人気ブログランキング |

卵子提供で生まれた子どもへのtelling〜Sometimes it takes three to make a baby〜

卵子提供で生まれたことを子どもにどのように伝えるのか。

オーストラリアで編集された"Sometimes it takes three to make a baby"(子どもが生まれるためには、ときに3人必要になる)は、まだ幼い子どもに対して自分がどのようにして生まれてきたかを知らせるための絵本である。

こうした絵本は、世界各国で編集が試みられている。そのストーリーは、概ね、似通っている。子どが欲しい夫婦がおり、治療を続けたがうまくいかなかったこと。医師が卵子提供を提案してくれたこと。親切な女性が現れ、両親に卵子を提供してくれたこと。医師が提供された卵子と父親の精子をミックスして母親の子宮に入れたこと。妊娠して両親は大喜びしたこと。子どもは周りの人から望まれて生まれてきたこと。卵子を提供した女性も子どもが生まれて喜んでくれ、両親も卵子ドナーに感謝したこと。こうしたことがわかるように構成されている。

この絵本では、子どもは誰に似るのか? といった遺伝に関する問題にも触れている。
鏡の前で自分の姿を見つめる子どもの頭の中には3人の大人の顔が浮かんでいる。
この絵本では、「ユーモアのセンスはママから、黒い髪はパパから、茶色の瞳はドナーから来たものかもしれない」と書かれている。

また、その後、子どもが学校など集団生活を送るようになれば、自分の出自をどのように捉えるかも問題である。卵子提供で生まれた子どもが他にもいるかもしれないし、いないかもしれない・・・。もしかしたら自分はなぜ卵子提供で生まれたのか納得できないかもしれないが、それは他の子どもでも同じで、子どもは自分でどうやって生まれてくるかを決められないものなのだ。

絵本の末尾には、親に対するメッセージが記載されている。

◆親に推奨されること◆

・子どもができるだけ小さい時から情報を与え始めること。この本は3歳から9歳までの子どもに適している。

・子どもの成長にあわせて何度も何度も話すこと。与えられる情報や子どもからの質問は子どもの成長にしたがってより複雑になっていく。

・不妊治療や妊娠、子どもが生まれてきたときの写真などを貼ったスクラップブックを作成し、それらを見せながら語りかけるとよい。

・リラックスした態度で子どもに語りかけること。卵子提供について恥ずかしいことであるかのように親がぎこちない態度をとれば、子どもはその方法で生まれてきたことを悪いことのように感じる。親がその方法に誇りを持ち、子どもが親の愛情を感じることができるようにすることが重要である。

・同じようにして子どもをもった他の家族と交流することやサポートグループに参加することは有効だろう。子どもたち同士も交流をすることで、自分が他とは何か違っていると思わなくてすむ。

・カウンセラーに相談することも役に立つかもしれない。子どもが誕生したことで解決したと思っていた問題が、ときに後々なって再び、浮上するかもしれない。

・子どもに告げるのを遅らせるのはよくない。ドナーのことを告げたら子どもから拒絶されるかもしれないと親は恐れているが、事実は全くその逆である。子どもは長年、真実から遠ざけられてきたことで自分が否定されたように感じる。早い時期に告げられていれば、それは子どもにとって普通のことになる。子どもは卵子がどこから来たかに関係なく、両親を好きだと思っており、母親は母親であって、卵子ドナーではないことはちゃんと理解しているはずである。

・周りの人に対しても、卵子ドナーを「本当の母親」などと子どもに言わないよう、きちんと説明する必要がある。

・子どもがいじめられるかもしれないと心配する親がいる。子どもが自らの出自に自信を持つよう育てられていれば、他人の発言に左右されなくて済む。周りの子どもたちも、効果がないとわかればいじめをやめるだろう。世の中にはいろいろな家族がいるものである。

・子どもには自信を持って安心するよう教えることだ。そして、他の人から何か言われたときにどう言い返すか、シュミレーションをしておくのもよいだろう。


d0170396_16392262.png



Victorian Assisted Reproductive Treatment Authority: VARTA

Melbourne IVF
by technology0405 | 2016-04-21 12:54 | Book | Comments(0)
各国のARTに関する資料や記事を集めています (※ このブログに書かれている情報の信ぴょう性は各自でご判断ください)