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2011年5月1日、ムンバイのクリニックRotundaで、代理出産によってアメリカ人聾唖ゲイカップルに双子が生まれた。カップルはニューヨークで手話の学校を経営している。カナダで正式に同性婚して16年になる。アメリカで6年前から養子縁組や代理出産を試みてきたが、うまくいかなかった。「アメリカでは生みの母が養子縁組先を選ぶ権限を持っているので、耳が聞こえず、口も利けず、しかもゲイである我々のようなカップルが養子をとることは難しい。」とBrian(45)は語った。

インドへの渡航は、インターネットと友人からの助言で決めた。「インドが我々の最後の頼みだった。医学的な専門知識と個々のニーズに合わせた提案に魅力を感じた。もちろん値段が安いこともね。」とAlanは言う。アメリカで白人の卵子ドナーを探したが見つからず、最初からインド人ドナーを使うことになった。

Rotunda Centreの医長Dr Gautam Allahbadia は「2010年8月に彼らがインドに来た。提供卵子とAlanの精子で作った受精胚を代理母に移植した。彼らが家族を増やしたいと思った時いつでも使えるよう、残った胚は冷凍してある。」と言う。

自分たちは十分親の役目を果たせるとBrianとAlanは主張する。「子供が泣いたら光で知らせてくれる装置を使うつもりだ。」とAlanは言う。Dr Allahbadia によると、このクリニックではイギリス、アメリカ、オーストラリア、スペインなどから年間約20組のゲイカップルを受け入れているという。

「我々が同性婚してから16年になる。養子縁組を長い間試みたが、エージェンシーに、ほとんどの親は普通の家族に子供を渡したがるので我々にチャンスはないだろうと言われた。我々はゲイであるだけでなく、ろうあ者でもあるので。」とAlnanは手話で記者に説明した。

インターネットで「ゲイ」「代理出産」と入れれば、すぐRotunda Centreにたどりつく。ICMRのガイドラインを基準にしても、このカップルが母国に子供を連れて帰るのに、何ら法的障害はない。カップルは、地理的に離れた遺伝子が合わさった子供なので、インドとアメリカの気候の違いなどに対応できるのか心配する程度だ。「子供たちは我々から手話を身に付けるだろうが、コンピューターの音声機能を使って、話すことも教えるつもりだ。」とBrianは言う。

しかし、子供の福祉を考えると、何故彼らに代理出産を認めたのかという非難の声もある。生まれた子供には何の選択肢もない。両親がゲイで、耳が聞こえず話せず、というのは子供にとってどのような環境なのだろうか。

インドの追加法務次官(Additional Solicitor General) であるIndira Jaisingh は次のように言う。「この国には代理出産に関する法律がない。それはおそらく代理出産について法廷で争われるケースが少なかったからだろう。しかし政府はいくつかの利益団体と話し合っており、近い将来、基準を明確にする法律も期待できる。今のところICMRのガイドラインしかなく、このガイドラインはゲイカップルの代理出産を禁じてはいない。」

Rotundaの医長 Dr Gautam Allahabadiaは「代理出産は必ずICMRのガイドラインに沿って実施されなければならない。」と述べる。今回、このカップルが身体障害者であることへの議論もあったが「遺伝子に染色体異常が認められる場合や、奇形児が生まれる確率が高い場合にのみ」是非が検討されるという。「しかし両親が、口が利けない、耳が聞こえないなど、遺伝しない障害を持っている場合は、子供への影響はない。」

しかし児童心理学者P.V. Vaidyanathanは、子供がたとえ正常に生まれても、両親がろうあ者ならそれは必ず子供に影響すると言う。「子供の学習というのは両親による部分が非常に大きく、耳から学んでいく。従って、両親が耳も聞こえず話すこともできないなら、誰か子供に話しかける人が常に家族内にいる必要がある。」

ゲイカップルの代理出産、身体障害者の子育て、そしてそうした状況の人々による養子縁組が難しいという問題、多方面から論じることのできるケースである。ゲイカップルでなくても、養子縁組の難しさ、複雑さ、時間的障壁から、生殖補助医療に向かうカップルは存在する。「子供を持つ」ことを考えるとき、生殖補助医療の規制は、養子縁組の制度の見直し等と合わせて進められるべきである。

City surrogate delivers twins for American deaf, mute gay couple
[ Hindustan Times, June 14, 2011]

Deaf, mute gay couple becomes new parents
[IBN Live Jun 17, 2011]

動画A deaf-and-mute GAY American couple finds joy of family with surrogacy in India

A baby for gay, deaf, mute couple? It’s cruel
[Deccan Chronicle June 20, 2011]

Twin delights for US gay couple in city of dreams
[The Times of India Jun 14, 2011]

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by technology0405 | 2012-08-30 15:30 | Countries | Comments(0)

動画集

Mother India clip1-7
[BB film, 2011]

Rent-a-womb: Outsourcing Surrogacy in India
[VJ Movement 2009]

Surrogacy In India - MSNBC Wombs for Rent India
[NBC 2009]

Documentary on a Surrogate in India | Surrogacy laws in India | Wyzax role Surrogacy India
[SurrogacyIndiaDelhi 2012]

MADE IN INDIA: A FILM ABOUT SURROGACY | Women Make Movies | Trailer
[WMM 2011]

Surrogacy In India - Jennifer Wahlen Report - Wyzax Surrogacy India
Dr. Anoop Guptaの話など 2012

Netherlands national television documentary on Surrogacy in India featuring Dr Samit Sekhar from KIC
[KRO 2012]

BBC Breakfast Show - Indian Surrogacy Feature (13th Oct 2008) 

Baby boom for Indian surrogate mothers
[AFP 2009]

Pragya part 1- IVF SURROGACY IN INDIA - DR RITA BAKSHI IVF SURROGACY SPECIALIST INDIA
Pragya part 2- SURROGACY IVF CLINIC IN INDIA - DR RITA BAKSHI IVF SURROGACY SPECIALIST INDIA
Dr. Rita Bakshiインタビュー 2012

Ethics of Outsourcing Pregnancy to India - Michael Sandel
Michael Sandel氏による講演
[FORA TV 2009]

Is surrogacy an emerging trend in India?
Dr. Kamini Raoの話など
[IBN 2011]

History Legal Problems with Surrogacy in India
[MedicalTourismCo 2009]

Indian Surrogacy Helps Lift Some Poor, but Raises Ethical Issues
[PBSNewsHour 2011]

Surrogacy: Exploiting the poor?
[NDTV 2010]

Surrogacy - abc news coverage of surrogacy program of Kiran Infertility Center, Hyderabad, India
[ABC News 2011]

Tv9 - Tribal women exploited in name of surrogacy
[TV9 2011]

Dr. Manish Banker, Director Pulse Women's Hospital
[Pulse Hospital 2009]

Boom in surrogacy despite recession
[ND TV 2008]
by technology0405 | 2012-08-27 17:00 | Countries | Comments(0)

「お金のために子供を生んで引き渡さないかと言われたのが2年前だったら、笑い飛ばすだけじゃ済まなくて、屈辱で相手の顔をひっぱたいたかも。」と縫製工場で働30歳の代理母Indiraniは言った。
「なのにね。私がこの双子を生んで、渡したのよ。」バンガロールに住む彼女は、18歳で結婚し、2人の子供がいる。先月アメリカ在住のタミル人カップルのために代理出産し双子を生んだ。

筆者がIndiraniに会った時、まだ彼女は妊娠中で、その当時バンガロールでは唯一の代理出産エージェンシーCreative Options Trust for Women(COTW)が管理する寮に住んでいた。 COTWは不妊専門医らと連携し、代理母の募集、住居、身の回りの世話、監視などを引き受けていた。異性カップル、同性カップルが、血の繋がった子供を持つために世界中からバンガロールの専門家を頼ってやってくる。Indirani らが他にも代理母70人を紹介してくれた。彼女らは同じ仕事をしており、以前から知り合いだった。Indiraniを含め彼女らの中には代理母探しの仕事を兼ねる者もおり、バンガロールの生殖産業に新しい労働者を投入する役目を担っている。

インドは海外代理出産の重要地として新興し、産業的利益は数年内で60億に達するとICMRによって予想されている。2007年オプラ・ウィンフリー・ショーが、グジャラート州アナンドのナイナ・パテル医師の下で現地女性がアメリカ人夫婦のために代理出産する様子を取り上げた。それ以降も、代理出産を利用した患者のブログ、新聞記事、テレビ番組によって、インドは代理出産国として有名になり、アメリカ、イギリス、イスラエル、オーストラリア、イタリア、ドイツ、日本など様々な国から患者が来るようになった。

アナンドやムンバイ、デリー、ハイデラバード、バンガロールが代理出産のハブ地となったのは、質の良い医療や低価格の薬のおかげもあるが、何といっても安価で扱いやすい労働力によるところが大きい。アメリカでは$80,000もかかる代理出産が、インドでは$35,000-40,000になる。インドの生殖産業を支えているのは労働者階級の女性たちである。バンガロールでは、衣料の縫製工場ラインで働く女性が生殖産業とつながっていた。女性たちは、縫製工場から卵子提供、代理出産へと流れるのである。

Indiraniはバンガロールの労働者階級の女性の典型である。この町に多く見られる被服工場で、低賃金で働いている。妊娠した時に一旦やめ、2人の子供が学校に行くようになってからまたラインに入り、自分や家族が病気の時は休みながら・・という断続的な働き方である。被服工場でタダ同然に扱われる自分の身体が、生殖産業では大きな価値を持つチャンスがある・・。苦しい人生を受け入れ前向きに生きようとする貧しいインド女性たちの目には、代理出産が搾取的であろうとも、工場の仕事より創造的で意味のある選択として映るのである。

多額の借金を抱えた極貧の女性が代理母になるというのが、一般的な通説である。しかし借金はあるにしても、筆者が会った70人の代理母はバンガロールで最も貧しい層という訳ではなかった。大体が共働き世帯で、その多くは被服工場で働いており、町の平均的な女性労働者より多めにもらっていた。

代理母の仲介業も行なう元代理母たちは、家政婦、料理人、街路清掃人、建設作業員などとして働いている適齢の女性を、自分自身の拡大家族や近所、友人など広い人脈から見つけてくることができる。金融危機が不安定な雇用と低賃金を生み出している状況下で、被服工場の労働者たちに対する代理母募集は大成功している。

搾取工場で働く世界中の労働者たちがそうであるように、バンガロールの女性たちも低賃金で長時間労働を強いられている。世界市場が求める短期の生産循環に応えるため、彼らは異常に早いペースで休みなく働かされる。頭痛や胸痛、耳や目の痛み、尿路感染症その他の健康障害を頻繁に患う。工場の生産ラインでは、性的な嫌がらせや虐待が横行している。上司はほぼ全員男性で、割り当て量がこなせなかった時には性差別的な言葉で女性を罵り、仕事を教えるといって痴漢行為を行うこともしばしばある。「仕事がたまって昼食を取れないこともよくあった。皆の前で恥をかかされるのも嫌だった。上司に目をつけられないように、どんなことでもやった。」とIndiraniは言う。

彼女は労働時間に応じて月$100-$110程度稼いでいた。異常に高い生産目標を達成できない時は、割り当て分が終わるまで残業するよう上司に指示される。そうして「遅れ」を取り戻したからといって必ずしも残業手当が支払われる訳ではない。Indiraniの夫は残業が給与につかないことを不審がるようになった。 本当に工場にいるのか、他の男と遊んでいるのではないかと疑う夫。筆者がインタビューした多くの女性同様Indirani もまた、職場でも家庭でも貶められていると感じていた。

事前調査によると、バンガロールの縫製工場で働く女性労働者の1日は、工場での労働が16時間、プラス通勤時間、家では料理、洗濯、子供の世話をする。一日中工場で働き、家に帰って家事をこなすと心身ともに疲弊する。Indiraniの友人Suhasiniも代理母をやったが、工場の仕事を完全にやめた。彼女の母親、姉妹など家族内の女性たちはラインで働いていたが、彼女はそれで人生を終わりたくないと思った。「でもお金は必要。代理出産は私たちにとって恩恵そのもの。」と彼女は語った。 COTWの創設者Mr. Shettyのことを「私たちの神様」と呼ぶ。2011年12月に再び彼女と会ったとき、彼女は2回目の代理出産に向けてホルモン注射を受けていた。

前述したようにIndiraniは臨時雇用者である。妊娠中や病気の時は仕事から離れるといった具合に、断続的に働いている。縫製工場側からみれば、Indirani が健康な時は工場にとって有益な存在である。しかし妊娠や病気、家族のことで働けない時は労働者として価値がなくなるので別の者と差し替える。彼女は人類学者Melissa Wrightがいうところの「使い捨て労働者」なのである。工場で働ける時だけ彼女には価値がある。自分の職業人生において、Indiraniは有価値、無価値の間を行ったり来たりするのだ。

Indiraniの夫はリキシャの運転手をしており、収入はそれほど多くない。リキシャは知り合いから借りていたので、その賃料とガソリン代が家計を圧迫していた。そこで夫婦は従兄弟から金を借りて自前のリキシャを購入したのだが、悪いことにそのローンが返せなかった。従兄弟はしょっちゅう家に来て金を返せと罵るようになる。Indirani の工場に給料日にやってきて、給料を全て持っていく。「嫌がらせにも耐えながら一生懸命働いた。それなのに全くお金が入ってこない。自殺を考えるくらい落ち込んだ。」職場の友人がCOTWに$500で卵子を売らないかという話を持ってきた時、Indiraniは飛びついた。卵子「提供」後、彼女は代理出産をすることを決めた。そして、一回目で双子を妊娠した。

ホルモン注射や胚の移植の痛みについてIndirani に尋ねると、即答で返ってきた。「貧しい時には、痛みを感じる余裕もない。」健康への長期的影響について話しても、肩をすくめるだけだった。彼女の最優先事項は貧しさから抜け出すこと。卵子提供や代理出産がもたらす健康への害は二の次であった。

Indiraniは代理出産で自分が貶められたとは感じなかった。工場で働くよりもらいが多い上に、労働過程もずっと楽しいものであった。 彼女は工場で縫製し、家で掃除や料理、家族の世話をする日々に心身とも疲れきっていた。妊娠後、Indirani はCOTWの寮に住んだ。最初は家族を恋しく思い、子供がどうしているか心配だった。義母は子供をちゃんと面倒見ているだろうか。「見知らぬ場所で見知らぬ人たちと過ごしていたので。」しかしすぐにこの寮が気に入る。朝食と弁当作りのために5時に起きる必要もなければ、子供の送迎も、工場に行くためにバスに飛び乗る必要もない。家事の義務から解放され、自分の時間を邪魔する者もいない。代理出産によって彼女は、他人に世話してもらうという贅沢を経験することができた。これほど責任から解放されたことは、これまでの人生で一度もなかった。

COTWの寮生活に慣れるにつれ、彼女は休暇に来ているような気持ちになったという。子供の頃からの友人や親戚と話すよりも、代理母同士の方が話しやすいのだそうだ。多くの代理母が、代理出産で自分たちは子供を失ったが、代わりに生涯の友人を得たと言った。

寮には有線方式のカメラが据えられ、代理母の一挙一動を監視している。この監視についてどう思うか聞いたところ、Indiraniは気にならないと答えた。実際、ほとんどの代理母がカメラの存在を気に留めていなかった。このことに最初は驚いたものの、すぐに、彼女たちは日々監視されることに慣れているのだと気づいた。親族や詮索好きの近所の目を感じながら、一部屋か二部屋の家に住み、一つのバスルームを6-8世帯で使う彼女たちにとって、プライバシーという意識は別世界のものである。寮の監視は、被服工場での監視に比べれば全く無害である。施設を訪れた夫と性交しないようチェックするためのCOTWの監視など、取るに足らないもののようだ。

代理母は36週から37週で、依頼親のスケジュールに合わせ帝王切開で出産する。Indiraniは最初メスを入れることが怖かったが、多くの代理母が帝王切開で無事出産しているのをみて、心配しないようになった。結局彼女は帝王切開で双子を生み、自分の子供2人を自然分娩したときよりも楽だと感じた。

Indiraniに支払われた額は$4000であった。双子を出産したのだから法的にはもっと多くもらえる資格があったのだが、単胎出産の代理母と同額であった。そこから仲介業者に$200払い、世話してくれたCOTWのスタッフに恒例のプレゼントを配ったので、実際の手取り額は$4000より少なかった。産後2ヶ月をさらに寮で過ごすという選択もあったのだが、筆者がインタビューした他の代理母たちと同様、Indiraniもそうしなかった。というのも、COTWは産後のケアや食事に関しては料金を請求するからだ。稼ぎをそのような贅沢に回す余裕もないので、出産して数日で家事の待つ家へ帰り、すぐに従兄弟に借金を返しに行った。

Indiraniは引き渡した双子に愛着はないと言う。「自分の子ども二人の世話だけでも大変なのに。」一方、代理出産で生んだ子に深い愛着を感じると語る代理母もいた。3年前に女児を生んだRoopaというシングルの代理母は、毎年子供の誕生日を祝っている。「6月21日なんです。その日はご馳走を作ります。娘はその理由を知りません。でもこれが私の2番目の子に思いを馳せるやり方なんです。あの子を思い出して泣くこともあります。しょっちゅう思い出すんです。もう二度とやりたくありません。」

子供に対する感じ方は異なっても、ほとんど全員の代理母が 工場での容赦ない労働より代理出産の方が有意義だったと答える。工場ではいかに自分を無価値に感じるかという趣旨の内容が、会話の中で何度も出てくる。工場では、人格は無視され、使い物にならなくなるまでこき使われ、最後に捨てられる。それに対し、バンガロールの生殖産業は、彼女らに言わせると、非常に生産的で想像力のある労働者になるチャンスを与えてくれるのだという。

Indirani は被服縫製工場の労働者であり、代理母である。後者のほうがよいと彼女は言う。「服なんか、数ヶ月着たら捨ててしまう。でも子供は違う。一生ものだ。工場では決して作れない、何より素晴らしいものを作った。」彼女は、依頼親の心の中に自分の姿が永遠に刻まれると考えている。

筆者が会った代理母たちは、必ずしも卵子提供や代理出産を善行だとみなしている訳ではない。搾取に気づいていないわけでもない。それでも、バンガロールの生殖産業が自分たちに感情的、経済的、性的な自律性をもたらしたと強く感じている。縫製の仕事より、代理出産のほうが行いやすいのである。また代理出産は、赤ん坊を生むという、他の賃金労働にはない意味を与えてくれる。女性しかいない寮で過ごす期間は、セックスから離れ、自分たちの性道徳が傷つけられることもない。

代理出産を通して、自分は核家族になることができ、同時に一人の不妊女性の願いをかなえることができた、とIndiraniは言う。被服工場で働いているときは、徐々に殺されているような感覚を持っていたが、代理母として新しい世界を作り上げることができた。子供を私立の学校にやるために、もう一度代理出産をするつもりだという。2011年12月、最後に彼女と話したときIndiraniは「誰か知り合いが代理母を探していたら、私のことを思い出して。もう一度やりたいから。」と筆者に頼んだ。

India’s Reproductive Assembly Line
written by Sharmila Rudrappa
[American Sociological Association: Contexts 2012 Spring]

Maid in India
by Centre for Research on Multinational Corporations (SOMO)
インドの被服工場で働く女性たちに関するSOMOのレポート


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by technology0405 | 2012-08-27 16:03 | Countries | Comments(0)

インド共産党のリーダーBrinda Karatは、商業的代理出産に対して強く反対している。2012年6月19日にCNN-IBNで放送された番組でも、彼女は反対派として出演、Hinduja IVF CentreのIndira Hinduja医師、Apollo HospitalのSunita Reddy医師、作家のKishwar Desaiと議論した。

Karat氏の主張
・商業的代理出産を禁じる多くの国は、遺伝的つながりのある子供を持ちたいと願うカップルに無関心である。自国で代理母の搾取が起こらなければそれでよいと考えている。そうした国々にとって、インドは都合が良い。こうした状況が、インドの貧しい女性への搾取の元凶である。これは先進国と発展途上国との関係性の問題でもある。

・契約者間が対等でない場合、その契約を自由選択と呼ぶことはできない。商業的代理出産と利他的代理出産の二項対立的な議論も存在するが、先進国においてすら利他的代理出産は難しいのに、これほど貧富の差が激しい社会において、どのような利他主義が通用するというのだろうか。

・政府は、代理出産クリニックを規制する法律を早急に作るべきである。現法案にも問題点は多いが、とにかく立法化しなくてはならない。代理出産を禁じても、水面下に潜ったり、新しい技術が出てきたりするだろうから、完全な禁止の是非については何とも言えない。

・女性の体の商品化の問題。身体的なストレスやリスク、感情的・肉体的トラウマ、出産後すぐに子供と切り離されることなど、代理母が背負うものが過小評価されている。代理母の健康は最優先の事項である。

・子供を持つという話をする時に、これほど捨て子の多いインドでは、養子縁組の話がもっと出てくるべきである。芸能人が代理出産で子供を持つと大きく報道される一方、養子縁組に関してメディアは取り上げない。

Is surrogacy leading to exploitation of poor women?
[CNN-IBN | Jun 19, 2012]

Everyone forgets the surrogate
written by Brinda Karat
[The Indian EXPRESS : Jul 17 2012]

India’s Surrogate Mothers Escape Poverty
written by Shaikh Azizur Rahman
[Asia Calling 04 August 2012]

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by technology0405 | 2012-08-23 16:12 | Countries | Comments(0)

体外受精で妊娠した子供はエイズだった。子供の両親は死んでいる。代理母は謎の失踪をする。子供を欲しがる人は誰もいない。Kishwar Desaiの新しい小説『Origins of Love』は、インドの代理出産を徹底的に調べて書かれている。善行であるはずの代理出産は悪質なものに変わってしまった。仲介人が代理母候補を探し回り、酒飲みの夫が報酬をくすね、医者は卵巣破裂を引き起こしかねない量のホルモンを投与する。

この本は、インドで論争を巻き起こした。年間25000人の代理出産児が生まれているにも関わらず、それまでこのビジネスにはほとんど注意を払われてこなかった。本は5月に出版され、同じ月に30歳の代理母Premilaがアフメダバードの病院で亡くなった。

もし代理母が妊娠後期に生命に関わる病気になった場合、「胎児の命を保護し、依頼親の代わりに健全な出産をするため、代理母は生命維持装置につながれる」ことを、彼女の死が報道される前に知っていたインド人はほとんどいなかった。

「彼女の悲運は、代理出産に、死が現実の危険としてあることを示した。彼女は自分の子供2人に輝かしい未来を授けたくて代理母になったが、その子供たちは母親を失ってしまった。」とニューデリーにあるFortis HospitalのDr Tripta Choudharyは言う。

多くの代理出産クリニックは専門的に運営されているが、ビジネス自体が秘密主義かつ未規制なので、怪しいクリニックが急増している。女性団体の中には、代理出産を禁止するか、少なくとも貧しい代理母を守るためクリニックを規制するよう政府に要求しているところもある。

経済学者でイギリス労働党の政治家Meghnad Desaiの妻である著者Desaiは、調査中に見聞きしたことに恐怖を感じた。「体外受精を25サイクル行なった女性。妊娠率を上げるために胚を4個移植するよう強要された女性。Vaghela の死が報道されたのは、彼女が病院で亡くなったからだ。我々が知らないケースがどれほど起きているのだろうか。」とDesaiは言う。

インド人が母性や妊娠の商業化を不快に感じ始めたことで、反対の声は増えている。今回、本の出版と代理母死亡の報道がタイミングを同じくしたことで、インドの商業的代理出産を倫理的、道徳的に疑問視する声、法整備を急ぐ声が、インド国内で増え始めている。

 『Origins of Love』 
 Kishwar Desai、Simon & Schuster Ltd、 2012/5/24出版

Indian author fights for surrogacy laws
[The South China Morning Post Aug 05, 2012]

Kishwar Desai's 'Origins of Love,' a tale of exploitation
[IBN Live Jun 04, 2012]

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by technology0405 | 2012-08-10 16:55 | Countries | Comments(0)

オーストラリアのカップルが、違法とされる海外での商業的代理出産契約で得た双子の養育権を許諾された。この双子は、タイのクリニックが、夫の精子と匿名ドナーの卵子を受精させ、タイ人代理母に移植し生まれた子供である。
シドニーの家庭裁判所は、クイーンズランド州に住む依頼夫婦Mr EllisonとMs Solanの二人が双子を養育するのが妥当と判断した。海外代理出産の試訴として、裁判所の判断が注目されていた。

しかし、クイーンズランド州(Surrogate Parenthood Act 1988)、ニューサウスウェールズ州、オーストラリア首都特別地域の法律は、住民が国際的な商業的代理出産契約を結ぶことを禁じている。起訴されていれば、最高3年の禁固刑を言い渡されていただろう。オーストラリアの他の州では、海外での代理出産は合法である。

Harrington Family Lawyersに所属する代理出産法専門の弁護士Stephen Pageは、この判決がオーストラリアの代理出産法の複雑さを表していると言う。「この分野の法律は筋が通っていない。海外の代理出産を希望する人々にとってどうしようもない地雷原になっている。」

自分たちを親として認めて欲しいと裁判所に訴える際、Mr EllisonとMs Solanoは最初、双子が違法な代理出産契約で生まれたという事実を隠そうとした。代理母に報酬を支払うことはタイで違法とされてはいないが、オーストラリアの州法は国外にまで効力を及ぼす。

Judith Ryan判事は事の真相を明らかにするため、夫婦に対し、刑事裁判で彼らの証拠が不利に使われることはないという証明書を、Evidence Actに基づいて交付した。去年、同裁判所の判事が、同様の契約を結んだカップルを検察庁のクイーンズランド州長官に引き渡したことがあったからだ。

Ms Solanoはガン治療が原因で、子供を臨月までお腹に身ごもっておくことができない。また、オーストラリア国内でも海外からも、養子をとるには年齢がいきすぎていた。
Ms Karnchanitという代理母は2011年1月に双子を生んで$7350を受け取って以降、養育には一切関わっていない。子供の引取りも希望していない。また双子の遺伝的な母親(卵子ドナー)の身元は不明。

今週出された判決文で、Ryan判事は、たとえ違法行為によって生まれてきた子供だとしても、その子供の福祉に最も叶うと判断し、カップルに養育権を与えた。
「間違いなく公共政策的な問題が起きるだろう。つまり、商業的代理出産に関してクイーンズランド州が定めた法の精神を一部覆すような親権決定がなされる可能性をはらんでいる。」しかし判事は、「裁判所は子供の福祉に最大限かなう決定をすべきであるし、この契約の合法性を問うには遅すぎる段階にある」というAustralian Human Rights Commission の提案を受け入れた。夫婦の刑事責任を問うて投獄することは、唯一の養育者を子供から奪うことになり、子供に与える長期的な心理的、感情的ダメージが大きいという判断であった。判事はまた、海外での代理出産を考えている人々に対し、法的な問題は想像以上に複雑であると警告した。

判事によると、今回、Mr Ellison が遺伝的父親であると証明するDNA結果も、タイの出生証明書に彼の名前が記載されていることも、州法や連邦法に彼が親であることを認めさせるには不十分であったという。

クイーンズランドは金銭的やりとりのない利他的代理出産のみを認めている。同性カップル、独身者、2年未満の事実婚カップルによる代理出産は禁止。代理出産の依頼親が親権を獲得するには、裁判所への申請が必要。

Couple given right to raise surrogate Thai children
[The Sydney Morning Herald August 3, 2012]

Twins of Thai surrogate given Australian citizenship
[The Courier-Mail August 03, 2012]

Family Court decides international surrogacy test case
[Australian Gay and Lesbian Law Blog , 2 August 2012]

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by technology0405 | 2012-08-10 14:36 | Countries | Comments(0)

30歳の貧しい代理母Premila Vaghelaが先月亡くなった。報道では、アフメダバードの病院で定期検診を待っているときだったという。メディアはこのニュースをほとんど報じなかった。とにかく彼女は契約した仕事をやり遂げ、アメリカ人依頼親に引き渡す予定だった妊娠8ヶ月の胎児は無事だった。

実際には、Premilaのような貧しい代理母が他にも大勢いる。妊娠で体を悪くしたり命を落としたりする可能性があるが、すぐに忘れ去られる存在である。秘密めいた無規制の赤ちゃん工場(その多くは合法のIVFクリニックの体裁をとっている)は今やインド中で急激に増加している。その工場の関心は最終産物、つまり子供だけである。

控えめに見積もってもインドでは年間25,000人以上の子供が代理出産で生まれており、20億ドル産業となっている。こうしたクリニックは大都市だけでなく小都市にも広がる。国内需要も増えているが、代理出産児の少なくとも50%以上が外国人――主に西欧人――との「契約」によって生まれてくる。

依頼親はちがえど、子宮を貸すのは常に、下層の貧しいインド人女性である。世界のどこよりも不妊治療費や代理母報酬が少なくて済むインドには、自分の遺伝子を受け継ぐ子供を持ちたいと願う人々が押し寄せる。

規制はない。インドの医療監視機関が2年以上前に規制法案を出したが、未だ審議中であり、代理母も子供も危険に晒されたままになっている。経営状態は良いであろうと思われるクリニックですら、その実情は不透明である。

Premila の事例に当てはまるとは断言できないが、悲しいことに多くの場合、代理母の生命は二の次にされ、子供が最優先される。病院が支払いを受けているのは、その子の誕生に対してなのだ。
また、彼女のような悲劇が起きても、代理出産の仕事は「成功」したわけであるから、病院は直ちに家族に報酬を支払う。従って家族が訴え出る可能性は低い。通常のお産で毎年数千人の女性が亡くなる国で、一人の代理母の死に誰が苦情を申し立てるだろう。

博士号取得のため代理出産の研究をしているAnindita Majumdarは、個人的に、こうした代理出産への「恐怖」があまりにも簡単に金の力で片付けられていることに心を痛めている。違法すれすれの行為は多い。たとえ規制法案が成立をみても、その法案は、代理母の権利よりも医療団体に有利に働くのではないかと彼女は案じている。
4個以上の胚移植や侵襲的「減数手術」、また誕生日を依頼親の都合に合わせるための帝王切開もよくみられる。

女性たちは、そうしたリスクを喜んで引き受けていた。子宮(おそらく彼女たちの持つ唯一の資源)を貸すことで、家族を養うための金が十分に稼げると感じているのだ。そして確かに多くの代理母は、家族で暮らすための小さな家を買ったり、子供の学費に充てたりする。代理母の一人は私に、娘にはちゃんとした教育を受けさせ、あなたのように英語を話せるようにしたい、と語った。彼女はまだ21歳で、依頼親のために双子を妊娠していたが、その時すでに、あと3回代理出産することを決めていた。

別の研究者によると、ホルモン注射を20サイクル以上やった女性もいるという。子供は(依頼親の滞在に誕生を合わせるため)帝王切開で生まれることが多いので、代理母の健康は手術ごとにダメージを受けている可能性が高い。

代理出産に携わる医師たちは、通常の生殖周期を分断された女性たちがその後どうなるのかという心配をほとんど抱かない。Premilaの事例のように、医師たちは最終産物である子供にしか興味がないように思える。

もしインドが規制法案をすぐに通過させないのなら、国際社会が圧力をかけるべきである。代理出産は今や地球規模の産業であるから、国際法および、生殖に関する国際的な規制団体が必要である。そうしなければ、現在の不正行為のほとんどが潜行することになる。この産業を覆う秘密主義の霧は、今よりもっと濃くなってしまうだろう。

India's surrogate mothers are risking their lives. They urgently need protection
[the guardian 5 June 2012]

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by technology0405 | 2012-08-08 12:08 | Countries | Comments(0)
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