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帝王切開の五日後、Nancyは自宅に帰るためにビヤエルモサで夜行バスに乗り込んでいた。赤ちゃんの代わりに彼女は札束の入った青いハンドバッグを大事そうに抱えそれから目を離さなかった。その現金はサンフランシスコのゲイカップルの代理母になった報酬150,000ペソ(7,000ポンド)日本円で約120万円の最後の分割払い金だった。赤ちゃんを譲り渡すために余分のお金を要求したという濡れ衣を着せられ代理出産斡旋業者から捨てられトラウマとなった1年を経て、Nancyは代理出産をすることにそれほどの価値があったのか確信できなくなった。「ただお金が欲しかっただけ。でも今はお金も全部なくなった。」24歳でメキシコシティの貧しい地域に住むNancyの話は、インドやタイにおける代理出産規制の強化を背景に、新しく南メキシコのタバスコ州が国際的な代理出産の中心として出現したことを物語っている。

メキシコにおける「代理出産の旅」が順調に運ぶ一方で、悪辣な代理出産斡旋業者によるお金や卵子の盗難、妊娠している代理母への精神的な虐待、支払いへの手抜きといった恐ろしい話がある。また多数の代理母は精神的、肉体的に代理出産に適合するかどうかの厳しい審査なしで採用されていた証拠もある。代理出産斡旋業者は疑いなく合法的なサービスを提供していると言うが、実際にはタバスコ州での代理出産は、利他的であることを要求されるため、法的なグレーゾーンで全ては行われている。
「良い代理出産斡旋業者と悪い斡旋業者がいます。」タバスコ州首都ビヤエルモサ出身で斡旋業者の経営するハウスや自宅にいる代理母達を訪問している看護師は、名前を公にしないことを条件に、代理出産斡旋業者には代理母との約束を守る業者と守らない業者がおり、代理母達がなんとか自力でやっていくことを求められていると語った。

1980年代後半よりいくつかのアメリカの州において、女性が遺伝的な関連のない赤ちゃんを妊娠することで報酬を得られる商業的代理出産が実施されていた。しかし費用の高騰100,000ドル(61,000ポンド)にともない、医療ツーリズム斡旋業者は代理出産が許可されていて、もっと安い費用で行えるいくつかの国を見つけた。何年もの間インドは代理出産ツーリズムで世界の中心であったが、代理出産の依頼主は結婚している異性同士のカップルに制限する厳しい法律が2012年末に制定され状況は一転した。

数ヶ月の間に国際的代理出産斡旋業者は、彼らの焦点を1998年以来タバスコ州民法で商業的代理出産が許可されているメキシコのタバスコ州に切り替えた。斡旋業者は最初の拠点を、タバスコ州都ビヤエルモサから450マイルのカンクンに設置した。カンクンはすでに医療ツーリズムの中心であり、リゾート地の砂浜と、太陽、海、そして今は代理出産を依頼主に約束した。斡旋業者は、赤ちゃんはタバスコ州生まれになるのでIVFがどこで行われるかは問題ではないと話した。

国際的代理出産斡旋業者は、同性愛者の市場に焦点を合わせた主にインターネットの上の広告で、ドナーのネットワーク、通常アメリカの半分以下の価格で喜んで子宮を貸す女性やクリニックの情報を提供した。斡旋業者は、ダウン症の赤ちゃん引取りを拒否したオーストラリア人カップルの事件後タイ政府が代理出産規制の強化に乗り出した結果、最近オーストラリアからおし寄せる多数の問い合わせについても報告している。

ビヤエルモサを拠点とするMexico Surrogacyを設立したCarlos Rosilloは「今この瞬間にも1ヶ月あたり10人から15人の代理出産による赤ちゃんが誕生している。でもこれが毎日10人から15人になると問題の始まりだ。我々がそれに備え準備をしてないと混乱が生じることになる。」と語った。

代理出産斡旋産業は、すでにカンクンの先駆者であり多数の依頼主から手付金を騙し取ったPlanet Hospitalの事件に対処している。カリフォルニアを基盤とするこの企業は破産を強いられ、アメリカ合衆国FBIの調査下にある。
この事件は代理母の脆弱な状況をはっきりと示している。Planet Hospital閉鎖後、妊娠中の5人の代理母と、胚や受精卵の移植を待つ女性達が残された。彼女達はその際ひどい扱いを受けたと言うが、当時Planet HospitalのマネージャーだったMarisol Garibayは、ライバル会社が彼女の立ち上げた会社の営業妨害を意図して流布したにすぎないとそれを否定している。

代理母の脆弱な状況は部分的には彼女たちの難しい法的立場に根ざしている。タバスコ州民法では代理出産が許可されており、出生証明書には代理母ではなく、契約した親の名前が記載されるが、その一方で代理出産は英国、カナダ、オーストラリアでなされるように「利他的」であるべきとも定められている。
タバスコ州における代理出産のブームは、比較的保守的な文化に育つ貧しい女性達が、代理出産にかかる費用と感謝の気持ち以外に見返りを求めず、しばしばゲイや外国人に親になるチャンスを与えたいと思う高潔な衝動に根ざしていることをも意味する。
Nancyはサンフランシスコのゲイカップルのために女の赤ちゃんの代理母になるというアイディアを気にいっていた。「いつの日か、彼女が私に興味をもって尋ねてくれるかもしれない。」
しかし大多数の女性達は、たとえそれが因習に一石を投じることとなろうと彼女達が就ける他のどの仕事よりも稼げるという約束に動機づけられて代理母となっている。
3人の子を持つシングルマザーはノウルェイ人男性の赤ちゃんを妊娠中だが、隣人や友人達からまた妊娠したことへの説教を受け家族の中での立場が危うくなっても、真実を話すつもりはないと語った。自身と斡旋業者の名前は出さないように頼みながら、赤ちゃんを売るという恥辱を振り払うことはできないが、代理母であることには満足している、月払い10,000ペソの報酬は、以前彼女がメイドとして働いていた収入の3倍にあたると、彼女はこう話した。

代理出産斡旋業者は、ウェブサイトで医療費と生活費以上の代理母への支払いを示してはいない。斡旋業者の1つNew Life Mexicoの代表は、代理母が斡旋業者から受け取る13,300ドルを報酬と呼ぶことは許されないといった。けれどもしそれを、経済的援助と呼ぶことが許されるなら、それはその言葉どおりになる、それがこの国のやり方だと語った。
Mexico SurrogacyのCarlos Rosilloは、法的に詳細な調査に耐えうる契約を発展させた形としてcontracting parentsより「寄付」をつのり、それを代理母へ「援助」の形で渡す慈善団体を立ち上げた。「代理母達は我々の最も大切な資産であり我々は彼女達の世話をしたい。」と彼は語る。けれども彼もまた、代理出産斡旋業者が代理母を保護するという彼らの約束を守ることを強制する法律がないことを認めた。
代理母は、もし妊娠中に依頼主の気持ちが変わっても自分が子供を抱えどうすることもできないことに気がつく。赤ちゃんに責任があることと同様、契約にも依頼主は責任があるが、もし彼らが市民登録所に現れなかった場合、どうするべきか、次にどうなるのかは明らかにされていない。
ある午後代理出産斡旋業者の事務所で交わされたスペイン人のカップルと彼らの代理母であるLauraのスカイプでの会話にもそのヒントはなかった。Lauraは彼らの双子がお腹をよくけるので男の子であると知っていたと話し、カップルの1人は赤ちゃんの性別はどちらでもいいと話した。「私は彼らを助け、彼らは私を助けている。母は最初はショックを受けていたけれど、いまでは理解してくれています。」とLauraは語った。

ビヤエルモサを基盤としGMSと呼ぶ代理出産斡旋業者を経営する代理出産弁護士のLeón Altamiranoは、どんなやり方であれ取引が行われたのなら契約書が存在する限り、依頼主が子供を家に連れて帰ることへの真剣さは証明されている、たとえ代理母への支払いが契約書に記載されていなくとも何も心配しなくても良いと主張する。「依頼主の最も大きな心配は、代理母が赤ちゃんを渡さないのではないかということです。取引を破りたい人は誰もいません。」
代理出産斡旋業者が代理母への支払いや世話についての大部分をコントロールしており、もしその斡旋業者と代理母との関係が悪化したら、代理母には頼るべき場所がほとんどないことになる。Claudiaは30歳で、前Planet Hospitalの代理母であり事件後Babies at Homeに移ったが、Facebookのメッセージ経由で水も電気も通じないアパートと不充分な食事を与えられている現状を訴え、助けを求めた。アメリカ、ニュージャージー州のカップルの子供を妊娠しており、そのカップルがライバルの斡旋業者にクラウディアの救助を求めBabies at Homeより彼女を救出した。
けれども過熱する代理出産産業は、そのダークサイドを直接経験する者たちでさえ、約束される報酬という申し出をあきらめたがらないという現象を起こしている。
Claudia の赤ちゃんの父親の一人、Thomas Chomkoは、彼の新生児が集中治療で苦痛の3週間を過ごし感染症から回復したのは、代理母への移植前の不十分なスクリーニングが原因なのではないかと疑っていると電話インタビューで語った。けれど彼は、自分の話がメキシコでの代理出産の潜在的な親の意欲をなくすものであってはならないといって譲らない。
母乳を止める薬物治療を受ける余裕がないため出産後4ヶ月がたっても母乳がでているNancyでさえ、二度目の代理出産挑戦を考えている。「今ならどうすべきだったかがわかる。」彼女が物事にちゃんと準備して対応することで落とし穴にはまることを避けられるだろうと説明した。「これ以外に娘をこの貧しい地域から出す他のどの方法も考えられないから。」


Surrogacy boom in Mexico brings tales of missing money and stolen eggs
[The Guardian September 25 2014 ]
by technology0405 | 2015-03-31 08:47 | Countries | Comments(0)


昨日、中国自然弁証法研究会生命倫理学専門委員会と広州医学院が共同主催する「第二回全国生命倫理学学術会議」が開催された。会議では「代理出産」「精子提供」の匿名原則、いわゆる「代理出産や精子提供で生まれた子供に出自を告知すべきか」という問題をめぐって議論を交わした。
華中科技大学大学院哲学科の学生斎佳は代理出産の社会的役割を肯定しつつ、以下のような代理出産のもたらす弊害への注意を喚起した。

①代理出産の実施は一人っ子政策と相反するものである。「生育許可」のない出産で生まれた子供は戸籍の確保が非常に困難であり、監護権の認定も難しくなる。
②養育権、面会権など、代理母の権利が保障できない。
③代理母と依頼者の間に不倫が起こる可能性が高い。
④売春、蓄妾の疑いがある。

ベルギーゲント大学生命倫理研究所の廖挙紅は「ヒトには自分の出自を知る権利があり、一刻も早く精子寄付で生まれた子供に出自を知らせるべきだ」と述べた。家族との関係の維持や差別問題を考慮する上で、廖は「双軌制(二重制度)」の実施、すなわち「提供者は匿名で寄付するかどうかを決め、レシピエントのカップルは匿名で提供された精子を使うか、個人情報を公開している精子を使うかを決める」という折衷案を提言した。

2008.12. 8 「代理出産や精子提供で生まれた子供の出自を知る権利 出自を告知すべきか」
by technology0405 | 2015-03-03 13:01 | Countries | Comments(0)


オーストラリア人カップルがインド人代理母の生んだ双子2人共を連れ帰るのを拒否し、1人の子どもがインドに遺棄されたという。この事件は2012年に起き、オーストラリア人カップルに対する疑惑は、大きな論争を引き起こした。

連邦司法長官ジョージ・ブランディスは、商業的代理出産の調査を続ける可能性について考慮し始めている。オーストラリア家庭裁判所長官ダイアナ・ブライアントは、疑惑の事件について、国家的な調査がなければならないと考えていると語った。ABC Newsはインドで代理母により生まれた一組の双子を巻き込んだ事件の真相を暴く調査に乗り出した。オーストラリア人カップルはすでに子どもを1人持っており、彼らはその子どもとは違う性別の子どもを持つことを望んでいたようである。代理母は男女の双子を出産したが、カップルは望まない性別の子どもの引き取りを拒んだとみられる。

ニューデリーのオーストラリア大使館員達が家庭裁判所長官ブライアントに語ったところによると、オーストラリア政府は双子2人共をカップルが連れ帰るように、カップルが望んでいた方の子どものビザの発行を延期したと思われる。ABC NEWSの調査によると上層部の政治家より大使館へビザ発行延期の圧力がかかったとみられるが、当時外務相だったボブ・カーはこのインド代理出産児遺棄事件への関与を否定している。

1人分しかビザが発行されていないその間、大使館員達は子どもの両方を連れ帰るようカップルに説得と交渉を続けたが、結果的にカップルは彼らが望んだ性別の子どもであるかどうかは不明だが、1人の子どもだけをオーストラリアへ連れ帰った。「両方の子供たちを連れて行くことをカップルに要求する法的権限が大使館員達にはない中で、彼らは道徳的に最善を尽くしていました 。私は彼らにその後もう一人の子どもに何が起きたのかを尋ねました。彼らは友人と名乗る誰かがインド人の別の家族のもとに子どもを連れて行ったと言いました。」と家庭裁判所長官ブライントはABC Newsに語った。「大使館員達は、友人というのは疑わしいし子どもを連れて行くにあたり、実際に金銭の授受が行なわれたのではないかという懸念を私に示しました。」この事例で大使館員達は深い精神的外傷を負ったという。

これが真実であるならば、捨てられた子どもを連れて行くためにお金が使われるというこの事例で起こったことは法律で罰せられることであり、人身売買に等しいと家庭裁判所長官ブライアントは語った。インドでのこの事件をブライアントは国立家族法会議でも語り、それはメディアを通じて発表された。また同じ会議上でジョン・パスコー連邦巡回裁判所首席判事は、国際的な商業的代理出産の国家的調査を呼びかけている。「私はインドでの事件、この問題がそれに値する注目を受けなかったことを懸念しています。国際的代理出産は人身売買の様相を帯びてきています。」




Australia ‘Helped’ Couple Abandon Child Born to Indian Surrogate Mother

[InternationalBusiness Times February 23,2015]

Australian couple abandons surrogate baby in India
[
Sydney Morning Herald October 8, 2014]

Australian couple left baby born in India to surrogate because of its gender
[Vancouverdesi.com October9, 2014
]

Judge tells media Australian couple left surrogate baby born in India because of its gender
[FOX NEWS
October 08, 2014]


by technology0405 | 2015-03-02 15:10 | Countries | Comments(0)
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