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人工授精かレイプか

個人病院を経営するインドの医師Dr Guptaがレイプの罪で2007年に看護婦に訴えられた事件が、最高裁に持ち込まれた。両者の主張が大きく食い違うこの事件の背景には、インドで増えている代理出産の問題が潜んでいる。

Gupta医師の申し立てによると、医師は、代理出産で子供を持とうとしている別の男性のために精子を提供した。しかし、看護婦は自分が人工授精で代理母になった後、医師を恐喝し金銭を要求するためにレイプの話をでっちあげたという。

最高裁は医師と子供との親子関係を確認するためのDNA検査をするよう指示したが、医師は、代理出産で生まれた子供を辱めるだけなのでDNA検査は必要でも合法でもないと主張している。「‘子供の将来にマイナスになる可能性がある場合、親子関係を証明するためのDNA検査はなされない’と決められている」と医師は主張する。確かに、代理出産を依頼した男性が子供の引き取りを望んでいる場合に、医師と子供の親子関係をDNA検査で確立するのは、子供の利益にならないとも考えられる。

この事件は、代理出産の依頼者も「看護婦にだまされた」と訴えており、医師が無罪になる可能性は高い。しかし、代理出産や配偶子提供についての法整備がなされない限り、こうした事件が再び起こる可能性は残る。

Nurse alleges rape, Supreme Court stays DNA test against doctor who claims innocence
[DNA , Mar 4, 2010]


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by technology0405 | 2010-10-29 13:03 | Countries | Comments(0)

インドではAssisted Reproduction Technology (Regulation) Bill, 2010が現在もまだ議会で審議中である。独身者や同性愛者にも代理出産を依頼する権利を与えるのか、商業的代理出産を認めるのかが、主な争点としてあげられるが、いずれにせよこの法案で代理出産は法的に認められた行為となる。

婦人科医Dr Anju Huria氏
「法案は正しい方向へ向かう一段階。IVFセンターの役割を規制し、代理出産を合法にするもの。すべての行為に白黒がつけられ、ミスに対しても法的救済がとられるようになる。今のままでは、IVFセンターは法的に無視されているのだから、責任も生じない状態。
ただ、代理出産が合法かつ簡単になれば、長期的な考えもないまま子供を持つ人が出てくるかもしれない。子供の虐待やネグレクトを監視するメカニズムが必要になるだろう。」

顧問弁護士Anupam Gupta氏
「女性が子宮を金儲けに使い、他人の子を産む機械のように扱われるのは、人間の尊厳に矛盾するのではないかという問いに、答えは出ていない。しかしこの法案は、商業的代理出産を合法としている。この法案の意図がどうであれ、結果としては赤ん坊を売買するマーケットの助長は避けられない。この法案を認めることはできない。」

精神医学者Dr B.S. Chavan氏
「不妊の夫婦にとって、法律があった方がARTをスムーズに受けられるだろう。しかし、独身者が親になるのは子供の利益に反しており、社会に悪影響を及ぼす。伝統的な意味の家族の絆―父と母と兄弟、姉妹―が、子供を養育する上で重要であり、同性愛者や独身者ではこうしたものを与えることはできない。同性愛者や独身者に生まれた子供は自信を欠くだろう。それが子供に長期的な影響を及ぼす。」

Jindal IVF and Sant Memorial Nursing HomeのDr Umesh N. Jindal氏
「ARTバンクを運営しているのは専門の医師ではないので、正しい判断ができない。彼らは精子や卵の質についての医学的知識を持っていない。IVFクリニックを運営できるのは医師だけ。ARTバンクを参入させないことが、代理母、依頼者双方の利益になる。」

Legalising surrogacy — Boon or bane? 
[The Tribune Opinion July 14, 2010]


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by technology0405 | 2010-10-29 12:11 | Countries | Comments(0)

台湾のツーリズム規制

2008年8月、台湾がBabe 1001に対し、台湾での宣伝を自粛するよう警告した。Babe1001はバンコクに拠点を置く会社で、不妊の人に代理母をあっせんする仲介業をしている。インターネットで、台湾の人々をターゲットにした中国語の宣伝を何度も掲載していた。

タイには代理出産を規制する法律が今はまだ存在せず(現在審議中)、商業的代理出産が一般的に行われている。一方台湾には人工生殖法という法律が存在し、代理出産は禁止されている。こうした、代理出産に対する国の認識の違いが浮き彫りになった。

Babe1001の台湾向けウェブサイトでは、台湾で代理出産が禁止されていることは記載されていなかった。実際には、台湾では医者が不妊患者に外国の代理母を紹介するだけでも、医者は免許を剥奪され、罰金が科せられる。

世界では、代理出産をできない国の人々が、代理出産が合法な国に走るという現実があり、インドやタイなどはこうした法的な抜け穴として不妊患者の受け皿となっている。国境を越えた不妊治療の在り方が問われている。

Taiwan warns Thailand-based firm on surrogacy
[AsiaOne 26.08.2009]

A question of surrogacy
[The Nation, August 24, 2009]


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by technology0405 | 2010-10-29 11:11 | Countries | Comments(0)

タイの代理出産トラブル

2008年、オーストラリア在住の夫婦(夫はオーストラリア人、妻は日本人)が、2人の代理母に胚移植を同時に行い、2009年にその2人の代理母から3人の子供が生まれた。夫婦は3人の子供をオーストラリアに帰国させようとするが、子供のパスポートは発行されなかった。夫婦は子供が自分たちの子供であることを主張し裁判を起こした。DNA検査の結果などが認められ、1年後の2010年にようやく子供たちをオーストラリアに連れ帰ることができた。

この夫婦の事件では、以下の点がトラブルを引き起こした。
1.夫婦は2人の代理母を雇い、その結果、2人の代理母から計3人の子供が同じ日に生まれた。
2.タイのオーストラリア大使館では受け付けない「Citizenship by Decent(オーストラリアの出生証明書にあたる)」で申し込もうとした。(代理出産で生まれた子供にはSurrogacy101が用意したビザが使用される。手続きが簡単で、このケースでも最終的にSurrogacy101のビザで子供たちは帰国した。)依頼者が同性愛カップルでもSurrogacy101のビザで子供をオーストラリアに連れて帰られるという。
3.オーストラリア政府が2010年1月に国籍法(Citizenship Act)を改正したことで、ようやく夫婦の申請が認められた。

代理出産関連のこうしたトラブルが報道されることは少ない。現に、タイでもオーストラリアでも、もちろん日本でもこの事件は報道されておらず、実際には同じようなトラブルがいくつも起きていることが考えられる。

Surrogacy 101のホームページ


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by technology0405 | 2010-10-15 13:50 | Countries | Comments(0)
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