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代理出産市場はシフトするか

インド人代理母を雇い子供を持つカップルが年間数千人いることから、インドは世界の「Surrogacy Capital」と呼ばれてきた。しかし、インドの新規制によって、このトップの座が覆るかもしれない。この変化をビジネスチャンスとして捉えた、自称「メディカルツーリズムのポータルサイト」Planet Hospitalが、先月プレスリリースとして出したタイトルは「So long Surrogacy in India, Hello Surrogacy in Mexico and Thailand(さようならインドの代理出産、こんにちはメキシコとタイの代理出産)」だった。

インドの新規制によって、同性カップル、非婚カップル、シングルの代理出産は禁止となった。顧客のかなりの割合を占めていたこうした人々は、今や、選択肢を見直す必要に迫られている。これを「メディカルツーリズム」新市場開拓の好機と捉え、PlanetHospitalは、メキシコやタイで同性愛者の代理出産を提供すると発表した。創始者でありCEOでもあるRudy Rupak氏は、誇らしげにこう述べている。

私はメディカルツーリズムを契機に、インドでの代理出産、ゲイのインド代理出産、パナマでの代理出産、エイズ患者のための代理出産、世界規模の臓器移植、マイクロ保険 (新興国や開発途上国の貧困層向けに提供される少額の保険)、その他ありとあらゆることに関して草分けであり続けてきた。
インド代理出産がダメになった今、今度はメキシコとタイの代理出産の道を開いてゆく。


渡航代理出産に関しては、多くの人々が、裕福な人間のために貧しい女性の体が搾取されていることについて倫理的な良心の呵責を口にしてきた。とはいえ、ヨーロッパ諸国、オーストラリア、カナダなどの人間は自国の法的な障害を理由に、また多くのアメリカ人は金の節約のために、インド代理出産を利用している。インドの魅力は、依頼親にとって「法的な煩わしさ」が最小限に抑えられている点だ。同時に、代理母が虐待を受けたり死亡したりといった、多くの問題も抱えている。

しかし、Rupak氏がインド代理出産の「破綻」と呼ぶのは、搾取の問題ではない。ゲイ、シングル、非婚カップルの代理出産を禁止する新規制のことである。この規制は差別的ではあるが、代理母の不利益を最小限に抑えることを目的としている。

メキシコとタイが新たな代理出産のフロンティアとなる場合、どうなるのか。代理母や生まれてくる子供、その子供を育てる親に対する適切な保護策はあるのだろうか。それとも、何でもありの新たなワイルド・ウェストになるのだろうか。

PlanetHospitalの告知は、こうした懸念に一切触れていない。Rupak氏の書いた内容は、世界中から顧客を惹きつけるためのプランに終始する。「我々の顧客は、オーストラリア人やアジア人ならタイに、アメリカ人やカナダ人ならメキシコに行くことになるだろう。」

メキシコがインドに勝るもう一つの理由としてRupak氏は「子供の性別が事前に分かる(ので、もう子供部屋を黄色に塗らなくてもよい)」ことを挙げ、さらに「メキシコの卵子ドナーは白人が多く、外見も西洋人好み」と続く。

自身を「中立の」「案内役」といいながら、PlanetHospitalは、追加料金さえ払えばあらゆる要望に応えてくれる。男の子がご希望ですか?それなら「6千ドルのPGDでほぼ間違いなく男の子かどうか分かります」。卵子ドナーに特別な女性を?ならば「卵子ドナーは通常5千ドルですが、特別な希望がある場合は料金が上がります」。

PlanetHospitalのマーケティング文法は、性選択や形質選択の議論を全く気にしていない。しかもRupak氏は、自分の軽率な発言が引き起こした負のフィードバックに心底困惑しているようだ。しかし結局のところ、人権保護のための法律をいかに避けて通るか、ということにそのビジネスモデルを置く会社の創始者にあっては、驚くことではないのかもしれない。

PlanetHospitalは代理出産を靴の買い物に例えるが、商業的代理出産はそんな単純で無害な商取引ではない。渡航代理出産を望む人々に案内役的なサービスを提供するということは、地球規模市場で女性の体を交換可能な商品として扱うことに伴う懸念や問題、リスクを外に丸投げしているのと同じである。

多くの国で商業的代理出産が禁止されているのは、女性を搾取し身体を商品化する可能性があるからだ。仲介業者は、依頼親の要望と都合を最優先しながら、困難な状況にある弱い立場の女性を代理母に誘うことが多い。合法にする場合、くれぐれも、倫理的、社会的、潜在的問題を見過ごすことのないようにすべきである。

So long Surrogacy in India, Hello Surrogacy in Mexico and Thailand
[PLANET HOSPITAL, February 4, 2013]

Shifts in the Global Body Market: Access or Exploitation?
Jessica Cussins
[Biopolitical Times, April 1st, 2013]

Concern as Australians turn to Thailand for surrogates
By Kerri Ritchie
[ABC NEWS, Apr 13, 2013]

Surrogacy Abroad Inc. Launches its Service in Thailand
[PRWEB, April 07, 2013]
インド代理出産を仲介してきたSurrogacy Abroad Inc.が、タイに参入

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by technology0405 | 2013-04-10 11:53 | Countries | Comments(0)
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