発展途上国における不妊の経済的影響

The economic impact of infertility on women in developing countries – a systematic review
S. J. Dyer, M. patel
FVV in ObGyn, 2012, MOnOGraph: 38-45

良質のヘルス・ケアを提供すること、医療費による貧困化を防ぐこと、これは医療制度の責務である。
発展途上国の不妊治療においては、良質なケアが提供されないことが多く、また治療費はたいてい患者もちである。社会的因果関係がさらなる経済的困難を引き起こす可能性もある。不妊および不妊治療がもつ経済的意味づけに対し、体系的な調査はこれまでなされてこなかった。

本論文では、不妊治療における患者の自己負担額(out-of-pocket payment: OoPP)と、不妊によるその他の経済的影響についてのオリジナル・データを含む発展途上国の英語論文を検討している(MEDLINE検索)。

検討された論文は21本。国はマラウイ、ルワンダ、カメルーン、モザンビーク、ナイジェリア、ボツワナ、ジンバブエ、セネガル、ガンビア、バングラデシュ、パキスタン、インド、ベトナム。OoPPに関する情報は乏しいものの、不妊治療が、基本的な治療や効果のない治療においてすら、高額出費のリスクを負っていることが示唆された。他の経済的不都合としては、様々な支援に子供がいないとアクセスできないこと、離婚、不妊夫婦に差別的な慣習法などがある。特に女性がそうした影響を受けている。

入手可能なエビデンスは限られているが、発展途上国では、不妊が広い範囲で経済的不利益とつながっており、時には不妊によって全てを失うこともあるということが分かった。法外な治療費はこれまで「医療のポバティートラップ(貧困の罠)」と呼ばれてきた。発展途上国の女性にとって、不妊は「医療および社会的なポバティートラップ」といえるだろう。経済的困難の社会的側面のいくつかは医療制度の権限を越えているものもあるが、良質な不妊治療の全体的な不足と、不妊治療でのOoPPに対する経済的リスクに何の保護もない現状は看過できない。女性のリプロダクティブヘルス権に対する重大な侵害である可能性がある。

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by technology0405 | 2013-12-26 16:58 | Countries | Comments(0)
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