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2012年初めにプノンペン(カンボジアの首都)にオープンしたDr Sean Sokteangのクリニックには、670組のカップルが患者として登録されている。このクリニックは、カンボジアで初にして唯一の、不妊治療を提供するクリニックである。

患者の一人で、2年間の不妊に悩むDavidも、タイでの治療に失敗したあと、このクリニックでIUI(人工受精)を受け、2ヶ月後に妻が妊娠した。「子供がいないことを恥ずかしいことだとは思っていないが、周囲に子供のことを聞かれ続けてうんざりした。」とDavidは言う。

カンボジアの不妊について統計はとられていない。Sokteang医師は「カンボジアにも世界の他の国と同様に不妊の問題は存在する。しかし、医療へのアクセスや健康問題に対する意識が低いため、不妊カップルの多くが誰にも相談せず苦しんでいる。コンドームの使用を促進する活動は盛んだが、妊娠を望む人々に対する援助はない。」と語る。

Sokteang医師は、国内の不妊治療に自分の使命を見出している。彼女は、2014年初めに国内初のIVFとARTを提供したいと考えている。現在クリニックではIUI(人工受精)をタイ・ベトナムの半額で提供しており、IVFはシンガポールの4分の1の値段で提供するつもりだという。
「IVFを提供してカンボジア人を助けるというのは私たちにとって当然の次段階。もう、不妊治療のために外国にまでわざわざ大変な思いをしに行かなくてもいい。」
彼女のクリニックでは、これまでに130組のカップルが妊娠した。
「誰にでも子供を持つ権利がある。しかし、技術による後押しが必要な人もいる。」

Help on hand
By Charlie Lancaster
[Southeast Asia GLOBE, June 24, 2013]

PRO IVF Center
カンボジア人向けのエージェンシー。タイでの治療をアシストする。

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by technology0405 | 2013-09-30 16:05 | Countries | Comments(0)

インドで生まれるオーストラリア人の子供が急増しているという事実は、商業的代理出産の禁止が全く役立っていないことを示しているというのが、代理出産支持派の主張である。インドで生まれた子供の市民権の申請数は、過去5年で3倍以上の増加をみせている。

国内および海外の代理出産を違法とする法律がニューサウスウェールズ州や他の州に存在するにも関わらず、商業的な、あるいは報酬を伴う代理出産を利用する一人当たりの率はオーストラリアが最も高いことを、Surrogacy Australiaの設立者Sam Everingham氏は指摘する。
「妙な話だが、オーストラリアは世界の中で最も大きな代理出産市場の一つだ。国際養子へのアクセスの欠如、女性の晩婚化、金銭的な余裕など複数の要因が重なった。」

2011年3月以降、商業的代理出産に関わったニューサウスウェールズ州のカップルは、2年間の懲役と275,000ドルの罰金が科される可能性がある。それにも関わらず、Everingham氏の見積によると、ニューサウスウェールズ州では年間約100組のカップルが、国全体では約500組のカップルが海外で代理出産を依頼するという。
全国的な動きとしては、家族法評議会が、代理出産利用の増加によって起こる法的問題の扱いを検討しており、12月には報告書がまとめられる予定である。

シドニー工科大学のJenni Millbank教授が出入国省から得た資料の数字を見ると、2011-12年の事業年度において、インドで生まれた子供の市民権の申請数が519件。2007-08.年の126件と比べると、その増加は顕著である。海外代理出産が「簡単になったわけでは決してない」と彼女は言う。それどころか、代理出産禁止法は、海外代理出産を検討するカップルに不妊治療専門医が一切の助言を拒否する、という状況を引き起こしている。
「親たちは何も知らないままことを進めていく。移植胚の個数などといったリスクについて医師から情報を得られていない。皆わざわざ貧しい国に行って問題を起こしたいわけではないが、彼らは自分たちが持っている情報で動いているのだ。」

インド人の不妊治療専門医から彼女が聞いた話では、複数胚の移植が当たり前なので、多胎妊娠率が25-40%のところもあるという。複数胚移植は母子共にリスクがあるので、オーストラリアのIVFクリニックでは厳しく取り締まられており、多胎出産率は8%程度である。

もちろん海外で市民権を申請する必要のある子供は代理出産児だけとは限らないが、Millbank教授は、インドのような国で生まれるオーストラリア人の子供の急増は、海外代理出産で生まれる子供の増加を示しているとみてよいと考えている。
こうした現象は、代理出産のためによく利用される他の国でも明らかである。タイでの申請数は294件から459件と54%の増加、ウクライナでは9件から20件と122%の増加をみせている。

最近のFertility Society of Australia学会で、Millbank教授は、報酬を伴う代理出産のための倫理的な枠組みを作るべきだと主張した。
「利益第一のシステムやインセンティブ・システムではなく、人々が代理出産を考えた時にそれが実行できるようなシステムを作るべき。不妊カップルの意見を聞くと、誰かに代理出産をタダでやってくれと頼むなんてありえないと言う。」

More parents defy law with overseas surrogacy
Amy Corderoy
[The Sydney Morning Herald , September 14, 2013]

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by technology0405 | 2013-09-27 16:43 | Countries | Comments(0)

タイ医療評議会の会長Somsak Lolekha(สมศักดิ์ โล่ห์เลขา)医師は、代理母に適した親族がいない不妊女性のため、非親族の女性でも代理母になることを認める方向で規制を見直していると発表した。非合法な代理出産を防ぐため、代理出産に関わる医師はタイ医療評議会への登録が求められる。

従来の評議会のガイドラインでは、不妊女性が代理出産を依頼できるのは親族だけだった。新規制の下では、妊娠が困難であったり子宮を摘出したりした女性が、非親族の女性にも代理出産を依頼することができるようになる。

評議会が代理母として認めるのは出産経験のある20-35歳の健康な女性である。また、代理母に対し補償金が支払われるべきだともSomsak氏は言う。
「評議会は現在、商業目的での代理出産契約をどう防ぐかということについて議論している。」と彼は9月12日の実行委員会の後に語った。

タイには代理出産を禁ずる法律がないため、そうしたサービスの提供国として知られている。また、タイでの代理出産や卵子提供を勧める広告もあふれている。ウェブサイトの中には、美しい卵子ドナー女性の写真を掲示するものもある。卵子は通常10,000バーツくらいで買える。

「インドや中国が代理出産に規制をかけている一方、タイにはそうした厳しい規制がないので、多くの外国人がタイに代理出産に来るようになった。」とSomsak氏は言う。タイが違法な代理出産サービスのハブ国になっていることで、国際社会から激しい非難を受けているとも彼は指摘する。

台湾人がベトナム人女性に代理出産させて子供を裕福な外国人に引き渡していた2011年の事件では、代理出産サービスを提供する病院とその職員も関与していた。Somsak氏によると、代理出産を実施する産科医は国内に100人ほどいるという。違法な代理出産サービスを防ぐため、医療評議会は、代理出産を提供する医師を登録制にし、そうした医師の名前や数を評議会で把握したいと考えている。「我々が医師を管理できれば、違法な代理出産サービスを取り締まることができる。」とSomsak氏は説明する。

この新規制は現在、タイ王立産婦人科大学が起草しており、近い将来の施行が期待される。

Medical body to revise surrogacy regulations
PONGPHON SARNSAMAK
[THE NATION, September 14, 2013]
新聞版→http://www.pressdisplay.com/pressdisplay/ja/viewer.aspx

แพทย์สภา เล็งเปิดช่องให้หญิงที่ไม่ใช่ญาติอุ้มบุญแทนได้
[RSU WISDOM TV]

Concern as Australians turn to Thailand for surrogates
By Kerri Ritchie
[ABC News, 13 Apr 2013]
インドの規制により、タイで代理出産するオーストラリア人ゲイカップルが増加

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by technology0405 | 2013-09-27 13:04 | Countries | Comments(0)

イタリア人夫婦が2012年にインド代理出産で得た子供の地位に関する判決文。依頼父の精子と提供卵子による子供だった。夫47歳、妻53歳。
裁判所は、子供の福祉を考慮し、依頼親による子供の養育を認めた。

判決文(2012年8月)
SENTENZA――nel procedimento n. 34/12 RG/ADS ex artt. 8 segg. L.184/83 per l’eventuale dichiarazione di adottabilità del minore

Fecondazione: Ucraina patria utero in affitto, pacchetti e sconti su web
[Adnkronos Salute, 2013/07/24]
代理出産のために海外に行くイタリア人が増えているという記事

他の代理出産関連のイタリアの判決文
・Corte d'Appello di Bari, sentenza 13 febbraio 2009 -In materia di riconoscimento di maternità "surrogata" (30.12.10)
http://www.minoriefamiglia.it/download/ca_bari_13022009.PDF

・Tribunale di Napoli sez. I, sentenza 1 luglio 2011
http://unipd-centrodirittiumani.it/public/docs/TribNapoli_010711.pdf


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by technology0405 | 2013-09-27 10:00 | Countries | Comments(0)

ウクライナでの議論

代理出産は、医療的に必要な場合のみの手段であり、ビジネスではないと、産婦人科医で女性不妊の専門家Nataliya Dankovych医師が記者会見で語った。「代理出産は子宮の腫瘍や異常、心臓疾患など、深刻な病気を持った女性が利用するべき。そうした利用は医療的に必要な処置だ。」と彼女は強調する。Dankovych医師は、商業的代理出産、および外国人がウクライナで代理出産を依頼することに反対している。
彼女は、議会が代理出産を禁止している国の外国人は、ウクライナでも代理出産を利用できない、という内容の規制法を検討していることにも触れた。

またDankovych医師は、代理母が自己卵子を代理出産で使うことも禁止すべきだと考えている。「人工受精型代理出産はウクライナで許されるべきでない。 代理母と子供に遺伝的なつながりがあると、代理母が子供の母親ということになる。」と主張した。

ウクライナでは出産年齢が上昇しており、不妊で悩む女性はさらに増えるだろうと予測されている。ウクライナ国内での代理出産の需要が多くなれば、外国人への代理母提供を問題視する意見も高まる可能性がある。National Academy for Sciences of Ukraineの教授Yuliya Davydova氏によると、ウクライナでの第一子出産年齢は、7人に1人が 40歳以上、5人に1人が35歳以上となっている。しかし第一子を生むのに最も適した年齢は20―29歳だとDankovych医師は強調する。
一方、卵子凍結の専門家Elmira Ablyaeva氏は、出産を遅らせることを決めた女性のために、医学にできることがあると語った。

Surrogate motherhood is forced necessity, not commerce
[ForUm, 25 October 2012]

Ukrainian women increasingly delay motherhood for future
[ForUm, 25 October 2012]

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by technology0405 | 2013-09-24 16:57 | Countries | Comments(0)

ロシアのサンクトペテルブルク市検察庁が、市のIVF規制に違法な規制が含まれていることを指摘した。検察庁は市の衛生委員会宛に「On the organization of specialized medical care in the treatment of infertility using assisted reproductive technology program of state guarantees of the Russian citizens free medical care in St. Petersburg in 2013(Об организации оказания специализированной медицинской помощи при лечении бесплодия с применением вспомогательных репродуктивных технологий по программе государственных гарантий обеспечения граждан РФ бесплатной медицинской помощью в Санкт-Петербурге в 2013 году)」という文書を発し、改善を命じた。同市は現在、生殖補助医療に対する助成プログラムを推進しており、利用患者数も増加している。

A number of restrictions on IVF in St. Petersburg declared illegal
[International Agency "Assisted Motherhood", 02 September 2013]

Органичения на ЭКО по ОМС в Петербурге признаны незаконными
[Probirka.org , 26 August 2013]

Прокуратура признала незаконными ограничения на бесплатное ЭКО для петербурженок
[«Доктор Питер», 26 August 2013]

БЕСПЛАТНОЕ ЭКО в МЦРМ по ОМС для Петербуржцев и Иногородних
[www.mcrm.ru]
サンクトペテルブルク市のART規制

IVF financing in St. Petersburg was increased 4 times
[IRTSA 25.07.2013]

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by technology0405 | 2013-09-24 15:22 | Countries | Comments(0)

在キエフ ドイツ大使館は、ウクライナ人代理母がドイツ人カップル(妻53歳、夫44歳)のために生んだ子供に対するパスポート発行を拒否した。子供がドイツの市民権を持っていないというのがその理由であった。

カップルは裁判に訴え、2012年9月10日ベルリン行政裁判所が下した判決は、代理母――ウクライナ在住のウクライナ人――から生まれた子供は、たとえ遺伝上の両親がドイツ人であろうと、ドイツ国籍のパスポートを持つ権利がない、というものであった。

ベルリンの裁判所は、ドイツ国内での代理出産の禁止を理由に、この裁定を下した。ドイツ法によると、子供の母親はあくまで子供を出産した女性であり、遺伝上の母親ではない。つまり、このケースではウクライナ人代理母が子供の母親であり、代理母の夫が子供の父親とみなされる。

一方ウクライナの規制では反対に、代理出産は認められており子供の両親はドイツ人カップルということになる。ドイツ人カップルには、ベルリンの最高行政裁判所に上訴する権利がある。

Berlin court refused to issue a pair of German passport to a child born to a surrogate mother in Ukraine
[International Agency "Assisted Motherhood" 14 September 2012]

Because of surrogacy ban in Germany child did not receive German passport in Ukraine
[Ukrainian Surrogates, November 2, 2012]

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by technology0405 | 2013-09-24 13:59 | Countries | Comments(0)

The case about illegal trafficking of babies from the Surrogacy Center is breaking up in the court?
Irina Zozulia
[Surrogate motherhood in Ukraine, May 13, 2013]
ウクライナの代理出産エージェンシー“La Vita Felice”の創始者Victoria Chuprinova氏と、弁護士Sergey Emelyanovが、乳児売買と脱税の疑いで公判中である。ウクライナ人代理母が外国人依頼者のために生んだ子供の出生証明書の記載が問題になっている。エージェンシーは現在La Vita Nova LLCと名前を変えて、Sergei Krasnikov氏と、元代理母Ludmila Pchelnikova氏によって運営されている。

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by technology0405 | 2013-09-20 17:10 | Countries | Comments(0)

1991年のソ連崩壊後、ロシアは海外養子ブームとなり、海外に多くの養子を出す養子大国の道を歩んできた。国内養子の数と海外養子の数が初めて逆転したのは2003年である。この年、ロシア国内で養子にもらわれていった子どもの数が7188人であったのに対し、海外に出た子どもは7986人であった。

2004年海外養子の数は9419件に達した。一方、同年の国内養子は7013件。何らかの手が打たれるべきなのは明らかであった。ロシアはこの年から国内養子を増やす努力を開始する。

その結果、2005年には海外養子が6904件に減り、代わりに国内養子が7526件と僅かに増加する。2006年は国内養子7742件、海外養子6689件。2007年は国内養子9048件、海外養子4125件。2008年には国内養子9530件に対し、海外養子4536件と、国内養子の方がかなり優勢になっている。

この第一の理由は、ロシア政府が2004年にFamily Codeを改正し、養親の条件を緩和したことにある。第二の理由は、2006-2007年に養親に対し政府から補助金が出されたことである。地域によって金額はそれぞれ異なるが、通常の出産時に出るのと同程度の補助金や、養子に対する月々の支払いを養親が受け取れることとなった。

第三の理由として、国内の養親を探す期間が5ヶ月から8ヶ月に延長されたことが挙げられる。子どもの福祉のための改正であったが、このために子どもが児童養護施設で過ごす期間が長くなるという問題も起きている。第四の理由は、法的要因ではなく、人々の意識の変化である。養子制度が社会に受け入れられ、以前のような秘密意識が薄らいできたため、養子を検討するロシア人が増えたと考えられる。

国内養子を容易にするこうした対策が特に成功したクラスノダール地方では、2007年には40施設の児童養護施設に4000人の子どもが生活していたが、2009年養護施設の数は29施設、その施設で暮らす子どもの数は1418人にまで減っている。

Making national adoption easier – the view from Russia
Olga Khazova
30 November – 1 December 2009, Strasbourg

Diversity in a united world of child support: RUSSIA
Olga A. Khazova

Хазова Ольга Александровна

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by technology0405 | 2013-09-19 16:57 | Countries | Comments(0)

国際養子縁組の動向

数十年間、アメリカの国際養子縁組は増加の一途をたどっていた。ピークとなる2004年には約23,000人の子どもがアメリカに養子として渡った。しかしそれ以降、国際養子の数は急落している。米国務省のデータでは、2011年のアメリカへの国際養子は9,319人である。

多くの養子縁組支持者は、この減少をユニセフ(国連国際児童緊急基金)のせいだと捉えている。
ハーバード大学法律学の教授Elizabeth Bartholet 氏も「ユニセフや、セーブ・ザ・チルドレンのような機関、子どもの権利団体と称する組織が、国際養子縁組をなくそういう現在の動向の一番の立役者だと思う。」と言う。

ユニセフも公式の場では、国際養子を孤児のための数ある選択肢の中の一つとみなす、という立場をとっている。しかし養子縁組支持者は、ユニセフの行動が、表明した立場と食い違っていると批判する。
批判者の一人で、カトリック・チャリティーズ(全米最大の社会奉仕団体)ボルチモア支部の養子縁組担当Ellen Warnock氏は、ユニセフの建前をただの「リップサービス」だと言う。
国際子ども支援協力会議(JCICS: the Joint Council on International Children Services)の会長Tom DiFilipo氏は、ユニセフや他の国際援助機関は、国際養子縁組に対する明らかな偏見があると訴える。

特にユニセフは、虐待や腐敗をなくすことを口実に、国際養子縁組を「事実上の廃止」にする政策を推し進めていると、Bartholet氏は非難する。ユニセフの目的は、世界で最も貧しい国々の孤児の生活を改善することであったはずだが、孤児が海外の温かい家庭に養子にいけなくすることで、彼らの生活をさらに悪化させるだけに終わってしまっている。

ハーグ条約「1993年 国際養子縁組に関する子の保護及び協力に関する条約」も、養子制度の改善を目指したものである。ユニセフのスポークスマンPeter Smerdon氏によれば、この条約は「子どもの最大の利益」に焦点を置き、「道徳的で透明性の高いプロセスが確実に実施」されることを意図して作られた。
孤児に関する2004年の報告においてユニセフは、ハーグ条約加盟国に対し、私立仲介業者――養子縁組関係の弁護士や団体――を禁じる追加措置をとるよう勧告した。しかしBartholet氏に言わせると、こうした私立機関は多くの国において養子縁組の「生命線」の役割を担っているという。
「私立仲介業者の禁止が多くの国々において国際養子の終焉の前兆となってきたことを、彼ら(ユニセフ)はよく知っている。」とBartholet氏は2010年に書いている。

高水準の利益を得ている弁護士は、ユニセフの標的にされている。ひところ、グアテマラでは5000人弱の子どもを国際養子に出すことで年間8000万ドルの金が動いているとJCICSが報告したことがあった。
しかし、グアテマラのような国では、この金が、養子縁組を扱う弁護士のインセンティブとなっているとBartholet氏は言う。彼女自身、ペルー人の子どもを2人養子にしている。一人は私立仲介業者を使いスムーズだったが、そうしなかったもう一人の養子縁組手続きは「悪夢だった」と語る。

チリは1999年にハーグ条約を裁可し、その後ユニセフの勧告通り私立エージェンシーの禁止も導入した。チリからアメリカへの養子縁組は1999年17人から2007年ゼロへと急落、その後4年の空白を経て、2011年にようやく1人という状況である。ボリビアでも同じパターンが繰り返され、2002年の条約裁可と仲介業の禁止以降、2001年に35人だったアメリカへの養子は、2008年にゼロになった。

「国際養子の問題について、カソリック教徒は皆心配している。」とHoly Apostles Parish in Cranston, R.I.の弁護士で5人の養子を引き取ったLillian Godone-Maresca氏は言う。養子の3人はブルガリア人、あとの2人はハイチ人である。彼女が引き取った5人の子供は全員、脳性麻痺や脊椎披裂など特別な支援を必要とする。夫と死別したGodone-Maresca氏は、3人の実の子ども達の助けによって、養子の面倒を見ることができていると語る。
「カソリック教徒として、私たちは積極的なプロライフ派です。我々が問題にしているのは、大切な小さな人間の命のことなのです。」「養子縁組は、カソリック教徒なら誰でも行うべき職務です。養子縁組をする、あるいは他人の養子縁組を手助けする、祈る、子供たちのひどい状況を訴えるなど、どんなやり方でもいい。」

では、養子縁組支持者が主張するように、国際養子縁組の減少はユニセフの政策だけが原因といえるだろうか。養子の減少は、数々の原因を伴う複雑な世界的現象だと捉える者もいる。
「国際養子が崩壊しかけている理由は単純ではない。」政府の対応が鍵を握っているとDiFilipo氏は言う。

ユニセフのスポークスマンSmerdon氏も、養子の減少には各国政府に原因があると指摘する。「かなりの数の子供が、正当な理由もなく、基準を無視したプロセスによって海外に養子に出されている。それで各政府が国際養子を中断している。ユニセフではなく政府自身が国際養子を見合わせているのだ。」とSmerdon氏は言う(政府が海外養子を中止した一番最近の例としては、昨年12月のロシアの例がある)。Bartholet氏も政府に責任があることは認めながら「政府がユニセフなどの団体からの圧力に負ける場合の方が多いと思う。」とコメントした。

Bartholet氏とDiFilipo氏は両者とも、国際養子縁組の改革が生んだ予期せぬ結果の極端な例としてグアテマラをあげた。グアテマラは――養子制度の最も腐敗した国とみなされていた――、2002年ハーグ条約に加盟した。加盟国は、国際養子を監督し、仲介業者を認可し、養子に出される子どもの状況をきちんと検証するための公的機関を有する必要がある。グアテマラがこれらの条件を満たさなかったため、2008年に国際養子はストップされた。グアテマラの例は、国際養子制度を改革しようというハーグ条約の意図とは反対に、かえって不法養子縁組が横行するという結果に終わった。養子縁組の差し止め自体は反対しないが、現実的でない養子制度改革には断固反対、というのがDiFilipo氏の立場である。

2011年ReasonTVのインタビューにおいて、Bartholet氏は、海外養子の永久閉鎖は悪であると語っている。「もし我々が海外養子をストップすれば、年間5000人の子どもの人生を台無しにすることになる。私にとってこれは悪行である。」

全体的に海外養子は減少しているので、子どもを引き取れる可能性も減っている。諦める者もいるとボルチモア・カトリック・チャリティーズのWarnock氏は言う。「子どもを希望する親にとって悲しいことだが、彼らの人生は子どもほど影響を受けるわけではない。最も苦しい目にあうのは子どもたちだ。」

ユニセフによると2011年時点で世界には推定1億5100万人の孤児が存在する。国際養子が今のように減少する前でも、海外の家庭に引き取られていく子どもの数は少なかった。National Council for Adoption によると10年前の海外養子は約45000人だった。しかし、国際養子の減少はアメリカだけでなく世界的傾向で、2010年には世界の国際養子の数は29,000人になった。孤児の養子を推奨するカソリックは、懸念を示している。

ユニセフが海外養子を減らしたい動機は何か。そこには子どもの「heritage rights」という概念がある。母国にとどまって、親戚や、同じ人種、民族、国籍の養親と暮らす権利のことである。しかしBartholet氏は、永住できる家庭を持つ方が、孤児の福祉にとって大切であると考える。

このユニセフの主張は、貧しい国の孤児の現実を考えると、説得力を持つともいえる。子どもの多くは伝統的な意味での孤児ではない。「社会的孤児」――親が子どもを経済的に育てられないために見捨てられた子供たちである。

それでも、親が生きているという理由で子どもによりよく生きるチャンスを与えないのは間違いだとBartholet 氏は考える。彼女はユニセフが「人質」戦略をとっていると2007年の論文で主張している。子どもを「悲惨な」孤児院に入れておくことで「貧困や不公平の問題を解決するために何かしなければならないと皆に[先進国に]プレッシャーをかける」戦略だという。「これがユニセフの戦略だとしたら、道徳的で正当な戦略ではないと思う。」

これに対しSmerdon氏は、そのような見方は非論理的で間違っていると反論。「母国の家庭に引き取られない子供にとって、海外養子はベストな選択肢だろうとユニセフは考えている。」と主張し、各国の政府自身が海外養子を控えていることを強調した。

UNICEF Blamed for Decline in International Adoptions
by STEPHEN BEALE
[The National Catholic Register 05/22/2013]

非合法の養子縁組が横行するグアテマラ、孤児院から児童46人を救出
[AFP 2007年08月14日]

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by technology0405 | 2013-09-17 16:47 | Countries | Comments(0)
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