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Commercialization, Altruism, Clinical Practice: Seeking Explanation for similarities and differences in California and Canadian Gestational Surrogacy Outcomes. 2018

2010年から14年までカリフォルニアでは代理出産の件数が2倍、カナダで35%の伸びを示している。
この期間、カリフォルニアでは4677サイクルの代理出産、カナダでは1864サイクルが行われている。
2015年にカリフォルニアで行われた代理出産のうち44%が外国人の依頼者によるものであり、カナダでは同年33%の子どもが外国籍の親のもとに登録されたと考えられる。

カリフォルニアでは商業的代理出産が、カナダでは利他的代理出産のみが認められており、代理出産に関する法制度が異なるが、
どちらのデータも代理出産のケースでは、そうでないケースより多数胚移植が行われる傾向があり、その結果として多胎妊娠につながりやすい
ことがわかった。
依頼者のニーズとして、体外受精のコストをより少なくしたい、一度に双子が得られれば経済的であるということがあり、
代理母の側も、依頼者の希望に応えたいという利他的な気持ちから多数胚移植をより受け入れる傾向があるのではないかと推測される。

用いられたデータ
カリフォルニア: Centers for Disease Control and Prevention National Assisted Reproductive Technology Surveillance System (NASS)
カナダ: Canada's Assisted Reproduction Registry-Better Outcomes Registry and Network (CARTR-BORN)





by technology0405 | 2018-08-05 13:08 | Materials | Comments(0)


かつて代理出産のハブであったインドでは、外国人が代理出産を依頼する際に取得するビザに関する規制が2012年に導入され、依頼者は激減、その後、2015年に外国人による代理出産は完全に禁止となった。
現在、インドでは、生殖補助医療や代理出産に関して依然として法規制は導入されておらず、インド在住のインド人であれば商業的代理出産を依頼することも可能である。

インドではマンジ事件(依頼した日本人カップルが離婚したことにより代理出産子が帰国困難となった)などを受けて外国人による代理出産の依頼を想定し、2008年から生殖補助医療法案が審議されているが、現在もなお成立をしていない。
その後、外国人は禁止となり、国内で行われる代理出産について、規制法が必要という判断で、2016年に代理出産法案(Surrogacy [Regulation] Bill)が下院で認可され、審議が継続されている。
この代理出産法案の内容は以下のようなものである。

・正式に婚姻している異性カップルのみ依頼できる
・代理母は25-35歳までの依頼者の親族(close relative)に限る
・依頼できるのは1回のみで、代理母になれるのも1回のみ
・インド在住のインド人のみが依頼できる (NRIなどインドにルーツを持つが外国人も禁止)
・代理母のための保険を設ける
・代理出産委員会を設立
・代理出産の記録を25年間保管

もっとも大きな変化は、外国人の流入を阻止することで過度のビジネス化を抑制するだけでなく、国内でも商業的代理出産を禁止し、利他的代理出産(altruistic surrogacy)に限定するとしている点である。利他的代理出産では、代理母は依頼者の親族に限定されている。

親族の範囲をどこまでとするかについて、詳細は決定されていないが、この規定により、代理出産の実施数がかなりの程度制約されることは間違いないだろう。当然、代理出産によって経済的利益を得てきたセクターからは、大きな反発がある。

親族に限定されれば、代理母を見つけられない依頼者もいるし、またソースが親族に限定されることによって、弱い立場の親族の女性へのプレッシャーが生じる可能性がある。例えば、夫側の姉妹にそのようなプレッシャーがもっとも集中する可能性がある。
一方、インドでは、特定の宗教、食生活、生活形態が似通った階級やカーストを希望する依頼者が少なくないであろうことが予想される。そうだとすれば、親族に代理母を依頼することはメリットになるはずである。互いによく知っている関係であり、実際にどのような生活をしているかが予想できる。
これらは、親族に代理母を依頼することの潜在的なメリットではあるが、実際には、ディメリットの方が上回っているという。
インドでは不妊に対するスティグマは非常に強く、代理母が必要であることや、代理出産を依頼することは、親族にすら秘密にしたい事柄である。
このことを考慮すれば、親族に代理母を依頼する人は非常に少ないのではないかという見通しが立つ。
実際、代理出産ツーリズムで有名なアナンドのクリニックの医師によれば、これまでサポートした1,000件中、利他的代理出産のケースは25件のみであったという。この数字に倣えば、代理出産法が施行されれば、国内での利他的代理出産の実施数は非常に限られることが見通しとして得られる。
このため、利害関係者からは利他的代理出産の評判は悪い。

とはいえ、インドの富裕層にとっては、影響はより小さい。彼らは、海外で商業的代理出産を依頼するという選択肢がある。したがって、国内での代理出産の可能性が狭まったところで、選択肢がなくなるわけではない。だが、こうした事態は、代理出産法では想定されていない。法施行後、インド人依頼者が海外代理出産で得た子どもの市民権の問題が生じる可能性がある。

一方、ミドルクラスのインド人にとっては、国内で商業業的代理出産が禁止されれば、親族に協力者を見つけられない限り代理出産が依頼できなくなる可能性が出てくる。都市部では核家族が一般化しており、親族といえども互いの接点や利害関係が少なくなってきている。このため親族に代理母になることを承諾してもらえる可能性はより低くなっていきているのである。

つまり、親族を代理母とする利他的代理出産は、拡大家族などの旧式な家族制度をモデルとして想定しているといえる。
その一つの証拠に、正式に結婚している異性カップルが遺伝的つながりがある子を得る手段として想定されている。つまり、シングルや同性カップルなど、非伝統的な家族形態は全く考慮されていない。こうしたことから、代理出産法案は、家父長制的な社会モデルに依拠しているという批判もある。

もちろん、養子という選択肢もある。インドでは、家庭での養育を必要とする子どもは多いが、養子の選択肢をより利用しやすいものにするためには、規制緩和が必要になってくる。養子をもらうためには、日本と同様に、養親に課される厳しい条件、そして複雑で長いプロセスを必要とするからである。利他的代理出産法案に関する議論では、代理出産を推進するより、養子が選択肢とされるべきだという議論もなされている。

代理出産法が審議される中、現在も、インド国内では法律がないため、代理出産に関して何ら制約がなく、したがって商業的代理出産も依然として行なわれている。

かつて依頼者の多くが外国人であった時の代理母への対価は、30万、40万ルピーなどであったが、現在依頼者はインド人に限られており、20万ルピーくらいにまで報酬が下がっているとの情報もある。このように、代理母になる貧しい女性や家族から見て、得られる対価としては、より魅力が少ないものになってきている。
つまり、こうした、貧しい女性に十分な対価を支払うことが必要であるとの観点から、インドでは商業的出産を支持する声も少なくない。
つまり、代理出産は貧しい女性の搾取になりうるとの批判は挙がっていても、それは決して代理母たち自身の声を代弁したものではない。
彼女たちが欲しているのは十分な対価であり、十分な対価さえもらえれば、「誰も何も文句はいわないだろう」(新聞記者)とはフェミニストを含めて多くの人々が理解している現状である。
つまり、利他的代理出産法案は、代理母となるインドの貧しい家族からも支持される内容にはなっていない。

さらに、親族間の利他的代理出産だといっても、何らかの対価が支払われるのは必然との見方もある。人間関係において、見返りのない一方的な犠牲というのは想像しづらい。金銭でなくとも、貴金属や家など、便宜の提供がなされることが想定される。事実上、代理出産の返礼として、物資のやりとりがなされているなら、商業的代理出産を禁止している意味はあまりないことになる。

現在、外国人がインドに入国して代理出産を依頼できなくなったため、別の形態のビジネスが水面下では進行している。
インド人代理母を海外に派遣し、そこで受精卵の移植を行う方法である。代理母は一時帰国し、出産時は再び海外に渡航する。
複雑なプロセスとなり、海外で移植を受けたり出産したりするインド人代理母のリスクは以前よりももっと高くなっている。
このため、越境する代理母への報酬も高騰している。
一方、越境に際してのビザトラブル、生まれた子どもの国籍やビザ取得に何らかの支障をきたすリスクもある。
このような海外との密な連携をともなう複雑なプロセスをともなう代理出産が可能になっているのは、「これまで蓄積されたノウハウや信用があるから」とケアテーカーは述べる。

生殖補助医療法案にしろ、代理出産法案にしろ、政治や議会の動向に左右されるものなので、一体いつ施行されることになるのかは「全くわからない」(関係者)という。外国人が入ってくれば、過度のビジネス化を招くなど懸念が浮上するが、外国人を禁止したいま、国内の代理出産をめくる状況は比較的穏やかに見える。
利他的代理出産がベターだという政府の理念を示す十分であり、大きな問題が生じなければこのまま曖昧な状況のままおいておくのも選択肢の一つだと政府は捉えているのかもしれない。いずれにしても、生殖補助医療関連法としての代理出産法案は、外国人による商業的代理出産の波が途絶えた今は、優先課題とはみなされなくなりつつあり、実際に施行に至るまではもっと長い道のりをたどることになるのかもしれない。


acknowledgements:
Dr. Nitika Khaitan, Research Fellow of Vidhi Center for Legal Policy
Dr. Nanda Bijayalaxmi, Miranda House, University of Delhi
Dr. R.S. Sharma, Indian Council of Medical Research
Dr. K.D. Nayar, Akanksha IVF Center
Mr. Anurag Chawla, Surrogacy Laws India
Dr. Manashi Mishra, Center for Social Research
Mr. Sanjai Sharma, Human Rights Law Network

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by technology0405 | 2018-08-01 15:36 | field work | Comments(0)
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