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ロシア代理出産法案――2011年記事より

ロシアは2012年に「ロシア連邦国民健康保護の基本に関する法律」を施行した。この法律により、初めてロシアの代理母出産に正式な法規制がかけられた。
以下は、その途中経過2011年の記事。


2011年10月21日、ロシア下院は「ロシア連邦国民健康保護」法案の第二読会(議会の立法手続き過程の一つ)を開いた。この法案で注目されたのが、商業的代理出産の合法化の明記である。また、子供の臓器移植を認める内容も社会の目を引いた。15歳以上の子供に対し健康面で親が権力を行使してはならないという点も、ロシアの親たちを驚かせた。子供が15歳になると病歴は非公開となり、親がその情報にアクセスすることも認められない。

今のところロシアの代理出産は合法とも違法ともいえない。厚生省令の中では、不妊問題を解決する手段として捉えられている。禁止されていないので、代理出産サービスを提供している市場も一応は合法ということになる。保健・社会発展省はこうした曖昧な状態を打破したいと考えている。新法案は、代理出産を、不妊に対抗する非伝統的な選択とみなし、その商業的利用も認める。

当時、欧州評議会の閣僚委員会でも、子と親の権利を規定する法案が検討されていた。この法案も代理出産の合法化を非常に意識している。遺伝的なつながりを持つ親も遺伝的つながりを持たない里親も、同様の権利を持てるように法案は意図されている。
(参照:Council of Europe Draft Recommendation on the rights and legal status of children and parental
Responsibilities → http://www.coe.int/t/DGHL/STANDARDSETTING/CDcj/CDCJ%20_2011_%2015%20E%20-%20meeting%20report%2019%2010%20_final_.pdf 

ロシアの保健省は、不妊女性を救うべきだとし、代理出産合法化を支持している。実際、子供を持つことに何らかの困難を抱えるカップルは、ロシア国内に17%程度存在する。しかし、専門医によると、この「不妊」という診断は正しくないという。心因性不妊の専門家であるGalina Maslennikova医師は、子宮を持つ女性であれば誰しも自然妊娠する可能性を持っていると説明する。Maslennikova医師は長年そうしたカップルを助けてきた。年間3000人にも及ぶ彼女の患者のうち、8%が自然妊娠する。
また別の医師は、生殖補助医療が母子に深刻なリスクを及ぼす可能性があると言う。
Alexander Novitsky医師は、女性が胚移植のために受ける強力なホルモン刺激などが原因で致死的な転帰に至るリスクの確率は、75%にものぼる可能性があると主張する。ホルモン刺激は胚の細胞にも影響を及ぼす。IVF児に深刻な先天性異常が多いのはこのためである。
Galina Maslennikova医師は「愛のない妊娠によって生まれた子は、精神的障害を負う」と言う。
代理母の負担も大きい。深刻な精神的・身体的ダメージに苦しむ代理母は多い。ドイツ、フランス、イタリア、ポーランドなど多くの国で代理出産ははっきりと禁止されている。

こうしたリスクを考慮せず、市場的な儲けを優先させ、代理出産を合法化すれば、ロシアは、中国やインドのような代理母の産地となるだろう。ロシア人の外見がヨーロッパ系であるという点は、中国やインドより競争上有利でもある。合法化によって、金銭目的で代理母になるロシア人が間違いなく増えるであろう。

Will Russia become another farm for surrogate mothers?
[21.10.2011 Pravda.Ru]

Православные врачи призвали запретить суррогатное материнство
[21 октября 2011, Mail.Ru]
合法化に反対する医師も多かったことがうかがえる。

ロシア 代理母出産に法規制
[The Voice of Russia, 31.01.2012]

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by technology0405 | 2013-08-30 17:10 | Countries | Comments(0)
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