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ベトナムの養子法

ベトナム養子法
No: 52/2010/QH12

1章 一般規定
 1条 適用範囲
 2条 養子縁組の目的
 3条 用語の定義
 4条 養子縁組締結にあたっての原則
 5条 代替家族の選別における優先順位
  1項 代替家族の選別における優先順位は以下である
   a)子供の継父、継母、実の叔母か叔父
   b)国内に永住するベトナム国民
   c)ベトナムに永住する外国人
   d)海外に在住するベトナム国民
   e)海外に永住する外国人
 6条 養親となる権利、および養子となる権利
 7条 恵まれない状況にある子供の保護に対する人道的支援の推奨
 8条 養子となる者の条件
  1項 16歳未満の子供
  2項 満16歳以上18歳未満の子供で、かつ以下の条件のどちらかにあたる場合
a)養親となるのが継父あるいは継母の場合、b)養親となるのが実の叔父あるいは叔母の場合
  3項 養親にできるのは、シングルである1人の人物、あるいは夫婦である2人の人物のみ
  4項 国は、孤児や捨て子、その他恵まれない状況にある子供の養子縁組を推奨する
 9条 養子縁組の登録を行う所轄
 10条 養子縁組終了の希望を処理する所轄
 11条 出生を知る権利の保証
 12条 養子縁組登録料、国際養子縁組締結の費用
 13条 禁止行為

2章 国内での養子縁組
 14条 養親となる者の条件
  1項 養親となる者は以下の条件を十分に満たしていなければならない
   a)行為能力を有している
   b)養子となる者より20歳以上年上である
   c)健康面、経済面、住居面において、子供の世話、養育、教育をすることが十分に可能である
   d)道徳的性質を備えている
  2項 以下の者は養子縁組できない
   a)未成年者に対する親権が制限されている
   b)教育機関あるいは医療機関で行政上の処分を受けている
   c)刑務所に服役中である
   d)以下のいずれかの罪を犯したことがある:他人の生命、健康、尊厳、名誉に対する意図的な侵害;自分の祖父母、または両親、配偶者、子供、孫に対する虐待や迫害;未成年者に法を犯すようそそのかしたり強制したりする、あるいは未成年犯罪者をかくまう; 子供の人身売買や不正交換、あるいは借金の肩代わりにする
  3項 継父母が子供を養子にする場合と実の叔母・叔父が甥姪を養子にする場合b,cを適用しない
 15条 子供の代替家族を見つける責任について

 18条 国内養子縁組の対象となる子供の関係書類
  1項 国内養子縁組の対象となる子供に関する必要書類一式は以下である。
   a)出生証明書
   b)県レベル以上の健康機関によって発行された健康診断書
   c)6ヶ月以内に撮影された、正面を向いた全身写真2枚
   d)捨て子の場合、子供が捨てられていた地域を担当する村レベル*の人民委員会か警察の記録;
    孤児の場合、実の親の死亡証明書、あるいは実の親の死亡を示す裁判所の判決記録;
    親が行方不明の場合、子供の親が行方不明であることを示す裁判所の判決記録;
    親に行為能力がない場合、子供の親に行為能力がないことを示す裁判所の判決記録
   e)施設にいる子供の場合、その子供の受け入れ決定の記録
*地方行政区は省(province)レベル、県(district)レベル、村/社(commune)レベルに分割されている

 21条 養子縁組ヘの同意
  1項 実の親の同意が必要。実の親が死亡、行方不明、行為能力なしの場合は後見人の同意を得る。
     養子となる子供が満9歳以上の場合は、子供本人の同意も必要。
  4項 実の親は、少なくとも子供が生後15日になってから、養子縁組に同意できる

3章 国際養子縁組
 28条 国際養子縁組が可能なケース
  1項 我国と養子縁組に関する取極のある国*に在住するベトナム人か、その国に永住する外国人が養親の場合
* bilateral adoption agreement (3年間などの期限付き)を2国間で結んでいる国のこと。ベトナムの一般的な乳幼児施設から養子を縁組することができる。それ以外の国は2項以下条件付き。
  2項 海外在住ベトナム人、外国に永住する外国人は、以下の場合特定の子供を養子にできる
   a)彼/彼女が養子となる子供の継父あるいは継母である場合
   b)彼/彼女が養子となる子供の実の叔母あるいは叔父である場合
   c)彼/彼女が養子となる子供の兄弟姉妹をすでに養子にしている場合
   d)彼/彼女が、身体障害者あるいはエイズその他危険な病気に感染した子供を養子にする場合
   e)彼/彼女が現在、仕事あるいは勉強で一年以上ベトナムに住んでいる場合
  3項 国内に永住するベトナム国民が、外国人の子供を養子にする場合
  4項 ベトナムに永住する外国人が、ベトナムの子供を養子にする場合

 29条 養親となる者の条件
  14条で定められた規定と同様とする
 30条 文書の領事認証について
 31条 養親となる者の関係書類
  1項 海外在住のベトナム国民または海外に永住する外国人がベトナム人を養子にする場合
   a)養子縁組を希望する書類
   b)旅券あるいはその代替となるものの写し
   c)ベトナムの養子縁組許可書
   d)心理状態と家族に関する記入済みの質問表
   e)健康診断書
   f)所得証明書と資産証明書
   g)裁判記録
   h)結婚歴に関する証明書
   i)本法28条2項に規定された特定の子供の養子縁組であることを証明する書類
  2項 1項b-hの文書は、養親となる者が永住する国の管轄機関によって作成・発行・認定される
  3項 養親となる者に関する書類は2組作成し、中央の養子縁組斡旋機関を通し法務省に提出する

 32条 国際養子縁組の対象となる子供の関係書類
  1項 国際養子縁組の対象となる子供に関する必要書類一式は以下である
   a)本法18条1項に規定された書類
   b)子供の目立った特徴、趣味や癖に関する記録
   c)本法15条2項の下で、国内の代替家族を見つけることが困難であったことを明記した文書
  2項 1項の文書は3組作成し、養子となる子供が永住する地域の省レベルの司法局に提出する
  3項 家族と暮らしている子供の書類は実の親か後見人が、施設の子供の書類は施設が作成する
 33条 子供の関係書類を検証・照合し、養子縁組の資格を確認する責任
  省レベルの司法局が、受取から20日以内に書類を検証し、21条に定めた人物を署名や指紋で確認
 34条 養親となる者の関係書類を検証・転送する責任
 35条 養子となる子供を紹介する根拠
 36条 養子となる子供紹介の一連過程
 37条 子供の国際養子縁組を認める決定、および養子となる子供の受け渡しについて
 38条 養子縁組証明書
 39条 養子となった子供の成長の通知義務
  
4章 政府養子縁組機関の責任

5章 履行規定
 2011.1.1より施行

No: 52/2010/QH12 LAW ON ADOPTION

ベトナム人乳幼児との国際養子縁組
日本とベトナム(bilateral adoption agreement なし)の国際養子縁組仲介

Adoption from Vietnam
イギリスとベトナム(bilateral adoption agreement なし)の国際養子縁組に関する在ベトナムイギリス大使館の情報

Minister Lenihan announces a bilateral adoption agreement between Ireland and Vietnam
アイルランドとベトナムがbilateral adoption agreement を結ぶ
[An Roinn Sláinte:Department of Health(アイルランド保健省), 16 July 2003]

Vietnam adoption deal brings relief to Irish couples
2009年に終了していたアイルランド-ベトナム間のbilateral adoption agreement 再開
By Kevin Doyle
[Herald.ie, September 22 2012]

Vietnam Adoption
アメリカ-ベトナム間では2005年にbilateral adoption agreementが結ばれ2008年に終了したまま



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by technology0405 | 2013-01-31 16:56 | Countries | Comments(0)

Reprod Health. 2012; 9: 24.
Published online 2012 September 28. doi: 10.1186/1742-4755-9-24
PMCID: PMC3546836

Indonesian infertility patients’ health seeking behaviour and patterns of access to biomedical infertility care: an interviewer administered survey conducted in three clinics
Linda Rae Bennett, Budi Wiweko, Aucky Hinting, IB Putra Adnyana, and Mulyoto Pangestu

<背景>
インドネシアは、社会的にも心理的にも子供を求める風潮が強く、不妊治療の需要が高い。しかし、現存する不妊治療サービスが十分に活用されているとはいえない。不妊治療を含む、適切で包括的な生殖医療サービスへのアクセスは、個人の経済状況に影響されない基本的なリプロダクティブ・ライツである。従って、インドネシアは、生殖補助医療ヘのアクセス改善策を緊急に突き止め実行することを求められている。インドネシア人不妊患者がどのような健康追求行動(Health-Seeking Behavior:病気から回復や健康増進をもとめる病気の当事者と家族の行動のことを指し、当事者と家族の経済状態、教育水準、日常の健康行動、文化構造などの要因により多様な広がりと一定の行動様式をもつ)を起こし、またどのように不妊治療へアクセスするのか、ということを理解し、アクセスの改善を探ることが、本論文の原則目的である。

<調査方法>
2011年7-9月、インドネシアの不妊クリニック3施設を通して募集した212人の不妊女性患者に対し、面接調査を実施。参加者は自選で、データの分析は記述統計を用いた。

<調査結果>
治療にアクセスする際の障壁として患者が挙げた要因は、不妊治療に対する信頼の低さ、担当医の切り替えが多い、クリニックの数が少ない、場所が遠い、紹介制度が確立されていない、治療費が高額、不妊と診断されることや膣内診が不安、などであった。
不妊治療が成果を上げない原因として、一般的に、女性の結婚年齢の上昇や、医師への相談の遅さを挙げる医師は多い。しかし本調査では、結婚年齢の中央値は26歳、最初に医師の診察を受けた年齢の中央値は28歳、結婚してから不妊治療を受けるまでの期間は中央値12ヶ月であり、こうした前提は当てはまらなかった。
54%の患者が、地元で治療を受けられず、不妊治療のために長距離移動を余儀なくされていた。

<結論>
女性不妊患者212人の回答から、不妊治療へのアクセス改善のために重要な4点が浮かび上がった。第一に、不妊治療に関する患者教育を実施していく必要がある。第二に、不妊クリニックの数を各地に増やすことで、長距離移動の必要がなくなる。第三に、治療の低コスト化。第四に、一般医と産婦人科医や不妊治療専門医が連携し、紹介制度を確立することが重要である。

Understanding access to ART in Indonesia
Linda Rae Bennett, Budi Wiweko, Aucky Hinting,IB Putra Adnyana, Mulyoto Pangestu
[PERFITRI, August 20, 2012]



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by technology0405 | 2013-01-29 16:52 | Countries | Comments(0)

インド政府が、同性カップルあるいはシングルの外国人に代理出産ビザ(医療ビザ)を発行しないと決めた問題で、不妊クリニックとゲイの権利向上活動家から「差別的である」という非難の声が上がっている。

「親業は万人の権利であり、我々はその権利を取り上げられたことになる。」とニューデリーにあるInternational Fertility CentreのRita Bakshi院長は言う。「このルールは厳しすぎて受け入れ難い上に、非常に差別的だ。」と彼女はAFP通信社に語った。
別の不妊治療専門医Anoop Guptaも、「同性カップルやシングルの外国人にとっては大きなショックだ。」と言う。

ゲイの権利向上活動家も、2002年に合法化された代理出産に対しこうした規則の厳格化が実施されたことを批判している。「ゲイカップルはもちろん、何年も一緒に住んできた事実婚カップルやシングルの人々に対しても、酷な措置である。」とムンバイの活動家Nitin Karaniは訴える。

インドは非常に保守的な国で、同性間の合意の上でのセックスが処罰の対象から外されたのは2011年である。にもかかわらず、子供を望むゲイカップルの渡航国として人気を高めてきた。政府がメディカルツーリズムを大いに推進する一方、裕福な外国人が貧しいインド人女性に子供を生ませているという問題が、多くのインド人の心に倫理的な懸念として立ち上がってきているのも事実である。

同性カップルをターゲットにした観光産業は、「ゲイツーリズム」「LGBTツーリズム」と呼ばれ、実はインドで急成長している分野である。代理出産ツアーだけでなく、ヨガやスピリチュアルのツアー、結婚やハネムーンのツアーなども人気が高い。2011年の18th South Asia Travel and Tour Expo (SATTE)の会議では、LGTBツーリズムについて業界全体が注目していた。同性カップルのための旅行会社もある。

Indian Surrogacy Lawの創始者の一人Hari Ramasubramanianは、新しいビザ規制が「専門家による適切な鑑定」なしに導入されたことが問題であり、法定で正式な異議を申し立てる必要があると語った。
「規則の対象になった人々の多くは、これまで、親になるための選択肢としてインドを素晴らしい国とみなしてきたのに、この選択肢が閉ざされたのは非常に悲しいことだ。」

India bars foreign gay couples, singles from surrogacy
By Penny MacRae
[AFP, Jan 19 2013]

India eyeing growing gay tourism market
[eTN Global Travel Industry News, Jul 17, 2011]

Options for Gay India Travel
ゲイツーリズムを扱うインドの旅行代理店5社
[By Sharell Cook, About.com]

Gay-friendly holiday destinations in India
by Neil Pate
[The Times Of India, Sep 13, 2012]

India to turn hottest destination for gay, lesbian tourists
[DECCAN HERALD, Jan 29 2011]

India, an emerging gay tourism hub?
by Sharon Fernandes
[Hindustan Times, October 09, 2011]

18th SATTE : Session II: Gay and Lesbian Tourism: Time to be taken out of the closet?


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by technology0405 | 2013-01-25 13:48 | Countries | Comments(0)

インドの代理出産を規制する初の措置として、内務省は、インドで代理出産をする外国人のビザに関して厳格な指針を出した。これにより同性カップルおよびシングルの外国人は、インド人代理母に出産を依頼することができなくなる。ビザ発行の条件として、2年以上の婚姻関係にある外国人「男女」に限る、という項目ができたからだ。

これまで観光ビザでインドに入国していた外国人の代理出産依頼者は、今後「医療ビザ」で入国しなければ、合法的に代理出産を依頼することができなくなる。そしてこの医療ビザの申請に、夫婦の婚姻関係(2年以上)の証明が必要になる。

内務省によると、この指針により、メディカルビザなしで代理出産を実施しようとした場合、法律によって罰することができるようになったという。この新規則は2012年12月17日に各大使館に知らされたが、告知はまだ十分とはいえない。

インド内務省のホームページより ビザ発行(1) 

No surrogacy visa for gay foreigners
by Madhavi Rajadhyaksha
[Times of India, Jan 18, 2013]

India: Visa regulations block gay surrogacy to foreigners
by Corinne Pinfold
[Pink News, 18 January 2013]

Surrogacy norms in tune with ICMR guidelines
by Madhavi Rajadhyaksha
[Times of India | Jan 18, 2013]

New surrogacy norms will hit ‘genuine couples’
By Madhavi Rajadhyaksha
[Times of India, Jan 19, 2013]

India cracks down on surrogacy
by Michael Cook
[Bio Edge | 18 Jan 2013]

India surrogacy change cuts off Aussie parents
By Nance Haxton
[ABC News, Jan 15, 2013]

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by technology0405 | 2013-01-24 11:28 | Countries | Comments(0)

チェンナイのVyasarpadi に住むPremaは、代理出産で男の子を生み、依頼親から20万ルピーを受け取って大喜びだった。しかし、家族の生活のために使うはずだったこの金は、またたく間に夫の飲み代に使われてしまった。息子に教育を受けさせるという夢を打ち砕かれたPremaは、再び単純労働の仕事に戻るしかなかった。

家族のため9ヶ月間他人の子供を妊娠したにもかかわらず報酬を取り上げられたPremaのような女性を助けるため、2013年1月18日、NGO団体Global - Surrogate Mothers Advancing Rights Trust (G-SMART)がチェンナイで立ち上げられた。G-SMARTの理事Mr A. J. Hariharanは、インドで代理母を依頼するカップルが年間50000組にのぼることを明かし、「代理母の身体的・感情的・精神的な健康に取り組み、カウンセリングや金の使い方に関するアドバイスをすることで代理母の将来を守りたい。」と話した。

地域医療の専門家Dr Jaya Shreedharは、インドに商業的代理出産が定着した今、代理母の権利を守るために市民社会がもっと動くべきだと言う。「生殖補助医療はメディカルツーリズムの重要な一部であり、治療費の安さを武器に拡大している。西欧諸国で代理出産を依頼すれば800万ルピーくらいだが、インドでは10万-50万ルピーですむ。現状としては非常に搾取的だ。貧しい代理母たちは、不妊治療ビジネスに利用され、顧みられない。Indian Community Welfare OrganizationのようなNGOがもっと、代理母の権利について助言、啓蒙していかなくてはならない。」と彼女は強調した。

チェンナイはメディカルツーリズムのハブ都市であり、不妊治療や代理出産サービスの分野でも重要な場所になりつつある。Chennai Fertility Centre, Akash Fertility Centre, Madras Medical Mission, Apollo Hospitals, Prasanth Fertility Centre, Iswarya Women’s Hospital and Fertility Centre, Bloom Fertility Centre, Nagamani Hospital, GG Hospital and Chettinad Health City and Women Centreなどが、代理出産サービスを提供している。

G-SMART

Booster shot for surrogate moms
[Deccan Chronicle, 19th Jan 2013]

'Surrogacy is a boon'
[The New Indian Express, Jan 21, 2013]

Chennai-based trust seeks to bring about transparency in surrogacy
R. Sujatha
[The Hindu, January 20, 2013]

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by technology0405 | 2013-01-22 13:29 | Countries | Comments(0)

28歳のカナダ人Shany Russellは、イスラム法が代理出産を禁じていることを全く知らないまま、インターネットで知り合ったクウェート人夫婦の代理母を引き受けた。アメリカ人弁護士を介し、$10,000で夫婦の子供を代理出産するという契約を結んだ。カナダで契約書にサインした後、Russellはクウェートに行き、夫婦の受精胚を移植した。代理出産が禁じられていることは、夫婦からも全く教えられなかった。帰国しようとして初めて、カナダ大使館から、クウェートで代理出産が禁じられていることを聞かされた。彼女は幸運にも裁判などに巻き込まれずに済んだが、もしクウェートで逮捕され 告発されていたら刑務所行きだったかもしれない。

イスラム教は、婚姻関係外の代理出産を禁じている。一夫多妻は認められており、その場合、妻との受精卵を別の妻に移植するのは許されると考えるイスラム法学者も一部に存在する。

Russellはクウェートシティ(クウェートの首都)のホテルから、必死になって、報道機関や支援組織、カナダの議員、果てはカナダの首相にまで、助けて欲しいというメールを送っていた。結局、カナダ大使館の人間が彼女に付き添い、空港まで送り届け、帰国することができた。結局妊娠はしていなかった。イスラム法に反する医療処置を行なったという罪でクウェート政府に逮捕される可能性もあった。

予定では、Russellはクウェートで胚移植し、妊娠が確認されたらカナダに戻り、出産はカリフォルニアで行なうことになっていた。そこでクウェート人夫婦は子供を受け取り、彼女は$10,000を受け取る契約だった。しかし、家族に不幸があったため、妊娠が確定する前に帰国したいとRussellが希望したところ、クウェート人夫婦に脅され、無理に引き止められたという。クウェート人夫婦は、Russellの主張を否定している。

多くの国で代理出産が禁じられているにもかかわらず、インターネット上での取引によって、多くのカップルが母国の法律を回避している。インターネットでの契約で代理母になるのは主にアメリカ人で、値段は$35,000 から $100,000程度、そのうち代理母自身の受け取りは$14,000 -$50,000である。Russellのようなアメリカ人以外の代理母は値段が安いが、通常のカリフォルニアの代理出産法を適用する際にトラブルが起きる可能性をはらんでいると、代理出産契約を専門とするコネチカット州ニューヘイブンの弁護士Andrew Vorzimerは言う。

Surrogacy Prevails Where Banned Via Internet
By David Ruppe
[abc NEWS, Aug. 21]

Surrogacy? Not in Kuwait!
[Albawaba.com]

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by technology0405 | 2013-01-11 16:59 | Countries | Comments(0)

『発展途上国世界のメディカルツーリズムに関する新たな倫理的観点』
By Jeremy Snyder, Valorie A. Crooks

公的な医療ケア制度の枠外で(つまり自腹で)、かつ医療ケアを受けるという明確な「意図」を持って旅行すること、これはメディカルツーリズムと呼ばれ、通常の医療ケアとは区別される。メディカルツーリズム自体は新しい現象ではない。しかし、これまでのメディカルツーリズムが①先進国や発展途上国の富裕層が先進国に行く、②発展途上国の人間が、自国での利用が困難な治療を受けるために近隣の発展途上国に行く、という2つの形態をとっていたのに対し、近年注目を集めているのは③先進国の患者が発展途上国の医療施設へ行く、という新しい現象である。
 この「Developing World Bioethics」特集号では、メディカルツーリズム産業によって起きる倫理的問題に焦点を当てた5つの論文を掲載した。我々がメディカルツーリズムを倫理的次元で理解する手助けとなるであろう。
 Kristen Smithは、メディカルツーリズムをネオリベラル的に解釈することに対し批判の声を上げる。ネオリベラル理論は、強い通貨が発展途上国に流れ込むことで国内総生産(GDP)が増し、国が豊かになるという推進論である。Smithは、最大のメディカルツーリズム目的国インドを例に挙げ、ネオリベラル理論は、メディカルツーリズムによる民間部門の拡大が発展途上国の公平性に悪影響を及ぼすことを考慮に入れていないと主張する。ツーリズムがもたらす全体的な経済的利益と、先進国の「医療難民」の選択肢を増やすことばかりに注目し、重要な側面を無視しているという。これからのメディカルツーリズム研究は、その公平性にスポットを当て、ツーリズムによって不利益を被る人口の絶対値かつ/あるいは潜在的受益者に対する相対値を突き止めることに力を注ぐべきであるとSmithは述べている。
 Glen Cohenは、先進国と発展途上国が共にメディカルツーリズムを規制によって管理することを提案する。ただ、患者がより「規制の緩い」国を選ぶ限り、厳しい規制の実施は難しい。多国間の同意を形成するための国家間の政治的努力が必要である。
 Leigh Turnerは、1993年から2011年にかけて海外での美容整形や肥満手術が原因で病気になった26例について調査した。こうした事例は、患者の安全を守る必要性があることを示している。
 Edna Einsiedel と Hannah Adamsonは、自国では利用できない幹細胞治療を求めて外国へ行く、幹細胞ツーリズムについて論じる。幹細胞治療については、まだ実験段階であるという理由で禁止する国が多い。筆者は幹細胞治療を提供する700施設以上のクリニックを調査、そのほとんどが発展途上国のクリニックである。
 Gillian Crozier と Dominique Martinは、商業的代理出産や卵子提供などを含めた生殖サービスのためのツーリズムについて考察する。生殖サービスに対する支払いには多くの倫理的問題がある。筆者は、自給自足型モデルと統制市場型モデルという2つの提案をする。メディカルツーリズムの問題への対策を考える上でも、Cohenの論文を補完するものとなるだろう。
 『Developing World Bioethics』特集号では、メディカルツーリズムにおいて未解決の事実が多く指摘されている。メディカルツーリズムの複雑性、多様性を示すこうした議論から導き出されるのは、「万能な」解決策はない、ということなのかもしれない。

NEW ETHICAL PERSPECTIVES ON MEDICAL TOURISM IN THE DEVELOPING WORLD
Developing World Bioethics ISSN 1471-8731 (print); 1471-8847 (online) doi:10.1111/j.1471-8847.2012.00321.x
Volume 12 Number 1 2012 pp iii–vi

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by technology0405 | 2013-01-10 17:05 | Countries | Comments(0)
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