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メキシコの代理出産

メキシコには、基本的に生殖医療に関する法律はなく、唯一タバスコ州民法において代理出産が法制化されている。タバスコ州民法92項により、依頼親は代理母が受胎した瞬間から法的に親であるとみなされる。提供卵子や提供精子を使用した場合でも依頼者の正式な子どもとなる。依頼者は、正式な手続きをふめば、子どもの出生証明書に親として記載される。タイやインドでの代理出産への厳しい規制を背景に、メキシコは代理出産を望む個人にとって最も好ましい国のひとつとなっており、斡旋業者からも熱い注目を浴びている。
不妊治療クリニックでは英語の話せる医師や看護師、スカイプでの相談などきめ細かな対応がなされており、カナダ、イギリスその他の国では禁止されている子どもの性別の選択も提供されている。外国人依頼者を受け入れる不妊治療クリニックは、この数年で急速な成長を遂げている。斡旋業者もまた同様に経済的成功の恩恵を受けている。メキシコの生殖医療は、アメリカ合衆国やカナダ、ヨーロッパなどから来る外国人依頼者にとって、安価で高度な治療を受けられ、卵子ドナーの入手が容易で、白い砂浜のリゾートに滞在する旅ができるとして、キプロス、インド、トルコ、南アフリカに代わり人気となっている。アメリカ合衆国の約半分の金額で女性が子宮を貸してくれる。代理出産は実入りのよい仕事であり、代理母にとっては、妊娠一件につき最低賃金5年間に相当する金額となる。斡旋業者は最高品質の宿泊設備と医療を外国人依頼者に提供している。
しかし代理出産ツーリズムの人気の裏で、明確な法的ガイドラインの欠如は確実な卵子提供プログラムの実行やドナーの健康を守ることを困難にしていると、臨床医兼クリニック経営者は語る。「もし法律があれば我々はドナーの登録ができ、どこで卵子もしくは精子が提供されているか知ることもできるが、現状では追跡が難しい。」
 また代理出産は法的、倫理的にも論議を呼んでおり、代理出産業界内部でも討論がなされている。プラネットホスピタルは、伝えられるところによると、40人以上の依頼親を騙したとして、アメリカ合衆国FBIによる調査下におかれ、現在メキシコでの営業を停止している。それ以外にもグレーな法規制のもと、斡旋業者による代理母への報酬未払いや、卵子の盗難、代理母に精神疾患があるなど恐ろしい話も水面下では伝わっている。タバスコ民法ではgestational surrogacyが許可されており、出生証明書には代理母ではなく、契約した親の名前が記載されるが、その一方で代理出産は「利他的」であるべきとも定められている。代理母を守る法規制もなされておらず、このようなグレーな法規制のもとで、実際には明確に定められていない部分に関しては、代理母に犠牲を強いることもあると斡旋業者は語る。
「斡旋業者には良い業者と悪い業者が存在する。」とタバスコの看護師は言うが、代理母にとってそれを見分けるのは容易ではない。劣悪な環境や、不十分な食事のもとでの妊婦生活や、代理出産を望んだカップルの気が変わった場合、明確な法的規制がないために、赤ちゃんを引き取らなければならなくなるケースもあり、代理母の人権は守られないこともある。「それでも売春婦になるよりはいいから。」と、代理母を希望する女性は後を絶たない。タバスコやその近辺では、高い貧困率と雇用機会の少なさのため代理出産は地元の女性達にとって魅力的な選択肢となっており、需要は伸びている。
ステークホルダー達は、メキシコの重要な経済新興策として、慎重に規制化された代理出産産業の成立と、代理出産の啓発の機会を提供することを目指しているが、この見通しは実現していない。楽観主義者は代理出産がすぐにカンクンで法制化されると確信している。その他、新しい法律の草案に対し、タバスコでのゲイ代理出産を規制する取り組みを行うグループもあり、法律が通過すればカトリック教会の権威に対する挑戦であると見なす人々もいる。
 このような背景があろうとも、メキシコにおける代理出産ビジネスの加熱はとどまる事がない。今後ますます斡旋業者は増加し、クリニックは外国人による代理出産の依頼の増加を目指し、代理出産産業はブームになっていくのは間違いないだろう。

CEFAM

Surrogacy boom in Mexico brings tales of missing money and stolen eggs
[The guardian
Surrogacy Beyond Borders

CARE Surrogacy Center Mexico
[you tube 動画]

Reproductive tourism booms on Mexico’s Mayan Riviera
[ International Medical Travel Journal 2014]



by technology0405 | 2015-01-14 17:12 | Countries | Comments(0)
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