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インドART法案の動向―2013年10月

保健省の代理出産法案‘Assisted Reproductive Technologies (Regulation) Bill, 2013’の議会への提出を急ぐインド政府に対し、SAMAが、法案の不明瞭な点を是正するよう強く要請した。SAMAは、法案の最終版を出す前に、国中の女性団体、同性愛者団体、人権団体、法的権利保護団体などで広く審議すべきだと主張している。

SAMAは、保健家族福祉省が先導してART産業規制に取り組もうとする姿勢を評価しつつ、政府の現法案が倫理面を重視していることを認めながら、商業的代理出産に従事する代理母と生まれる子どもの権利と健康を保護する対策が十分でないと指摘した。また、医療業務の基準の設定が曖昧なうえ、エージェンシーや旅行会社、代理母ハウスの運営者といった、代理母をアレンジするうえで極めて重要な役割を果たしている仲介業者の規制が全くなされていないという。

SAMAの指摘・提案
・ARTおよび代理出産サービスを提供・促進しているコンサルタント業者、エージェンシー、代理母ハウス運営者、個人の仲介業者、旅行会社、弁護士事務所などを、法案で効果的に規制すべきである。

・複雑で侵襲性の高い高額な体外受精型代理出産に限定せず、より簡単で侵襲性の低い人工授精型代理出産を認めるべきである。

・ARTを受けられる年齢に、法案で明確な上限を設けるべきである。
 
・生児出産数は、受けたARTサイクル数を反映したものではない。妊娠するまで何度も代理母がARTを受けることのないよう、代理母女性がトータルで受けられるサイクル数を規定すべき。

・現法案には、ARTによって母親と子供に健康リスクが生じる可能性があると記載されており、母親の健康リスクのリストが載せられているのに、生殖技術で生まれた子供の持つリスクや有害転帰についてのリストがない。

・出生前検診、性選択、減数手術、中絶手術が、依頼親の意向だけで行われることのないようにする。また、依頼親が、代理母の妊娠中に、特定の食事や宗教上の儀式、生活スタイルを代理母に要求・強制してはならない。

・代理母への支払い方法は、法案で明確に定め、代理母の利益を図るべきである。現法案の支払いに関する条項は均衡を甚だしく欠いており、代理母にとって不利である。

・2013年度版の法案では、「カップル」とは婚姻関係にあり世帯を同じくする男女であると定義している。つまり、法案はヘテロノーマティヴィティ(異性愛規範性)の枠組みの中でのART利用しか想定していないことになる。法案が施行されると、同性愛者はインド国内でARTにアクセスすることができなくなる。こうした法案は差別的で、根拠を欠いており、平等・自由・生殖の権利を侵害している。

・代理出産の依頼親が死亡した場合の子どもの地位に関して、明確にすべきである。これは、国籍の問題が発生する国際間代理出産においてだけでなく、インド人同士の代理出産においても重要である。

保健省は、政府内の各省庁からも2013年版法案(未公開)に関して意見をつのる姿勢を表明しており、最終版が完成して議会にかけられるまでには、まだ時間がかかる可能性もある。

Gaps in surrogacy bill
Aarti Dhar
[THE HINDU, October 27, 2013]

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by technology0405 | 2013-10-31 16:12 | Countries | Comments(0)
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