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オーストラリアの海外代理出産増加

インドで生まれるオーストラリア人の子供が急増しているという事実は、商業的代理出産の禁止が全く役立っていないことを示しているというのが、代理出産支持派の主張である。インドで生まれた子供の市民権の申請数は、過去5年で3倍以上の増加をみせている。

国内および海外の代理出産を違法とする法律がニューサウスウェールズ州や他の州に存在するにも関わらず、商業的な、あるいは報酬を伴う代理出産を利用する一人当たりの率はオーストラリアが最も高いことを、Surrogacy Australiaの設立者Sam Everingham氏は指摘する。
「妙な話だが、オーストラリアは世界の中で最も大きな代理出産市場の一つだ。国際養子へのアクセスの欠如、女性の晩婚化、金銭的な余裕など複数の要因が重なった。」

2011年3月以降、商業的代理出産に関わったニューサウスウェールズ州のカップルは、2年間の懲役と275,000ドルの罰金が科される可能性がある。それにも関わらず、Everingham氏の見積によると、ニューサウスウェールズ州では年間約100組のカップルが、国全体では約500組のカップルが海外で代理出産を依頼するという。
全国的な動きとしては、家族法評議会が、代理出産利用の増加によって起こる法的問題の扱いを検討しており、12月には報告書がまとめられる予定である。

シドニー工科大学のJenni Millbank教授が出入国省から得た資料の数字を見ると、2011-12年の事業年度において、インドで生まれた子供の市民権の申請数が519件。2007-08.年の126件と比べると、その増加は顕著である。海外代理出産が「簡単になったわけでは決してない」と彼女は言う。それどころか、代理出産禁止法は、海外代理出産を検討するカップルに不妊治療専門医が一切の助言を拒否する、という状況を引き起こしている。
「親たちは何も知らないままことを進めていく。移植胚の個数などといったリスクについて医師から情報を得られていない。皆わざわざ貧しい国に行って問題を起こしたいわけではないが、彼らは自分たちが持っている情報で動いているのだ。」

インド人の不妊治療専門医から彼女が聞いた話では、複数胚の移植が当たり前なので、多胎妊娠率が25-40%のところもあるという。複数胚移植は母子共にリスクがあるので、オーストラリアのIVFクリニックでは厳しく取り締まられており、多胎出産率は8%程度である。

もちろん海外で市民権を申請する必要のある子供は代理出産児だけとは限らないが、Millbank教授は、インドのような国で生まれるオーストラリア人の子供の急増は、海外代理出産で生まれる子供の増加を示しているとみてよいと考えている。
こうした現象は、代理出産のためによく利用される他の国でも明らかである。タイでの申請数は294件から459件と54%の増加、ウクライナでは9件から20件と122%の増加をみせている。

最近のFertility Society of Australia学会で、Millbank教授は、報酬を伴う代理出産のための倫理的な枠組みを作るべきだと主張した。
「利益第一のシステムやインセンティブ・システムではなく、人々が代理出産を考えた時にそれが実行できるようなシステムを作るべき。不妊カップルの意見を聞くと、誰かに代理出産をタダでやってくれと頼むなんてありえないと言う。」

More parents defy law with overseas surrogacy
Amy Corderoy
[The Sydney Morning Herald , September 14, 2013]

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by technology0405 | 2013-09-27 16:43 | Countries | Comments(0)
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