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精子の相続

インド南西部ケララ州Thrissurの夫婦Ravi Kumar(59)とKarthyayani(58)が、死んだ息子の精子を使って代理母に自分たちの孫を生んでもらうため、保管してある精子を病院に求めたが、病院は引き渡すことを拒否した。ロク・アダラト(Lok Adalat、インドの裁判外紛争解決制度で、退官した裁判官や弁護士などによって運営される)に提出した夫婦の嘆願書の行方が注目されていたが、裁判所はこれを認め、精子は夫婦のものとなった。

「夫婦は貧困層の出身だ。Ratheeshは一人息子で、彼の死は彼らにとって計り知れない痛手である。夫婦はARTによって孫を持ちたいという願いを叶えたがっていた。」と弁護士Aniyan P Vakkomは言う。「実際、夫婦は代理母もすでに近親者に頼んでいた。しかし病院側が精子を渡そうとしなかった。」

Ratheeshは2011年1月5日、睾丸腫瘍の治療中に28歳で亡くなった。独身だった彼は、その治療中、医師の助言によりInfertility Management and Assisted Reproduction のCIMAR Centreに自分の精子サンプルを預けた。CIMARの 医療コーディネーターParasuram Gopinaths氏は、裁判所あるいは他の所轄官庁からの命令がない限り、故人の親に精子を渡すことはできないとTimes Of India紙に語っていた。

今回、裁判所が精子の相続を認めたことで夫婦は非常に喜んだが、代理母になる予定だった親戚の女性が同意を撤回したことで、夫婦の代理母探しは難航している。日雇い労働者のRavi Kumarと掃除婦のKarthyayaniでは、150万-200万ルピーの代理母の報酬は払えない。夫婦を題材にしたドキュメンタリー映画をSanjeev Sivan氏が製作し、売上を夫婦に渡すという話も出てきている。
一人息子を失った夫婦に非常に同情的な社会の反応は、インドの男系思想の強さを物語ってもいる。

Kerala couple banks on dead son's semen for a grandchild after court rules in their favour
By Prakash
[Mail Online India 1 March 2012]

Kerala couple's surrogacy battle to get grandchild from dead son
[NDTV March 04, 2012]

Kerala couple denied dead son’s semen sample
[Times Of India Dec 31, 2011]

Kerala couple’s next battle: Finding a surrogate
by Ramesh Babu
[Thiruvananthapuram, August 14, 2012]

Sanjeev Sivan's next on couple's fight for dead son's semen
By Sanu George
[New Kerala.com July 6, 2012]

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by technology0405 | 2012-10-30 16:34 | Countries | Comments(0)

インド西北部ラジャスタン州の医療当局が、出生前性別診断を実施した疑いで、12人の医師を停職処分にした。1994年法では、性選択中絶を防ぐため、親に胎児の性別を明かすことが禁じられている。これに違反した医師らに地元の裁判所が有罪判決を出し、停職処分が下された。

2011年の国勢調査によると、インドの性比は男子1000人に対し女子914人である。
この不均衡な性比の原因は、出生前性別診断の利用にある。1994年に禁止されたにも関わらず、まだ広く実行されていると当局者は言う。ラジャスタン州の0-6歳の年齢階級をみると、男児1000人に対し女児はたった883人で、今回停職になった医師のうち11人が拠点にしていたスリガンガーナガルは、最も問題の深刻な地域の一つである。
当局によると、1994年法に違反した医師・超音波検査クリニックに対する提訴は今のところ308事例で、21人の医師が停職になったという。

デリー南西のロワーミドルクラス地域であるSagarpurに住むKulwantには24歳、23歳、20歳の娘3人と、16歳の息子がいる。3番目の娘を生んでから下の息子が生まれるまでに、彼女は3回妊娠している。超音波検査で胎児が娘だと分かるたびに、家族に中絶を強要された。「女の子を生んだことで義母になじられた。息子ができなければ離婚させると言われた。」
最初の中絶のことはよく覚えているという。「妊娠5ヶ月だった。可愛い子だった。彼女のことも、他の子のことも忘れない。」と泣き、涙を拭った。

息子が生まれるまで、Kulwantは夫、義母、義兄から殴られ、虐待される日々だった。火を付けられそうになったことさえある。「彼らは怒っていた。家族に女の子はいらなかった。たくさんの持参金が入るので、男の子を欲しがっていた。」
1961年にインドは花嫁持参金を非合法化したが、風習は蔓延したままで、持参金の金額は、裕福層、貧困層に関わらず増える一方である。
Kulwantの夫は息子が生まれて3年後に死んだ。「こんなに早く死ぬのは、殺された娘たちの呪いだ。」と彼女は言う。

Kulwantの近所に住むRekhaは、丸々と太った3歳の女の子の母親だ。昨年の9月、再び妊娠したが、超音波検査で双子の女の子であることが分かり、義母に中絶を受けさせられた。
「男でも女でもどちらでもいいと私は言った。でも、家族はそう思わなかった。女の子が生まれても少しも嬉しくないのだ。息子は家系を継ぐが、娘は結婚して他家のものになるから。」

こうしたことはありふれた話で、インド全国の家で繰り返されてきたことである。そして状況は悪化している。
1961年、7歳未満階級では男子1000人に対し女子976人であった。現在、比率は1000:914である。

女性の全体数は(平均寿命などの要因によって)改善されているものの、子供の性比は中国に続いて最悪である。これには女児の間引き、虐待、育児放棄など多くの要因が考えられる。しかし活動家は、原因の大部分が出生前診断の利用にあると言い、これは大量虐殺であると主張する。

2008年インド政府は、貧困層が娘を生んで18歳まで育てると15,500 ルピーが支払われるという政策を提案し、初年度に100,000人の胎児が救われると予測した。しかし、こうしたこれまでの政府の政策で、性選択中絶が減ることはなかった。
「過去40年間の政策は、子供の性比の改善に何の効果ももたらさなかった。」と内務大臣GK Pillai氏は2011年の国税調査報告の際に言った。Manmohan Singh首相は女の子の中絶や間引きを「国家的恥辱」と述べ、女児を救うための「聖戦」を呼びかけた。

しかし著名な運動家Sabu George氏は、政府にはこの習慣をやめさせる決意が見られないという。1974年に着床前診断が導入されたとき、All India Institute of Medical Sciences はこれをインド女性に恩恵を与える技術として紹介した。息子が生まれるまで子供を産み続けていた女性が、適正な子供の数で息子を持てるというのである。女児の中絶の選択には経済的な理由だけでなく、女性の地位の低さからくる社会的、文化的な背景があり、階層を問わない現象である。Apne Aap Women WorldwideのRuchira Gupta氏も、「法の実行に責任を持つ人々の中にも、娘は重荷であると考える人は多く、選択的中絶をする者もいる。」と語った。

Doctors suspended in India's Rajasthan for 'gender tests'
By Narayan Bareth
[BBC NEWS India, 17 July 2012]

India's unwanted girls
[BBC NEWS South Asia, 23 May 2011]

Disappearing Daughters: Women Pregnant With Girls Pressured Into Abortions
By ALAN B. GOLDBERG and SEAN DOOLEY
[ABC NEWS, Dec. 9, 2011]

Cash 'can stop 100,000 abortions'
by Amrit Dhillon
[South China Morning Post, 08 March, 2008]

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by technology0405 | 2012-10-30 13:58 | Countries | Comments(0)

代理母のカースト差別

肌が白く、高位カーストに属する女性が代理母になると、浅黒い肌の低カースト女性より10万ルピー(約15万円)も多く支払われていることが調査で分かった。インドには、西洋人、インド人を問わず、世界中から子供のいないカップルがやってくる。しかし研究者によると、代理母と胎児の間には遺伝物質の共有が一切ないにもかかわらず、代理母はカーストや肌の色、見た目によって差別されているという。

SAMAが2011年12月から2012年4月にかけて、デリーとパンジャブで、代理母・エージェンシー・医師に対し、深層インタビューを実施した。すると、「健康で、容姿の良い、色白で高カーストの」代理母は、報酬が高く、産後に依頼親から受ける待遇も良いことが明らかになった。この条件は、インドの悪名高い嫁探しの新聞広告と同じである。

この要求はインド国内およびNRIに根強く残るカースト差別を映し出したものだと研究者はみている。
「依頼親は自分たちと同じカースト・宗教の代理母を望む。それがどうして重要なのかは言わないが、10万ルピーの追加料金を喜んで払う。これはカースト差別、宗教差別である。」とSAMAのプログラムコーディネーターDeepaは言う。

Deepaによると、代理母が自分の卵子で妊娠することはまれで、子供のDNAに寄与することはないにも関わらず、依頼親は、代理母の「肉体と血」が子供の体内での成長に関係すると考える。カースト意識の強いヒンズー教徒は、これを「カースト汚染」と見なす。

インドで最も成功している不妊クリニックの院長Naina Patel医師は、依頼者から特定のカーストや宗教の代理母に対する希望を受ける場合もあるというが、代理母の素性が子供の外見に影響しないことを説明すると、そうした依頼者も、健康な女性なら誰でもよいと考えるようになるという。
「依頼親が欲しいのは健康な子供だ。だから健康な代理母を望む。ヒンズー教徒の代理母がいればそうして欲しいがいなければ誰でもよい、と言う人が5%程度いる。」

Fair-skinned Indian women paid £1,000 extra to be surrogates
by Dean Nelson
[The Telegraph, 25 Oct 2012]

‘Beautiful and fair’ preferred among surrogate mothers too
by Aarti Dhar
[The Hindu, 25 Oct 2012]

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by technology0405 | 2012-10-29 15:51 | Countries | Comments(0)

Law No. 36 of 2009 on Health

2009年にインドネシア厚生省が出した「Law No. 36 of 2009 on Health 」127条の内容も、「Health Law No. 23」と同様、配偶子提供も代理出産も認めない内容となった。
a) 体外受精は、婚姻関係にある夫婦の精子と卵子を使用し、受精卵は妻の子宮に移植すること
b) 認可を受けた医師が実施すること
c) 設備の整った施設で実施すること

UU No. 36 TAHUN 2009 Tentang KESEHATAN

Surrogate Mother (Ibu Pengganti)
by Shanti Rachmadsyah
[Hukum Online.com 09 Agustus 2010]

UNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 23 TAHUN 2002 TENTANG PERLINDUNGAN ANAK
『Law No. 23 of 2002 on Child Protection』 27条に出生証明書についての規定

Maraknya Sewa Rahim Butuh Aturan
2010年にUniversitas Katolik Soegijapranata Semarang大学で行われたセミナー"Surrogate Mother (Ibu Pengganti) Dipandang dari Nalar, Moral, dan Legal"
[Era Baru News 6/6, 2010]

KEPUTUSAN MENTERI KESEHATAN REPUBLIK INDONESIA NOMOR 057/MENKES/SK/II/2012 TENTANG IZIN PENYELENGGARAAN PELAYANAN TEKNOLOGI REPRODUKSI BERBANTU (TRB) DI RUMAH SAKIT GADING PLUIT JAKARTA
by technology0405 | 2012-10-25 14:53 | Countries | Comments(0)

台湾が「代孕生殖法」草案の実現に向けて動き出している。2005年には代理出産法が準備されていたものの、その議論は進展せず、2009年に最終決定されたものも立法化せずに終わった。台湾には生殖補助医療を規制するArtificial Reproduction Act (人工生殖法)があるが、代理出産に関しては規定がなく、行政命令として禁止されており、国内での代理出産は不可能である。

2012年9月に入り、台湾政府衛生署は、代理出産法案の最終決定を目的として数度の会議を開いている。9月末の公式のコンセンサス会議の前に、2日間の予備会談も国立台湾大学社会学部で行われ、20人が参加した。国立台湾大学社会学部准教授Lin Kuo-ming (林國明)氏の話によると、衛生署からは、条件付きで代理出産を承認するという内容で2004年にコンセンサス会議を開催するように言われていたが、合意が得られないまま8年も経過したという。

今回、政府の方針決定の参考になればと、再びコンセンサス会議が開かれることになった。衛生署國民健康局の副局長Kung Hsien-lan (孔憲蘭)氏は、議論すべき課題が多く残っていることを指摘する。誰がサービスを利用できるのか、妊娠中に依頼親・代理母・子供の権利をどう守るか、親権はいつ発生するのか、代理母の報酬の是非といった点が議論の主なポイントになる。利用条件を決定する際、提供精子や提供卵子を使用できるかどうかも意見の分かれる問題である。草案では胚移植(あるいは人工授精)時から依頼者の子供とみなすことになっているが、出生後の養子縁組のほうが良いと考える専門家もいる。
会議の結果は衛生署が法案をまとめる際の指針の役目を果たし、最終決定された法案は立法府に送られ承認を待つことになる。ここ数年で人々の意識や感じ方も変わってきたのではないかとKung氏は考えている。

しかし、9月28日にはこの代理出産法案に対する抗議の記者会見も開かれた。代理母の権利が守られていない点と、代理出産産業の取締が不十分である点が主張されている。抗議活動に参加した団体を見ると、女性の権利団体とキリスト教系団体が主流である。Taipei Association for the Promotion of Women's Rights (TAPWR, 台北市女性權益促進會), Taiwan Women's Link (台灣女人連線), End Child Prostitution in Asian Tourism Taiwan (ECPAT, 台灣展翅協會), National Alliance of Taiwan Women's Associations (台灣婦女團體全國聯合會), Child Welfare League Foundation (兒童福利聯盟基金會), Christian Salvation Service (CSS, 基督徒救世會), Taipei Women's Rescue Foundation (婦女救援基金會), The Garden of Hope Foundation (勵馨基金會)

台湾では8月に歌手のJeanette Wangが、24年間の不妊のあと、海外の代理出産を利用して54歳で子供を得たことを公表し、大きなニュースになった。台湾人が代理出産をする場合は、ロシアやアメリカ、インドなど海外に行くケースが多い。

台湾衛生署の人口生殖に関するホームページ

Health department prepares group for controversial surrogate parent debate
By Lee I-chia
[Taipei Times, Sep 10, 2012]

Surrogacy issue still controversial despite increased acceptance
[The China Post, September 9, 2012]

DOH seeks public panel on surrogate births
[Taipei Times, Aug 11, 2012]

Taiwan meets to finalize long-stalled Surrogate Act draft
[Want China Times, 2012-09-10]

Family Law Senior Associate Duncan Ranton discusses Surrogacy in Taiwan
By Duncan Ranton
[Russell Jones & Walker, 11 September 2012]

Civic groups slam draft legalizing surrogacy
By Wen Shin Kuo
[The China Post, September 29, 2012]

"Surrogate Motherhood"
by Catherine (陳奕欣)

54岁女星王芷蕾怀孕有内幕 靠代理孕母得子
[鳳凰網 2012年08月27日]

Health officials finalize draft of surrogate mother bill
[Taiwan Today, 11/25/2009]

開放代理孕母亮綠燈一年內完成立法 衛署將嚴格管制
[蘋果日報 2004年09月19日]

Health officials propose legalizing surrogate motherhood
by Linda Chang
[Taiwan Info, 3/12 1999]

Taiwan to review surrogate motherhood act after 8 years
[Want China Times 2012-09-06]

Public panel examines surrogacy
By Wang Hsiao-wen
[Taipei Times Aug 31, 2004]

代孕生殖研討會
2010年7月21日に、台湾政府主催で、代理出産法作成に向けて各国の専門家の話を聞くための国際会議が開かれた。
http://www.hpa.gov.tw/BHPnet/Web/About/AchieventShow.aspx?No=201011090020
http://www.reproductivepossibilities.com/newsandevents.cfm
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by technology0405 | 2012-10-23 15:18 | Countries | Comments(0)

イギリスのゲイカップルに対し、インド代理出産で得た双子の法的な親権を与える裁定が下された。代理母の書面上での同意がないのに高等法院が親権を認めるのは初めてのケースである。この代理母は、子供の引渡しに反対はしていなかったが、ゲイカップルが法的な親と認められるために必要な同意書にサインする前に行方がわからなくなってしまっていた。

シビルパートナーであるこのカップルは2010年、ハイデラバードのクリニックに総額£17,000を支払い、代理出産契約を依頼した。匿名の提供卵子とカップルの片方の精子を受精させ、アンドラプラデシ州に住む代理母に移植。契約では、代理母との面会は禁止されていた。

カップルは2011年に双子の男の子が生まれて2日後に彼らを受け取り、3週間後にパスポートを受け取り、子供たちをイギリスに連れて帰った。しかし、弁護士の再三の求めにも関わらず、親権獲得に必要な代理母の同意書が、クリニックから送られてこなかった。カップルがクリニックに書類を求め、送られない場合は当局に正式に告訴する意思があることを伝えたところ、おそらく院長からだろうが、裁判所によると「侮辱的な表現の」紙切れ一枚がDHL国際宅配便で返ってきたきりだという。カップルは自力で代理母を探そうと試みたが、聞いていた代理母の住所は虚偽のもので、代理母を見つけることはできなかった。以来カップルは親権を持たないまま双子を育てていた。

イギリスの法律では、代理出産契約を交わした依頼親は必ず、法律上の親になるための申請を裁判所に提出しなければならない。親権が認められるために必要な書類の1つに、子供の誕生から6週以降の代理母のサインがある(養子縁組の場合と同様、子の生後6週間以内になされた同意は無効である)。その同意は「完全な、自由意思による、無条件の」同意でなくてはならず、代理母が結婚している場合はその夫の同意も必要である。しかしこれには例外があり、代理母が「見つからない」場合、同意書は求められない。この例外条項は以前から存在していたが、実際に行使されたのはこのケースが初めてである。裁判所は、出産6週以降のサインはないものの、代理母がそれ以前に子供の引渡しに同意していたことを考慮した。

ベイカー裁判官は、カップルが代理母の同意書を得るためにあらゆる措置を講じたことを認め、子供の福祉が裁判所にとって最優先の検討課題であり、代理母の同意書と報酬の妥当性の問題を免除し、カップルに親権を与えるのが子供の利益に叶うと結論づけた。
「カップルがこうした問題に陥ったのは、彼らのせいではないと受け止めている。クリニックとそのスタッフが責任ある行動を取るだろうと彼らが考えたのも、納得できる。カップルと双子は、随分と失望させられただろう。」しかし、このケースは海外代理出産に伴うリスクへの警告でもあると続けた。「今後、申請者やアドバイザーたちはこのケースから学び、同意をスムーズに得るため、出産前から代理母と確実に連絡をとるための備えをすべきである。」

判決 D and L (Surrogacy) [2012] EWHC 2631 (Fam)
[Family Law Week, 28 September 2012]

Gay couple win right to be parents of twin boys in legal first after Indian surrogate mother vanished before giving consent
[Mail Online, 02 October 2012]

Judge warns of pitfalls of surrogacy after mother 'disappears' before giving consent
[Telegraph, 02 Oct 2012]

International surrogacy – judge awards parenthood to gay dads after Indian surrogate ‘disappears’
[Natalie Gamble Associates, October 3rd, 2012]

UK High Court awards parenthood to male couple after Indian surrogate disappears
By Ruth Retassie
[BioNews, 08 October 2012]

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by technology0405 | 2012-10-22 16:04 | Countries | Comments(0)

出生証明書には依頼親の名前が記載されていたにも関わらず、ドイツ人カップルがインドの代理出産で得た子供のパスポートが発行されず、帰国トラブルが生じた。ドイツ人カップルは2010年12月、インドのドイツ大使館に子供のパスポートを申請した。しかし大使館は、子供の出生地が代理出産を専門とするエージェンシーの住所だったため、子供にドイツ国籍を与えてよいか疑わしいと返答、その後パスポート発行を拒否した。

ベルリンの裁判所は、大使館に申請を拒否する資格があると裁定した。通常であれば、両親のどちらかがドイツ人なら子供はドイツ国籍を取得できる。しかしドイツの法律は代理出産を禁じており、代理出産児の法的な父親は遺伝上の父親でなく代理母の夫になる。このケースでも、遺伝上の父親は1950年生まれのドイツ人であるが、彼のドイツ国籍は子供の国籍に影響しないと裁判所は判断した。カップルは上級裁判所に控訴することができる。

「子供のいないドイツ人がインドへ渡航する現象は増えつつある。」と裁判所のスポークスマンStephan Groscurthは言う。「何の問題もなく子供を連れて帰れると彼らは考えているが、それは事実とは違う。」

2年前にもドイツ人の双子がインドからドイツに入国できない類例が起きた。2008年上旬に生まれたこの双子には、数ヵ月後に旅行証明書は発行されたものの、ビザは交付されなかった。バイエルン人の依頼カップルは裁判を起こし、2010年5月にようやく入国ビザが出された。

ドイツ外務省は、ドイツ人の依頼カップル(hopeful parents)が海外の代理出産で子供を得た場合、誕生と同時に市民権を得られるわけではないという助言をウェブに出した。

Surrogate child denied German passport
By Nisha Satkunarajah
[BioNews 09 May 2011]

Surrogate children have no right to German passport, court rules
[The Local 28 Apr 2011]

Germany: Child born to Indian Surrogate and German Biological Father Denied German Passport for Child
by Adam B. Sklar
[The Sklar Law Firm LLC, May 03, 2011]

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by technology0405 | 2012-10-22 13:48 | Countries | Comments(0)

HOW TO ADDRESS THE ETHICS OF REPRODUCTIVE TRAVEL TO DEVELOPING COUNTRIES: A COMPARISON OF NATIONAL SELF-SUFFICIENCY AND REGULATED MARKET APPROACHES
G.K.D. CROZIER
Developing World Bioethics, Volume 12, Issue 1, pages 45–54, April 2012

「リプロダクティブ・トラベル」とは、人々が生殖医療関係のモノやサービスの購入を目的として国外へ渡航する現象を指す。本論文ではその中でも特にfemale reproductive resources (FRR、女性資源)――特に卵子、代理出産サービス、あるいはその両方――の購入を伴うリプロダクティブ・トラベルに焦点を当てる。
 FRR購入を目的とするリプロダクティブ・トラベルへの対処として、2つの対照的な戦略を提案する。自給自足型モデルと、統制市場モデルである。
 FRR購入を伴う渡航治療にはメリットとデメリットがある。メリットとしては、患者にとって生殖の自律性が向上する点、FRR提供者にとっては経済的収入と、場合によっては個人的な満足感が得られる点が挙げられる。デメリットとして、渡航治療に伴う危険性が存在する。提供者は強制や経済的搾取、身体的被害などを受ける恐れがある。

自給自足型モデル
このモデルは、国内のFRRへのアクセスを向上させることだけを目指すのではなく、そうすることでFRRの越境貿易とそのリスクを出来るだけなくすことを目的としたモデルである。成功を収めている他のヒト由来物質(human biological materials: HBM)の自給自足政策――献血など――と同様の考え方を土台としている。自給自足型モデル採用の理論的根拠は、国内供給によりFRRの安全性・信頼性が確保されやすい点、FRR提供者へのケアがより推進されるだろう点にある。しかし国によっては卵子提供や代理出産を自国で提供したくないと考えるところもあるなど、第三者生殖補助医療の課題がある。そもそも献血はFRRと比べ(a)献血運動の歴史が全国的運動として定着していること、(b)血液の供給が簡単で早い処置で済むこと、(c)血液の補給は人命に関わる点、が異なる。FRR提供者にとっても、チャンスを奪われることになる。

統制市場型モデル
自給自足型モデルとは逆に、このモデルは、「統制」をかけながらリプロダクティブ・トラベルを推進していこうという考え方である。最大の懸念は(1)FRR提供者が他人の目的を達成するための手段として悪用されている、(2)FRR提供者への搾取である、あるいは産業活動への不当な参加強制である、(3)海外のFRR市場が、生殖ケア領域で必要とされる他の物(公平性、効率性、安全性など)を弱体化させる、という点である。
(1)政府が国境を超えた生殖市場を推進したからといって、必ずしもFRR提供者にとって不当な状況が深刻化するとはいえない。貧しい女性の福祉を考慮した市場政策ならば、カント的な意味では、FRR提供者は他人の目的だけでなく自分の目的も達成できる。
(2)FRR提供者への報酬は利益の衡平な分配を促進するだけでなく、搾取的な取引であっても提供者の暮らし向きが良くなるのであれば、正当と認めても構わない。
(3)FRR市場を統制しながら推進する一番の正当性は、最も貧しいグループ――発展途上国のFRR提供者――が利益を得られる点である。
しかしこのモデルを採用する際には、適切な統制についてさらに注意深く模索される必要がある。

2つのモデルの合意点
 自給自足型モデルも統制市場型モデルも、FRR取引を伴うリプロダクティブ・トラベルが道徳的に実施されるためには規制が必要であるという点で一致している。最も重要なのは、生殖産業に現在関わっている人々、およびこの先関わる人々――まずはFRR提供者、渡航者、こうしたサービスによって生まれる子供たち――を保護するために政策が展開されることである。従って、たとえ2つのモデルが、FRRの国際市場を促進すべきか否かという議論で対立したとしても、こうした人々に対する保護政策に関する短期的な措置については一致する余地がある。
 国民の保護、医療の提供、基本的人権の保障は政府の責任であり、政府は、生殖産業を調査・監督し、提供者のリスクを出来るだけ軽減するような法律を制定し、女性に生活向上の機会を与えるよう努めるべきである。搾取をなくし、不当契約から関係者を保護し、FRR提供者の社会的スティグマを軽くする措置が必要である。国際的なレベルではFRR取引の透明性、質、安全性を高めることを目指し、FRRの提供者と受給者へのケアや同意についての最低基準を示したガイドラインが、国境を超えて実態と結果を監視・把握するシステムと共に導入されるべきである。
 FRRの提供者や受給者への情報提供だけでなく、産業的悪要素を軽減・排除することを目的とし、FRRサービスを提供するクリニックの国際認定制度を確立する必要もある。こうした制度があれば、患者は認可クリニックを探すことができ、国は不認可クリニックへの渡航を禁止したり罰したりすることができる。ハーグ国際養子縁組条約のような、FRR取引に関する国際間の同意を確立することが、社会的弱者の福祉の保護につながる。

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by technology0405 | 2012-10-18 17:02 | Materials | Comments(0)

場所:コルカタ、デリー
期間:2012年9月10日〜26日

 インドにおける生殖補助医療および生殖ツーリズムの調査のためにコルカタとデリーを訪れた。調査期間は2012年の9月10日から9月26日である。9月11日にコルカタに到着し、20日から24日はデリーに滞在し、25日には再びコルカタに戻り、26日の早朝帰国の途についた。
 デリーでは、代理出産についての調査に携わってきたインドの研究者と面会し、在インド日本大使館で代理出産のための日本人の出入国に関して聞き取りを行った。また、既に多くの研究者やジャーナリストが調査していることもあり、なかなか接触することが難しかった不妊治療の専門医の一人と面会することができ、今後の調査協力を要請した。
 それ以外の日程は、主にコルカタに滞在し、不妊治療施設での医師やスタッフに対する聞き取り、エージェントや卵子提供者、代理母とのインタビューを行った。また、コルカタでは、インドの生殖補助医療のパイオニアで、ICMRのガイドラインやART法案の起草に関わったゴッシュダスティダール医師にインタビューすることもできた。ART法案の起草委員会でどのような点が議論になったのかなどの経緯について話を聞くことができた。
 調査期間中には、交通機関のストライキなどもあり、すべての日に十分な調査活動ができたわけではなかったが、コルカタでの生殖補助医療に関してはその概要をおおむね把握することができた。以下では主にコルカタの調査で明らかとなった当地での生殖補助医療ビジネスの概要について報告する。

コルカタでの調査について
 デリーやムンバイには、既に多くの生殖補助医療施設があり、生殖ツーリズムないしは国境を越えた生殖補助医療(Cross Border Reproductive Care)のビジネスが盛んであることが知られている。また、アナンドやハイデラバードなど既に生殖ツーリズムのハブとしても知られるようになっている都市がある。しかし、既に社会科学者やジャーナリストらによって多くの調査が行われているこれらの都市と比べて、インドで都市圏の人口第三位を占めるコルカタ(旧名:カルカッタ)における生殖補助医療ビジネスの状況はよく知られていない。
 コルカタは、ガンジス川の支流であるフーグリ川の東岸に位置する西ベンガル州の州都であり、近郊を含む都市圏人口は1,583万人で、インドではデリーとムンバイに続く大都市である。今回、コルカタを訪れた主な狙いは、この大都市における生殖補助医療や生殖ツーリズムの状況を調べることによって、インドにおける生殖補助医療ビジネスの広がりの実態に関して一定の見通しを得ること、そして、インド国内における代理出産に関わる当事者(依頼者、代理母、エージェント)からの聞き取り調査を行うことであった。

コルカタにおける生殖補助医療の概況
 インターネットでの検索や電話連絡などを通じた事前の調査で、コルカタには8件程度の中心的な生殖補助医療施設があることが判明していた。8件の不妊治療施設のうち、3件は総合病院内の不妊治療部門、5件は不妊治療専門施設であった。今回の調査では、8件の生殖補助医療施設のうち6施設を訪問し、不妊治療に関わる医師や医療法人の関係者の話を聞くことができた。このうち2件の施設は、コルカタ以外の場所に本部があり、コルカタでは支部を展開していた。また、総合病院内の不妊治療施設2件では、複数の不妊治療のコンサルタントがクリニックを持っていた。
 これらの施設では、年間200から700程度のIVFサイクル数を行っているとのことだった。訪れた不妊治療施設の大半で、多くの患者が待合室を埋め尽くしていた。ある総合病院では、不妊治療部門を独立させ別組織とし、新たに3都市で支部を開設する予定であるという。また別の不妊治療専門施設では、代理出産へのニーズが高まってきているのに対応し、新たに数ヶ月以内に代理母宿泊施設を開設する予定があるとのことであった。また、新たに二つの不妊治療専門施設がオープンする予定だという。このように、ムンバイ、デリー、ハイデラバード、バンガロールなどに比べて、生殖補助医療ビジネスが盛んであるとは言いがたいコルカタでも、生殖補助医療ビジネスが拡大途上にある状況が十分に伺われた。

生殖ツーリズムについて
 筆者が聞き取りを行ったどの施設でも、生殖補助医療を受ける不妊患者の多くはインド人であるとのことであった。海外からの不妊患者としては、地理的に近接し、言語的にも共通するバングラディッシュからの患者が最も多いようである。施設によっては年間4、50組の不妊カップルが体外受精を受けにくるということだった。
 ただし、これらの患者の多くは、配偶者間の体外受精を目的として渡航してくる人々で、卵子提供や代理出産など、第三者生殖技術の利用のためにコルカタに訪れる人は少ないようであった。現段階で海外からの患者の多くを占めるのがバングラディッシュ人であるが、バングラディッシュは、承知のようにムスリムの多い国であり、イスラームではファトワで第三者の関与する生殖補助技術の使用に関しては、否定的な見解が出されている。したがって、バングラディッシュからのムスリムの不妊患者は、第三者生殖技術を利用することが少ないのが現状だ。
 また、いくつかの施設でナイジェリアなど、アフリカから体外受精を受けにくるケースがあるとのことであった。現段階ではコルカタは生殖ツーリズムの拠点となっているとは言いがたいものの、それでも既に海外からの不妊患者が訪れており、生殖医療の分野での医療ツーリズムの広がりが実感させられた。

卵子提供について
 第三者の関与する生殖補助医療はコルカタでも盛んに行われている。筆者が訪れた6つの不妊治療施設で、全IVF周期数に占める提供卵子を用いたIVFの周期数の割合を聞いたところ、多くの施設が3割を超えると回答した。2割程度と回答した施設は一つだけであった。提供卵子を用いた体外受精が常態的に行われている米国でも、この割合は1割程度と言われている。それと比較すると、今回コルカタでの聞き取りのかぎりでは、提供卵子を用いた体外受精の占める割合が極めて高いと言えるだろう。
 その背景の一つとして考えられるのは、不妊治療の経済的な側面である。インドでは、体外受精は採卵から凍結受精卵の移植まで含めると150,000ルピー程度の高額の治療費が必要となるが、この額は、インドの中間層にとっても非常に大きな負担である。これに対して、提供卵子自体は比較的安価に手に入る(コルカタで卵子提供者が受け取る報酬は20,000〜30,000ルピー程度であった)。患者側からすれば、配偶者間体外受精と提供卵子を用いた体外受精の費用はそれほど変わらないことになる。こうした状況下では、妊娠の可能性と経済的負担の軽減を重視する結果、配偶者間の体外受精よりも提供卵子を用いた体外受精が選択されやすい傾向にあると言える。

代理出産について
 インドの代理出産と言えば、アナンドのパテル医師のクリニックのように、代理母ハウス(代理母のための宿泊施設)を備えた不妊治療施設が報道などで知られている。しかし、コルカタでは、代理母ハウスを設置している不妊治療施設は存在しなかった。また、デリーでは、インド国内だけではなく海外からの代理出産の依頼に応えるために、代理母のリクルートと斡旋、妊娠中の管理を組織的に行っている斡旋団体が存在していたが、コルカタではこのような組織の活動も見られなかった。ただし、今回訪れた不妊治療施設では、どこも年間数件から20件程度の代理出産を扱っていたが、ほとんどのケースで依頼者はインド国内の不妊カップルで、外国人やNRIによる代理出産の依頼はコルカタではそれほど多く見られないようであった。
 代理母ハウスについては、代理出産を組織的に行うために必要な手段であると見なす医師と代理母ハウスに批判的な医師がいた。代理母ハウスに肯定的な医師は、代理母を収容することでアルコール摂取や喫煙など胎児の健康を害する行動を代理母がしないように監視することが容易になり、代理母の栄養状態、ひいては胎児の健康を管理することができる点をその利点であると述べた。この医師は、代理出産に対する高いニーズがあることから、数ヶ月後には代理母宿泊施設を開設する計画を持っていた。これに対し、不妊治療に携わる医師の中には、代理母ハウスに批判的な医師もいた。代理母を一時的にではあれ、家族と切り離すことは問題である。代理母は、年齢的にいって、幼い子どもを持っていることが多いが、代理母ハウスに宿泊すれば、幼い子どもが母親から引き離されることになる。また代理母からすれば、子どもの世話や家事など母・妻としての役割を果たせなくなる。これは代理母にとっても、その子にとっても望ましくないことである。代理母ハウスに批判的な医師はこのように述べていた。また、代理母ハウスを開設することで、本来代理母と依頼者夫婦の間の関係であるべき契約に関して、医師や不妊治療施設が関与することへの懸念を表明する医師もいた。

卵子提供者と代理母のリクルートについて
 卵子提供も、代理出産も、不妊治療に携わる医師とつながりのあるエージェントによって斡旋される形で行われていた。卵子提供に対する報酬は先にも触れたように20,000~30,000ルピー程度が相場であり、代理出産の報酬は、200,000〜300,000ルピー程度が一般的である。妊娠期間中の手当として100,000ルピー程度上乗せされることもあると言う。
 今回、筆者は9人の代理母(代理出産契約を結んだ人、代理出産のための施術を受けはじめた人、代理懐胎中の人、代理出産を終えた人)にインタビューしたが、そのうちの7人が代理出産を行う前に、数回の卵子提供を経験していた。つまり、卵子提供者と代理母は決して別々の社会階層の人間ではなく、実際に卵子提供と代理出産の両方を経験している人が多かった。ドナーのほとんどが学生である精子提供(報酬は500から2000ルピー程度)とは事情はかなり異なる。精子提供者と比べて、卵子提供者は患者と異なる社会階層に属することが多く、この点を問題として挙げる医師がいた。
 また、あるIVFクリニックでは、「質」のよい卵子提供者が集まりにくいことから、エッグシェアリングの方が多く行われているとのことだった。この場合、エッグシェアリングは、提供卵子の不足を補うためというよりもむしろ、ドナーとレシピエントの社会階層や容姿を合わせるための手段として用いられるということになる。
 医師たちの聞き取りの結果から判断すると、現在コルカタでは、4、5人程度のエージェントが活動しているようである。今回の調査では、一人のエージェントにインタビューすることができた。この女性Nはもともと看護師であり、自ら数度の卵子提供を行った後に、卵子提供者や代理母を不妊治療に携わる医師たちに紹介するようになった。卵子提供を行った女性が、Nに卵子提供の希望者を紹介し、彼女たちをNが医師たちに紹介するという卵子提供者のリクルート・ネットワークが出来上がっていた。彼女は、これまで15件の代理出産の斡旋に携わり、100人に近い数の卵子提供者を医師に紹介したという。
 また、Nは現在妊娠中であり、看護師としては働いておらず、夫と子どもと一緒に暮らしていたが、彼女の一家が暮らす月5000ルピーの借家には、3人の代理母が寝泊まりしていた。先に述べたように、現在コルカタでは代理母を監視・管理するための宿泊施設を備えた不妊治療施設はない。しかし、多くの代理母は代理出産の事実を周囲に秘密にすることが多く、そうした中で、すべての代理母が自宅にとどまって代理出産をするわけではない。女性が家庭を離れて代理出産をすることを望むケースもある。
 今回インタビューできたエージェントはN一人であり、他のケースでこのような形での代理出産が行われているかどうかは定かではない。ただし、依頼者が代理母のために部屋を借りるというケースもあるようだった。

まとめ
 今回の調査ではコルカタでの主要な不妊治療施設の大半を訪れることができ、これらの施設における生殖補助医療の実施状況を把握することができた。提供卵子を利用した体外受精が広がっている状況が浮かび上がってきた。インド国内では、子どもの出自を知る権利などについて十分に議論にされているとは言えず、卵子売買による身体の商品化という問題とともに、第三者生殖技術の利用によって生まれた子どもの福祉という観点からも卵子売買の広がりには懸念される点がある。
 また、コルカタにおける生殖ツーリズムの実態についても、その概要については把握することができた。コルカタでは、海外からの卵子提供や代理出産の依頼はそれほど多くはないものの、海外の患者による生殖補助医療の利用、すなわち生殖ツーリズム自体は徐々に広がりつつある。
 また、海外からの利用者は少ないものの、国内の不妊カップルのニーズに応える形で代理出産も行われている。これまでインドの代理出産ビジネスの実態については、ムンバイやデリー、ハイデラバードなど、生殖補助医療ビジネスの中心地として知られた都市を中心に調査者によって報告されたり、メディアによる報道がなされてきた。しかし、今回でのコルカタにおける調査により、商業的代理出産が他のインドの大都市でも行われるようになってきている実態が浮かび上がってきたと言える。

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コルカタ市内の風景(1)
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コルカタ市内の風景(2)
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不妊治療施設(1)
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コルカタ市内の風景(3)
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コルカタ市内の風景(4)
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Test tube baby
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「胎児の性別選択は法律によって処罰されます。ここでは行っておりません」
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不妊治療施設(2)
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by technology0405 | 2012-10-16 16:01 | field work | Comments(0)

ロンドン在住の医師とその妻がインドの代理出産で得た息子のパスポートが発行されず、母国に連れて帰れなくなっている。

子供は2012年3月27日にニューデリーのクリニックで生まれた。夫婦は、代理母の報酬£6,000を含む£25,000をクリニックに払っていた。しかし、イギリス移民法では代理母が法律上の母親であり、代理母にインド人の夫がいる場合はその夫が父親となる。

2006年から不妊治療を続けてきたこの夫婦は、イギリス内務省が子供の帰国を認めるまでにあと3週間はかかると言われた。子供はSurrogacy Centre IndiaのDr Shivani Gourところで生まれた。Dr. Shivani Gourはロンドンのハマースミス病院で訓練を受けた経験を持つ。

「こうした親たちには同情する。子供を持つために色々と苦労し、さらにイギリスの法律に苦しめられる。アメリカなら、DNA検査さえ済ませれば2-3日で子供と帰国できる。イギリスは対応を引き伸ばしているように思える。誰にとってもいいことは全然ない。」とShivani Gour医師は言う。

インドには1000以上のIVFクリニックがあり、イギリス人を専用の顧客にするところも多い。昨年インドで生まれた代理出産児は推定2000人、その半分はイギリス人が依頼親である。Dr Gourによると、顧客は「ITの専門家や内務省の役人、NHSの医師、多国籍企業の社員、銀行員、ビジネスマン」など圧倒的にミドルクラスの人間だという。

Dr Radhey Sharmaは政府の依頼を受けて国内の不妊治療状況を調査している。「自分が把握しているIVFクリニックのデータベースは600施設だが、完全なリストではない。あと400以上のクリニックは、規則に従わずに運営されている。」

シビルパートナー関係にあるStephen HillとJohn Busherも、インドの代理出産で得た双子AmeliaとAlexの市民権を内務省が認めるのを待っているカップルの1組である。
45歳のHill氏は「ホテルの囚人になった気分だ。外が暑すぎるので1日中子供とホテルの部屋で過ごしている。早くイギリスに帰ってJohnと子供達と家族生活をしたい。それだけが望みだ。 」

このカップルの子供はDelhi IVF and Fertility Centre のDr Anoop Guptaの下で、提供卵子とHill氏の精子によって得られた胚を代理母に移植して生まれた。「Hill氏と双子にとってとてもつらいことだ。出来るだけ早く帰国が認められるべきだ。」とGupta医師は言う。

Gupta医師はまた、自分で出産したくないという理由で代理出産を依頼してくるイギリス人がいることも明かした。「こうした女性たちは自然妊娠できるのだが、様々な理由で体外受精を希望する。」

法案が議会で通過すれば、子供の市民権を認めるという母国の証明書を事前に取得しないと代理出産契約を結べないようになる。そうすることで帰国トラブルはなくなるだろうとインド政府は考えている。

Parents stuck in India amid legal fight to bring surrogate babies home
written by Shekhar Bhatia
[London Evening Standard 28 May 2012]

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by technology0405 | 2012-10-16 12:40 | Countries | Comments(0)
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