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ロシアの孤児問題と国際養子

ロシアでは依然として、親が子供を手放す第一の理由が貧困である。児童養護施設で暮らす子供が約23万人、何らかの形で国のケアの下にある子供は65万人以上にのぼる。ITAR タス通信(ロシアの国営通信社)によると、児童養護施設にいる子供の約90%は正確には孤児でなく、親が生きているという。
ロシアの養子縁組制度を見直し、当時のボリス・エリツィン大統領が新しい養子縁組法にサインしたのは1998年である。この法律は、以前より高い基準を海外養子に設定し、国内養子を進めていこうというものだった。これにより海外養子を扱うエージェンシーは国の承認を受けなくてはならなくなった。さらに、子供が海外養子候補になっても、実際に海外養子縁組が可能になるまで5ヶ月間の待機期間を設ける。その待機期間に、できればロシア国内で養親を見つけたいという意図がある。

2000年3月プーチン大統領は閣僚とロシア人孤児の状況改善に関する臨時会議を開いた。その1ヶ月後、政府は、正式認可を受けたエージェンシーを通した養親候補しか認めないという法令を出した。各エ-ジェンシーは大慌てで認可を取り付けたが、そのとき進行中だった縁組は地方裁判所によって保留もしくは白紙となった。

それ以降もロシア政府は、海外養子に出される子供の数を制限する方法として認可制度を使い続けてきた。また、国内養子を増やす努力や、一時しのぎに子供を施設に預けている親の生活を改善する努力も同時に重ねられた。

ここ数年にわたって、ロシアの児童福祉のリーダーや国会議員が、アメリカへの養子縁組をストップさせようと呼びかけている。2007年、バージニア州のハリソンという男性が、養子にしたばかりのロシア人幼児を車に置き去りにし、熱中症で死亡させた。2008年12月バージニア裁判所はこれを過失致死と判断し、ハリソンを釈放した。幼児の死とその父親に対する無罪判決は、ロシア-アメリカ間の養子縁組を停止させよという声を再燃させることとなった。さらに2010年4月、アメリカ人の養親タリー・ハンセンが、養子に迎えた7歳の男の子を、もういらないという手紙をつけ一人で飛行機に乗せてロシアに送り返した事件も話題となった。ロシア政府は、アメリカの法律では十分に子供を守りきれないと主張、アメリカに渡ったロシア人養子のうち12人が殺されていたという事実も明らかにされた。

ロシアとアメリカは2年間の話し合いの後、2012年7月28日二国間協定を結び、ロシアからアメリカへの国際養子は継続することとなった。しかし2012年12月28日、プーチン大統領は連邦法18661406(通称ヤコブレフ法)にサインし、2013年1月1日以降アメリカへの養子は禁止されることとなった。(ヤコブレフは2007年に熱中症で死亡した子供の名前)

2013年にはアメリカ人夫婦に引き取られた3歳のロシア人養子が死亡する事件が起き、ロシア政府は更に態度を硬化させている。Russian Children's Rights Commissionerは、この子供が暴行や向精神薬を飲まされるなどの虐待を受けていたと主張している。

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http://www.creatingafamily.org/adoption/charts/factors-to-consider-when-adopting-from-russia.html参照(作成 牧由佳)

CCAI GENERAL OVERVIEW OF RUSSIAN ADOPTION
CCAI

ロシア  アメリカ向け養子縁組禁止法案 ロシア・日本の抱える人口問題
[孤帆の遠影碧空に尽き, 2012-12-27]

外国人同性愛者とロシア児童の養子縁組禁止、プーチン大統領
[AFP, 2013年07月04日]

Russian authorities claim boy, 3, 'was killed by American adopted mother who beat him and gave him psychiatric drugs'
[DailyMail, 19 February 2013]

減らない孤児
佐藤雄亮
[2012年2月22日 ロシアNOW]

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by technology0405 | 2013-09-12 17:00 | Countries | Comments(0)
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