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婚姻カップル8組のうち1組が不妊といわれる中国で、不妊の増加に伴い代理出産サービスも高額化している。福建省アモイのエージェンシーは「男児保証」サービスを提供しており、金額は100万元 (US$160,000)にまで及ぶ。もしカップルが双子を欲しければさらに20万元(US$32,000)払う必要がある。3-4年前の男児保証サービスが50万元-60万元(US$80,000-$96,200)、値段は倍増している。

代理出産の仲介費用は年々上がっている。3年前の標準価格が10万元ちょっと(US$16,000)だった代理出産は、3倍になった。子供の性別を指定する場合はさらに高くなる。その商業化はとどまるところを知らない。

あるエージェンシーでは、様々なパッケージを提供している。成功が保証されない一番低価格のパッケージで30万元(US$48,000)。二番目が50万元で、男の子か女の子が2年以内に生まれることを保証する。3番目が100万元以上で、男の子の誕生の保証付きである。

別のアモイのエージェンシーは項目別の価格表をサイトに掲載している。病院手続き費用に5万元(US$8,000)、移植費用に18万元(US$28,900)、代理母仲介費用に4万元(US$6,400)、代理母への報酬に16万元(US$25,650)、卵子の費用10万元(US$16,000)、手数料15,000元(US$2,400)、合計545,000元(US$87,400)になる。しかもこれだけ払っても成功は保証されない。

Xiamen Surrogate Mother Barというウェブサイトには、出産保証付きかつ性別指定の代理出産は100万元(US$160,000)、指定なしは75万元(US$120,300)とある。出産保証付きでなくても45万元(US$72,000)ほどかかる。男の子希望の契約で胎児が女の子だった場合は中絶する、とも明記されている。

これほどまでに代理出産費用が急増している理由をエージェンシーに尋ねた。代理母への報酬を考えると、100万元でも十分とはいえないらしい。代理母への報酬は14万元-20万元(US$22,500-$32,000)、依頼親が代理母の容姿や学歴にこだわれば、さらに高額になるという。
他に、体外受精を行う医師に6万元-12万元 (US$9,500-$19,000)、病院に3万元-4万元 (US$4,750-$6,330)などが必要である。
代理出産産業が生み出すこうした巨額の利益に、若い代理母だけでなく、多くの医師、病院、仲介業者が目をつけだしている。

広州の衛生部は、法律違反にあたる体外受精を行った病院に3万元 (US$4,750)の罰金を科すことを定めているが、罰金の額が少額なため抑止に至らない。しかも、衛生部が仲介業者を罰することはできない。

広州家族計画局の事務局長Dong Yuzhengは、代理出産を完全禁止にするよりも、法律を見直し、代理出産を政府のコントロール下に置く方がよいと考えている。「卵子の不法売買をなくし、無責任な医師や仲介業者、代理母を根絶やしにする一方で、不妊の夫婦が自分の子供をもつことができる。」とDong氏は主張する。

Xiamen, a surrogate the industry commission skyrocketing package boy price of nearly one million (Figure)
[Read Daily News, December 27,2012]

Surrogacy services in China guarantee a boy for US$160,000
[WantChinaTimes, 2012-12-29]

China seeks to curb illegal surrogacy
[WantChinaTimes, 2012-02-19]

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by technology0405 | 2013-02-28 16:06 | Countries | Comments(0)

バンクーバー在住のCari Byersにとって、出産は人生の中で最も素晴らしい体験だった。子供を生めない女性の手伝いをしたいと考えた彼女は、これまでにも2回、地元のカップルと代理出産契約を結んだ。
「この2回の代理出産は、本当に素晴らしい経験だった。」と彼女は言う。

彼女は3回目の代理出産契約を中国人カップルと結んだ。カップルについては、血のつながりのある子供を望んでいるが流産を繰り返している、とだけ教えられた。多くの中国人がアメリカで代理出産しているという事実を彼女は知る。中国では代理出産が違法であるが、アメリカで生まれた子供は米国籍が取れ、将来アメリカの大学に入るのに有利である。一方、中国人にとってアメリカでの代理出産は非常に高額で、そうした子供は中国で「ミリオンダラーベイビー」と呼ばれている。

Byersは国際代理出産エージェンシーYulaneのアメリカ本社があるシカゴへ飛んだ。本社で依頼親に会い、再びシカゴに行った時に胚を移植した。その際、Yulaneから渡された小切手は署名が無効で現金に換えられず、次の日に郵便為替で送られてくるというトラブルがあったという。
「でもそのときは妊娠していたし、どうしようもなかった。後戻りは出来ない状況だった。おかしなことになりそうだという予感はあった。」

妊娠5ヶ月目の検査で、胎児に異常が見つかった。脊柱湾曲症の確率が90%で、臓器にも影響が出ていた。依頼親の指示で、Byersは中絶することになったが、それは非常に辛い体験となった。

ちょうどその頃Byersは、エージェンシーから転送されてきたメールに、Shannonという名の人物のことが中国語で書かれていることに気づいた。Google翻訳で調べると、それは、Yulaneが中国の依頼親を安心させるためのメールであることがわかった。
「Shannonは妊娠中に遺伝子検査を受ける約束になっており、問題があればすぐに知らせる。」とメールには書かれていた。
さらに調べていくと、Shannonは中国の依頼親が同時に契約していた代理母であることが分かった。Shannonはテネシー州在住で、双子を妊娠していた。

この事実はByersを打ちのめした。「依頼親がそれほど動揺しなかったのも、2人の子供が生まれる予定だったからだ。あと2人の子供の出産がひかえているなら、この子に見切りをつけて当然だ。」

Northwest Surrogacy CenterのSandy Hodgsonは、今回の契約には一切関わっていないが、2人の代理母が互いの存在を知らないケースは珍しいと言う。代理母の二重契約自体、前例はあるがめったに聞かれない。同時契約をする場合、そのことは関係者全員に知らされるべきだとHodgsonは述べる。「うちのエージェンシーではそうしたことはやらない。弁護士としての立場からいっても、関係者全員の同意なく二重契約することは考えられない。」

Yulaneのウエブサイトには、確かに「ノーリスク」パッケージの説明として、2人の代理母を雇うという記述が何度か出てくる。このパッケージは、基本的に子供ができなかったら返金されるというものだ。代理母の年齢や学歴などに関するプロフィールもある。

サイトのビデオでは、「あなたは私の永遠の母天使だ。」と男性が中国語で語りかけてくる。しかしByersは、エージェンシーの立場から見ると、もはや自分が母天使だと感じることはできないと断言する。「一番悔やまれるのは、エージェンシーをよく調べもせず飛び込んでしまったことだ。」

結局、中国人カップルはテネシー州のShannonが生んだ双子を手に入れた。Shannonもまた、ワシントン州に代理母がもう一人いることは知らなかった。その事実をShannonに伝えたが、エージェンシーとの関係は満足のいくものだったという答えが返ってきただけであった。
Byersに健康な子供が生まれていた場合、中国人カップルは3人とも引き取ったのだろうか。おそらくそうなのであろう。

このケースは、中国とアメリカの代理出産に対する感覚の違いが生んだ摩擦だといえる。中国人にとって代理出産は単なるビジネス契約に近い。一方、アメリカ人代理母は、代理出産を通して他人から認められ、自尊心を得ることを重視する。

Woman recounts nightmare surrogate pregnancy
By Anna Canzano
[KATU Feb 21, 2013]

Yulane Fertility Servicesのサイト

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by technology0405 | 2013-02-28 14:14 | Countries | Comments(0)

フィリピンの香水ビジネスの大富豪として知られるJoel Cruz氏が、2012年9月に代理出産で双子を得て話題となった。香水ブランドの会社Aficionado Germany PerfumeのCEOである Cruz氏は、ゲイであることを以前から公表していた。

双子はPrince SeanとPrincess Synneの男女。モスクワの病院で、ロシア人女性から卵子提供を受け、ロシア人代理母から生まれた。代理母候補者の中から、自分の好みで代理母を選ぶことができたと、Cruz氏は話している。

フィリピン医師会の副会長であるLeo Olarte医師は、代理出産という選択は「親が決めること」ではあるが、「当事者たちは拘束力のある契約を結び、子供の処遇がきちんとなされるようにすべきである。」と語った。

今のところ、フィリピンには生殖補助医療に関する法律がない。外国人代理母から生まれる子供の国籍に関しても、定まった規定があるわけではない。
 

Gay perfumer has twins through surrogate
[ABS-CBNnews.com 12/13/2012]

Joel Cruz Looks Forward To Birth Of His Baby Twins
By ALEX VALENTIN BROSAS
[mb.com.ph September 3, 2012]

Perfume King Joel Cruz became a father of surrogate twins
[www.surrogacy.ru]

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by technology0405 | 2013-02-27 14:32 | Countries | Comments(0)

2012年タスマニア立法審議会は代理出産法案Surrogacy Act No 34とSurrogacy (Consequential Amendments) Act No 31を通過させ、同性カップルを含む全てのカップルが代理出産によって子供をもつことができるようになった。25歳以上の経産婦であることが、代理母の条件となる。商業的代理出産は変わらず禁止される。施行は2013年1月1日。

法務長官のBrian Wightmanはこれを歴史的瞬間と呼ぶ。ゲイの権利のための活動家Rodney Croomeは、この代理出産法の通過が同性間結婚法成立の前兆になったと捉えている。

これまでタスマニア州ではSurrogacy Contracts Act 1993 No 4に従い、利他的代理出産、商業的代理出産ともに禁止されていた。Surrogacy AustraliaのSam Everingham会長によると、この禁止法のせいで他の州に移ることを余儀なくされたカップルもいるという。

オーストラリアでは、利他的代理出産を認めている州が多いが、同性カップルにも適用している州は限られる。

Tasmania passes gay, de facto surrogacy bill
[ABC NEWS, Aug 30, 2012]

Surrogacy set to be legal for all couples in Tasmania
by Serkan Ozturk
[Gay News Network]

Surrogacy Contracts Act 1993 (No. 4 of 1993) 

SURROGACY ACT 2012 (NO. 34 OF 2012) 

SURROGACY (CONSEQUENTIAL AMENDMENTS) ACT 2012 (NO. 31 OF 2012)

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by technology0405 | 2013-02-27 13:15 | Countries | Comments(0)

イギリス国外での代理出産では、依頼カップルと代理母両方に精神的、身体的、経済的搾取の危険があるという内容の研究を発表したハダーズフィールド大学Eric Blyth教授は、政府当局による厳密な監視と規制が必要であることを訴えた。

Eric Blyth教授は、ハダーズフィールド大学 Applied Childhood Studiesセンターの教員であり、この6年間で急増した代理出産について調査した論文『The changing profile of surrogacy in the UK – Implications for national and international policy and practice』(2013)の共著者である。代理出産が社会的に受け入れられるようになるにつれ、専門家に頼らず私的な契約を結ぶ人が増えるリスクが高まると論文は警告している。

Journal of Social Welfare and Family Law に掲載された、Blyth教授と共著者Marilyn Crawshaw博士(ヨーク大学)、Olga van den Akker教授(ミドルセックス大学)によるこの論文には、「児童福祉や医療に従事する専門家を含めた、情報を十分に持ったプロの助けを借りなければ、知識や情報に乏しい当事者らは、代理出産の過程においても、またその後何年間も、潜在的な危険にさらされることになる。」とある。

1990年以降、イギリス人の代理出産依頼者が子供の法律上の親になるためには、裁判所に親権の申請をする必要がある。最初は婚姻カップルに限定されていたが、2008年に規則が緩和され、同性カップルも生殖補助医療や代理出産によって得た子供の親権を得られるようになった。
裁判所が認めた親権の件数は、1995年から2007年の間は36件から52件だったが、2009年には75件に、2011年には149件に急増している。

Increasing concerns about surrogacy
[University of Huddersfield 17 Jan 2013]

‘The changing profile of surrogacy in the UK – Implications for national and international policy and practice’
Crawshaw M. Blyth E. & van den Akker O. (2013)
Journal of Social Welfare and Family Law, DOI:10.1080/09649069.2012.750478

Surrogate births: How low levels of monitoring and regulation could lead to financial, physical, emotional exploitation
[Phys.org Jan 18, 2013]

Fertility patients’ experiences of cross-border reproductive care
Fertility and Sterility Vol. 94, No. 1, June 2010
Eric Blyth教授のCBRCに関する論文。

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by technology0405 | 2013-02-26 17:04 | Countries | Comments(0)

Single women's experiences of sexual relationships and abortion in Hanoi, Vietnam
Belanger D, Khuat T.H.   
reproductive health matters 7(14) 71-82, 1999

本論文は、1996年にハノイで実施された、中絶経験のある女性20人に対するインタビューを通し、ベトナムにおけるシングル女性の婚前交渉、望まない妊娠、中絶の状況を調査したものである。対象者の年齢は18-30歳。

1990年代中頃、ベトナムの新聞記事は、処女を失った若いシングル女性のことを、ボーイフレンドの圧力に負けてセックスした犠牲者として扱うことが多かった。人生相談欄では、一線を超えたことを「告白」し助言を求める若い女性に対し、そうしたセックスは偶発的に起きた後悔すべき出来事であるかのように語られた。女性はその出来事を忘れ、二度と起こらないように気をつけるべきだ、という回答が一般的であった。こうしたシングル女性のイメージは、我々の調査結果と一致しなかったばかりか、望まない妊娠や中絶をせず性的に活発なヤングアダルトでありたいという彼女らの要求の正当性をも無視してきた。

合法で手頃な中絶サービスがシングル女性のエンパワーメントに役立っている一方で、妊娠を避けながら性的に活発でありたいと望む女性には、その手段が与えられるべきである。シングル女性の望まない妊娠を避けるため、セクシャリティと避妊に関する教育の充実が必要であることが、調査結果から分かる。女性たちが生殖分野に関して限られた知識しか持たないことは、本調査および他の様々な調査で明らかである。
インタビューした女性たちをみても、中絶後にカウンセリングを受けた者はほとんどいなかった。20人中8人が2回以上の中絶を経験しており、中絶後に避妊を行っている者も少数である。中絶の循環を止める努力はクリニックに見られなかった。若い未婚女性のための包括的な教育、情報、コミュニケーション指導やカリキュラムが求められる。

さらに、若者や未婚者のニーズに応えるための家族計画指導も行う必要がある。
ベトナムの家族計画指導は既婚女性のみを対象としており、政府は二人っ子政策を実施している。その指導はIUD(避妊リング:子宮頸部の中に留置して用いられる避妊器具で経産婦向き)に著しく偏っており、オブザーバーの避難を浴びてきた。文献が示すように、既婚女性は、避妊に関する情報を持たず、避妊リング以外の避妊法にアクセスできていない。つまり、避妊リングを受け入れない女性や副作用を起こす女性は、中絶以外の選択肢がないということである。

家族計画の指導の対象になっている既婚女性すら、避妊リングか中絶にしかアクセスできないこうした現状で、シングル女性の避妊に関する知識や技術はさらに乏しく、改善が必要である。インタビューでは、避妊法としてピルあるいはコンドームを使用していたのは20人のうち6人(中絶後からの使用も含む)で、4人が膣外射精だった。中絶経験のあるシングル女性259人に実施した量的調査においても、何らかの避妊対策(膣外射精など現代的でない方法も含む)をとっていた女性はわずか4分の1であった。一方、259人のうち中絶を複数回経験している者で、その後も避妊を実行していない女性が半数以上にのぼった。シングル女性が避妊を口にすることをタブーとする社会的風土もある。

若いシングル女性に対し、良質のカウンセリングを計画的に実施し、コンドームなどの避妊方法を推奨するより、中絶サービスを提供する方が金になる。この文脈をふまえ、中絶の前後に避妊の情報やカウンセリングをクリニックが提供するよう義務として規定することが重要であろう。避妊具の使用における男性の役割が極めて重要であることを考えると、こうしたプログラムやサービスは若い男性にも届けられるべきである。リプロダクティブ・ヘルスの問題においては、男女が共に同等の責任を負うよう進めていかねばならない。

人口政策を目的とした現行の家族計画政策は、未婚女性もターゲットに含めていく必要がある。現状では、避妊はどちらかというと、最初の出産を遅らせるためのものというより、既婚女性がもうこれ以上子供が生まれないようにするための方法として捉えられている。そうした誤解を解き、正しい情報を提供することは急務である。しかし政府の方針自体が若者やシングルの大人を対象に含んでいなければ、クリニック側が情報提供サービスを行うインセンティブを持つことは期待できない。

無防備なセックスによって性感染症やエイズのリスクが増すことについても、若い男女に啓蒙することが必要である。ベトナムでは未婚の男女は自分たちの性的関係を隠さなければならないので、問題が起こっても、診断や治療を受けることにためらいを感じることもあるだろう。残念ながらベトナムでは、コンドームは性感染症予防の手段というイメージが強いので、若いシングルの人々の避妊方法として適しているにも関わらず、避妊の手段として主流ではない。

この調査と時期を同じくして、1994年の「国際人口開発会議(ICPD)行動計画」(カイロ・コンセンサス)導入のため、ベトナムではシングルの若者のリプロダクティブ・ヘルスに関する議論が活発化し、この問題を扱うセミナーや集会も多く開かれるようになった。その一例として、1997年12月、Population Council(保健医療分野の調査研究を専門とする国際NGO)の主催で、若者とリプロダクティブ・ヘルスに関するセミナーが開催された。研究者やNGO、地元の若者団体、国際機関、保健省、国家人口家族計画委員会の間でオープンな議論が交わされたのは、これが初めてであった。しかし、こうした政府の関与は未だに包括的な政策にはなっておらず、結婚歴に関係なく全ての女性がリプロダクティブ・ヘルスサービスに平等にアクセスできるようになるまでの道のりは遠い。その上、我々の調査結果は、こうした課題が政府政策の領域を超えていることを示している。男女が安全な性行動を採用するためには、ベトナムの社会的風土が改善されることがさらに必要となる。

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by technology0405 | 2013-02-22 16:00 | Countries | Comments(0)

代理出産と売春問題

代理出産はその違法性にも関わらず、中国社会の中ですでに一つの商業として地位を築いてしまった。不十分な規制状況の下、多くの仲介代理店が代理出産で利益を得ている。今日の中国の代理出産は、代理母と性交渉し妊娠させるという、売春に絡むような問題にまで発展している。多くの風俗嬢たちが報酬の大きさに惹かれ、代理母を職業とし始める事態が起きている。

中国では代理出産自体はもはや目新しいことではない。しかし最近、深川の男性が代理母を探す過程で、仲介代理店に金を騙し取られるという事件が起きた。この事件が引き金となり、メディアが代理出産に注目するようになった。代理出産は産業といえるのか。代理母はどんな女性なのか。代理出産の仲介業者は、この違法すれすれの領域をどうかいくぐっているのか。

広東省深圳市福田区に住む洪(ホン)さん夫婦は既に50歳を超えており、海外に住む一人息子とはめったに会えない日々を過ごしていた。そこで夫婦は、老後の面倒をみてくれる子供をもう一人持ちたいと思うようになった。しかし妻はすでに高齢である。金銭的に裕福であった夫婦は代理出産を検討、“香火代孕”という 有名な代理出産エージェンシーのサイトを見つけた。

仲介業者が深川の代理母と会う手はずを整えた。洪さんによると、代理母とは福田区のケンタッキーの前で会ったという。彼女は吉林省出身、教育大学の卒業生で、身長は168センチあった。大学を出たばかりで、母親を亡くしており、学費はすべて借金で払ったと言った。お金が必要なので、代理母になりたいのだと説明した。彼女は、契約費用として16万元、妊娠中の生活費として月々3500元と家賃を要求した。洪さんは、代理母との面会料として既にエージェンシーに13000元支払っていた。代理母は最初の月の3500元をその場で支払うよう洪さんに要求し、洪さんは月の中旬に払うと言って譲らなかった。話はまとまらず、代理母は席を蹴って出て行き、その後は電話にすら出なかったという。洪さんは金を騙し取られたように感じ、代理母は偽物ではないかと疑っている。

洪さんが転送してくれた代理母からのメールにはこうある。「3500元をまず払ってからホテルの部屋をとることになっていたのに、払わなかったので、私は怒ってやめた。」文面から分かるように、洪さんは代理母と性交渉して「自然妊娠」させるつもりだった。最初の半年間は自然妊娠を目指し、それで妊娠しなかったら病院に行く、という内容で契約書にサインしていた。

記者は、香火代孕の責任者である米兰(Milan)と連絡をとった。彼女によると、代理母は偽物ではないという。ただ、互いに電話が行き違いになり、連絡がうまくいかなかったのだと説明した。代理母と洪さんの間に誤解があった上に性格が合わなかったようなので、少し落ち着いたら別の代理母を紹介するつもりだという。

誰がこうした代理母に募集するのだろうか。生活状態はどうなのだろう。記者は「小紅」(偽名)という代理母にインタビューすることができた。
小紅は杭州出身の24歳、未婚である。代理出産に関しては、エージェンシーが全て手配した。妊娠して最初の3ヶ月は月々2000元プラス食費が支払われる。妊娠すれば前金で3万元、子供が生まれると直ちに全額もらえる。彼女は双子を妊娠しているので、報酬の総額は10万元以上になると小紅は見積もる。逮捕を恐れ、ほとんど出歩かないようにしている。親にも内緒にしており「代理出産していることがバレたら殺される」と言う。代理出産で得た金で、ビジネスを始めるつもりである。

香火代孕のオーナー米兰(Milan)は、代理出産がすでに産業化されている現状を鑑み、合法化するべきだと考えている。代理出産は善意による行為であり、依頼者の誠実さと代理母の責任感によって成り立っていることを強調する。

「中国の体外受精児の母」として知られるZhang Lizhu (张丽珠)が1996年に初のIVF児誕生に成功した当時は、代理出産というのは純粋に医療技術革新であり、商業的要素はゼロであった。今日、生殖補助医療の分野は商業化の一途をたどっている。さらに問題なのは、代理出産が性交渉によって行われるケースが出てきていることである。

ある代理母の話では、ウェブ上で紹介されている代理母候補たちの中には、酒やタバコを摂取している女性が多く、中には性感染症にかかっている者もいるという。性交渉での妊娠は最も簡単である。また別の代理母によると、最近、多くの代理母が顧客との同居を選ぶという。また多くの風俗嬢(売春婦も含む)が代理母に参入してきている。

米兰(Milan)に尋ねると、妊娠するために代理母が顧客と同居するケースも、風俗嬢が代理母に参入し始めているのも事実だと、率直に答えてくれた。これは仲介業者にとっても悩みの種なのだという。エージェンシーは性交渉での妊娠を推奨しないが、通常、代理母と顧客は個人的に交渉するので、どうすることもできない。風俗嬢に関しても気をつけているが、健康であるなら、風俗嬢が大学卒より必ずしも劣っているとはいえないだろうと考えている。
顧客が性交渉での妊娠を選択する理由として、米兰(Milan)は、体外受精や人工授精は高いので、金の節約のためだろうと語った。

しかし代理出産に関する議論は多く、慎重な姿勢が必要である。
深川大学法学部のDr. Peng Bo (彭勃)は、法曹界で代理出産自体が極めて論争性の高い問題になっているという。世界をみても、代理出産を法的に認めている国はわずかしかない。Peng Bo博士は、法意識からいうと、現行法では代理出産が一切認められていないので、代理母の資格や義務、子供の親権についてすべてが不明瞭で危うい契約であることを強調する。母親は生んだ女性なのか遺伝上の女性なのか。出生証明書はどうするのか。伝統的価値観が脅かされるという問題も生じる。加えて、「一人っ子政策」に与える影響も大きい。代理出産で、男の子、あるいは二人目を持とうとする夫婦は多いだろう。

Peng Bo博士は、妊婦が自分のリプロダクティブ・ライツを放棄する代理出産は、基本的人権が関わる問題であると捉えている。また、代理出産が引き起こす社会的問題に国民と政府はもっと注意を払うべきであると考える。法律上の観点から、博士は代理出産に反対している。不透明な部分が多い現状では、こうした手段を利用すべきではないと警告する。

法律は代理出産を禁じているものの、その処罰の対象は、代理出産を幇助した医療機関と医師のみである。代理出産に関わった施設や医師は、免許を剥奪される。代理母や仲介業者、また代理出産契約による妊娠自体に規制がかかっているわけではない。

Surrogate Pregnancy in China, Be Aware of Escort Girls
[CHINAHUSH September 9th, 2009]

寻代孕 小心找到三陪女
[nddaily 稿源:南方都市报 2009-09-09]

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by technology0405 | 2013-02-19 16:53 | Countries | Comments(0)

代理出産の医師に処罰

中国南部広東省深圳の保健機関が、違法な代理出産サービスに関わったという理由で、医師一人から医師免許を剥奪することを決定した。

保健衛生調査局は、2012年10月に深圳の違法な代理出産エージェンシー2施設に対し強制捜査を実施。龍華新区の老人ホーム内で見つかった「深川安勝達」というエージェンシーの施設からは、排卵促進剤や大量のカルテが発見されていた。この施設に医師Zhang Xiulanが関わっていることが発覚した。彼女は公立病院の生殖センターに勤務しており、1988年中国初の体外受精児の誕生に貢献した婦人科医Zhang Lizhuの生徒だった。Zhang Xiulan医師が不服申し立ての請願を提出するか、審問を要求しなければ、彼女の医師免許は取り消されることになる。

他の医師の関与について深圳警察は明言していないが、深圳と東莞(とうかん:広州、深圳、香港の中間に位置する)の公立病院の医師の関与を指摘する報道もある。

摘発されたもう一つの施設は布吉街地区にあるエージェンシー。代理出産の契約書や違法に生殖補助医療を実施していたことを示す機器類が見つかった。卵子の売り手や買い手の募集を主にネット上で行っていたことを容疑者が自白している。


卵子の闇取引業者を摘発 老人ホーム地下に最新設備の手術室、その実態とは?
[Livedoor News, 毎日中国経済 2012年10月20日]

Shenzhen doctor's licence revoked for illegal surrogacy work
[chinadaily.com.cn: 2012-11-21]

Two surrogacy services raided
By Huang Yuli
[China Daily 2012-10-20]

hollister Shenzhen doctors suspected of illegally
[KIDabra International, Dec 24, 2012]


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by technology0405 | 2013-02-18 15:36 | Countries | Comments(0)

「Asking for a Child: The Refashioning of Reproductive Space in Post-War Nothern Vietnam」
Harriet M. Phinney

1980年代半ば、人口動態の変化、戦争による男性の減少、意識の変化などに伴い、未婚の女性が、結婚はしなくてもよいので妊娠だけはしたいと男性に依頼する現象がベトナムでみられ始めた。1986年の婚姻・家族法(注1)および「幸福家族計画」政策(注2)の2つは特に、母になることの重要性を強調し、新しいシングルマザーの社会的コンテキストをもたらした。

この現象の背景には、ベトナム戦争のもたらした3つの要素がある。第一は男性の不在である。国内の著しい性比の不均衡は、戦争中から1990年まで続いたことを様々な人口動態調査が示している。第二はシングル女性の高齢化である。戦争により多くの女性が婚期を逃した。戦争でボーイフレンドを失くしたり、息子が戻るまで家族が娘を出したがらなかったりといったことに加え、ベトナム労働党による戦時中の「3つの延期」政策(Ba Khoan)――子作りの延期、結婚の延期、恋愛の延期――も女性の生き方に大きく影響した。第三はシングル女性にのしかかる戦後の孤独感である。戦時中の「横の連帯感」が消え、シングル女性は、自分が適齢期を過ぎてしまったという事実に直面させられるだけでなく、そこまでして戦争に費やした努力をもはや評価しない社会で生きていかなければならなかった。

本調査でインタビューした女性の一人、1952年生まれのQuynhが「男性に妊娠させてもらう」ことを決めたのは、1986年の婚姻・家族法の発布後である。ベトナム女性連合の職員でもあった彼女は、法律を待たずして結婚・出産の慣習を破るのは不本意であった。1986年の法律によって「全ての女性は子供を持つ権利がある」という新しい考え方がもたらされたことで、Quynhは、戦争への献身から子供の育成へと焦点をシフトさせた新しい女性アイデンティティを推進する国家の要請に応じることができたのである。

 しかし、「結婚せずに子供をもつ」ことを1986年法の前に決意し実行した女性も多い。青春を国家に捧げ、(戦争中も戦後も)絶え間の無いイデオロギー運動にさらされてきたベトナムの未婚女性たちは、面倒な社会的、法律的問題があってもなお、「子なし」からシングルマザーへと自分の運命を変えるために奮闘することを厭わなかった。これらの女性が語るのは、子供を生むことで「本当の」女性であると実感でき周囲にもそう見られることが非常に重要であるということ、また老後の面倒を見てもらうために子供を持つことが必要であるということである。「幸福家族」政策と1986年法の子供を持つ権利の正当化も、この二点を根拠にしている。しかし、戦後に推進された母性賛美、子供を生むことに対する意識の高まりのきっかけとなったこの「幸福家族」政策と1986年法自体も、そもそもベトナムがドイモイによって(国ではなく)個人と家族がその社会生活の責任を負う社会になったこと、年配のシングル女性がとった先行型の生殖戦略が受け入れられる社会に変化したことで、実現したのである。その結果、シングル女性とその子供の社会的状況や精神状態は改善された。もともと、シングル女性の増加と彼女らのジレンマは、戦時中の国家の政策が責任の一端を担っていた。1986年法と「幸福家族」政策は、年配のシングル女性が「子供を求める」インセンテイブを作り上げ、同時にそれを社会的に受容可能な行為として実行できるようにしたのである。国家による戦後の女性アイデンティティの再定義は、女性が母として社会に参加できるようにとの意図をもってなされた。未婚でかつ国家の要請に応えて子を持とうとする女性は、事実上、国の統治の中に自分自身を置いているのだといえる。
 
 シングル女性が「結婚せずに妊娠」する現象を、1986年法が後ろ盾し、「幸福家族」政策がさらに彼女らの子供願望をかき立てた。国家とベトナム女連により推進されたこれらの政策は、将来的に老後の生活保護が必要になってくる大勢のシングル女性に対処するための現実的解決策として、また戦争の闇の中で青春を失った女性に対する人道的な償いとして、読み解くことができる。


(注1)1986年婚姻・家族法
「国と社会は母親と子供を保護し、また、母性という尊い役割を果たせるよう母親を支援する義務を有する。(1章3条)」シングル女性の権利に言及しているわけではないものの、全ての女性に母になる権利を与える条文として広義に解釈されている。
(注2)「幸福家族」政策
1980年代後半に保健省人口・家族計画総局によってとられた政策。適度な収入があり、夫婦仲がよく、子供が2人という理想の家族イメージが推進された。

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by technology0405 | 2013-02-18 14:23 | Countries | Comments(0)

流死産・中絶によって喪われた胎児を弔う日本の水子供養儀礼は(起源については諸説あるものの)概ね1970年代に新しく始まり、その後、普及し定着したとされる。既成の仏教寺院(但し、浄土真宗では行われていない)、新宗教教団、また最近ではネット上で、死者供養の一種として、広く実施されている。

水子供養の隆盛の背景として、戦後日本で中絶が大量に行われたという事実がある。日本は戦後、優生保護法によって堕胎罪を温存したまま、人工妊娠中絶を条件つきで合法化した。1950年代頃には年間100万件以上もの中絶が行われ、日本は「堕胎天国」と国際社会から非難を浴びるほどであった。

日本の水子供養は海外の研究者も多く注目してきた。その一人、William Lafluerは、中絶問題に対する日本仏教のプラグマティックな性格に注目している。米国社会が二分されるほどの難しい中絶論争に対し、中絶を必要悪として認めつつ、傷ついた女性に癒しを提供する仏教の道徳的あいまいさ(道徳的ブリコラージュ)は、中絶論争解決の第三の道であると評価する。Laflureの著書は、水子供養の日本文化論として高く評価されるものの、女性の視点を看過しているという点で欠陥がある。

Hardacreの著書は、こうしたLaflureの牧歌的な水子供養観を、フェミニスト視点から批判するものである。水子供養が、胎児中心主義や祟り言説によって女性の弱みにつけ込むあくどいビジネスとしての側面を持つことを正面から批判した点で、評価される。歴史文献、女性週刊誌の記事、中絶経験者の語り、国内フィールドワーク調査などを通して、フェミニストの視点からの水子供養観を描いたものである。Hardacre以前にも、日本のフェミニスト研究者による水子供養批判は散発的には存在したものの、Hardacreの著書は、外国人フェミニストによる水子供養の最初で体系的な批判書として、重要である。また80年代以降、日本で発明された水子供養は韓国や台湾、タイ、米国などにも輸出されていることから、女性差別の輸出、あるいは女性差別を利用した女性の恫喝・経済搾取が海外でも出現している可能性がある。本書の初版は1997年とやや古く、ネット上での死者供養までカヴァーしていない。だが、水子供養の国境を超えたこうした広がりを踏まえ、現在でも参照すべき価値を失っていないと考えられる。また、平易な英語で書かれており、読みやすい。

Marketing the Menacing Fetus in Japan (Twentieth Century Japan: the Emergence of a World Power)

Helen Hardacre / Univ of California Pr on Demand



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by technology0405 | 2013-02-16 09:18 | Book | Comments(0)
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