妊と女性不妊は同程度に起こりうるという事実を知らせるなど――も必須である。

さらに、夫婦間、家族間、コミュニティレベルで不妊女性が置かれる地位の脆弱性に対処する方法を探す必要がある。成功した不妊女性によるマスメディアへの「カミングアウト」は、そうした方法の一つであろう。この分野に関しては、例えばインド人の子供のいない高齢女性たちの人生が常に悲劇的であるとは限らないとか、ガーナ人の高学歴女性は低学歴女性に比べてスティグマを感じにくいなどの事実を示す研究から得られる洞察に期待できる。経験、見方、医療が絶え間なく変化するグローバル化社会では、不妊女性のライフコースもまた静止したままではなく、時間と共に変化する。これは、今後の研究における重要なテーマの一つである。また、それぞれの低資源国のコンテキストにおいて、不妊治療へのアクセスの障害を見出すこと、アクセス的にも費用的にも妥当な不妊治療を供給・利用できるように、整備、評価、追跡調査することも進められている。長らく無視されてきたリプロダクティブ・ヘルスとしての不妊に、向き合うときが来ている。

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by technology0405 | 2013-12-27 16:35 | Countries | Comments(0)

エジプトの妊娠薬

エジプトでは2001年に、スンナ派イスラムで最も権威のある学者Mohammed Sayed Tantawi がファトゥワー(イスラムにおける専門家が出した判断のこと)を出し、代理出産の禁止、卵子・精子提供による妊娠の禁止、夫の死後に妻が夫の凍結精子を使うことの禁止が定められている。AIはエジプトでは一般的になりつつあり、精子バンクも存在する。ただし、専門家によると、バンクは化学療法などの治療を受けている男性が、生存中に父親になりたいときに利用するためのものだという。

しかし、イスラム社会では結婚して家族を持つことが重要な意味を持ち、不妊は恥とされる。そのためか、エジプトでは安価な妊娠薬が出回り、この薬のせいで多胎妊娠となるケースが多い。2008年には薬を服用した27歳の女性が7つ子を出産した。この女性にはすでに3人の娘がいた。

エジプトでは多くの地域で、息子がいないのは子供が全くいないのと同じだとみなされる。息子が家の名前や財産を相続する。その上、息子は成長してから、稼ぎ手となり家計を助ける。それゆえ、エジプトでは息子を多く欲しがる傾向にある。胚の性選別にARTが使われることも多い。

「これは医療ミスだ。母と子供たちの合併症のリスクを冒すことはできない。妊娠できるとわかっている女性に妊娠薬を与えることにもっと慎重になるべきだ。27歳で3人の子持ちなら、彼女は不妊ではない。」ベルギーのGhent大学・fertility ethicsの教授Guido Pennings

先進国でも排卵促進のためのホルモン注射は使用されているが、多胎妊娠のリスクを避けるために、卵子の成熟度合いをみながら医師が慎重に量を調節する。エジプトでは、不妊治療に使用する薬やその量に関するガイドラインや規制はない。ホルモン注射には政府の助成が出るので、一回7.5ドルと安価。

こうした多胎妊娠が、現在の人口増加にさらに拍車をかけると、国の福祉システムが立ち行かなくなるのではないかと懸念する医者もいる。Hosni Mubarak大統領が2008年6月に、7900万人いるエジプトの人口は、2050年までに倍になるかもしれないと警告したほど人口は増加傾向にある。

Egypt clerics ban surrogate mothers
[BBC 2 April, 2001]

Egypt septuplets stir debate on fertility drugs
[msn.com 8/26/2008]

Egypt’s IVF Clinics Stir Controversy
[Jakarta Globe April 06, 2010]


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by technology0405 | 2010-09-14 15:57 | Countries | Comments(0)
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