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イスラエル人顧客をとりこむアルメニア

「アルメニア人代理母の多くがイスラエル人と契約している」というアルメニア・パブリックカウンシル会長Vazgen Manukyan 氏(代理出産反対派)の発言にみられるように、アルメニアに代理出産サービスを受けに行くイスラエル人が増加している。イスラエルでも1996年より代理出産は認められているが、今のところ婚姻関係あるいは内縁関係にある男女の夫婦に限られており、このせいでイスラエル人同性カップルがアルメニアに行くと考えられている。

しかし、イスラエル人がアルメニアを選択する理由は法律だけではない。代理出産プログラムが安価であることもその一つである。イスラエルでは5-7万ドルかかる代理出産サービスを、アルメニアでは2—3万ドルで受けることができる。

またイスラエルでの代理出産手続きが面倒であることも、要因になっている。当事者間で結んだ契約は、宗教指導者、医師、ソーシャルワーカーの承認を得なければならない。お役所仕事のせいで承認には時間がかかり、不妊カップルは海外のサービスを使わざるを得ない。

近年、イスラエルの仲介業者Center for Surrogacyには、国内の代理出産法の基準を満たさない人々からの依頼が多く寄せられてきた。このため当センターは現在、IVFと代理出産を専門とするイスラエル人医師らと共に、アルメニアで代理出産を提供している。一連の作業はアルメニアの代理出産法の下で実施されるが、イスラエルの医療・法律に関するガイドラインや基準にも従っている。

アルメニアはイスラエルから飛行機で約3時間と近い。人口のほとんどがクリスチャンで、外見もイスラエル人に近く、物価も安い。またアルメニア人は親イスラエル的で、医療その他の分野で西洋的なものに対しどんどんオープンになってきている。

アルメニアの代理出産法は2002年公布、2003年に施行された。2004年に国内で初めてのIVF代理出産児が誕生している。法律では、外国人、カップル(同性カップルも含む)、シングルも代理出産で親になることができる。Center for Surrogacyが提供するアルメニアでの代理出産は、不妊治療専門医やエンブリオロジスト、代理出産専門の弁護士やソーシャルワーカーがすべてイスラエル人で、待ち時間もないという。

しかし、「アルメニア人女性の子宮が、外国人の子供を生むために使われることなど、容認できない」と感じるアルメニア人も多く、2012年には、外国人がアルメニア国内で代理出産することを禁じる法改正が提案されている。

National Statistical Service of Armenia のデータによると、再生産年齢(18—44歳)のアルメニア人の約18%が不妊に苦しんでいるという。「これは世界平均の10—15%に比べて非常に高い数字だ。若者の6分の1が子供を持てないことになる。海外移住や戦争がなくても国民の数は50年で半減するだろう。」とHuman Fertility Centerの創立者Eduard Hambardzumyan 医師は言う。

アルメニアで年間何人の代理出産児が生まれているか明確な統計はない。非公式のデータによると、年間100件ほどの契約が交わされている。

Armenian surrogate mothers bear children for the Israelis
by Sergey Lebedev
[Surrogacymed.com 04 March 2013]

surrogacy program in armenia

Birth Rights and Concerns: Issue of surrogate birthing raises debate
By Gayane Abrahamyan
[ArmeniaNow 07.03.12]

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by technology0405 | 2013-08-27 12:04 | Countries

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