人気ブログランキング |

シンガポールの新法案

ARTで生まれた子供の地位とその親を明確にするための新法案「The Status of Children (Assisted Reproduction Technology) Bill」が、シンガポールで提出された。議会への提出前に政府は法案を公開し、2012年11月20日-12月20日の1ヶ月間パブリックコメントを受け付けた。

この法案は、ARTで生まれた子供の両親を1組だけ――法律上の父母――にすることを前提として起草されている。子供を生んだ女性が、法律上の母親となる。カップルが婚姻関係にあり、夫の精子を使用すれば、夫が法律上の父親とみなされる。精子提供なら、夫が治療に同意していた場合、あるいは夫が子供を「夫婦の子」として受け入れる場合に、夫が正式な父親となる。

女性が未婚の場合、彼女のパートナー(法案では「出産した女性と同居し、配偶者と同程度の関係を持つ男性」と定義)の精子が使われている場合、あるいは彼が子供を認知すれば、正式な親権を裁判所に申請することができる。

イギリスでは、未婚者がパートナーの精子を使えば、そのパートナーは自動的に法律上の父親になる。精子提供の場合は、認可クリニックで治療すること、パートナーが正式な父親になることに双方が同意することが条件になる。パートナーがレズビアンであっても、認可クリニックで治療を受けていれば――シビル・パートナーシップを結んでいれば自動的に、そうでない場合は双方の同意によって――正式な親と認められる。

シンガポール法相は、親子関係法の改正は必要だと考えている。「ARTで生まれる子供が国内で増加していることを考えると、法律の制定は時宜にかなっている。国民が豊かになったこと、社会が高齢化したこと、不妊を治す医療技術が進歩したことが、ARTの普及を促進している。」

「また、卵子や精子、胚の取り違えによって生まれた子供の法的地位に関する問題についても、法律で明記する必要がある。」2010年には、Thomson Medical Centreの過失により、夫のものではない精子から子供が生まれた事件が起きている。
「こうしたケースでは、2組のカップル――ART治療を受けていたカップルと、自分たちの精子/卵子/胚が知らない内に治療に使われていたカップル――が子供の親権を主張する可能性を孕んでいる。あるいは両方のカップルが子供の引取りを拒否し、子供が事実上親のいない状態に置かれる可能性もある。」と法相は声明で述べている。

法案では、配偶子や胚の取り違えが起きた場合、出産した女性とその夫が子供の親とされる。また取り違えから2年以内であれば、「当事者」が正式な親権を裁判所に申し出ることもできる。「どんな状況であれ、決して子供が親のない状態に置かれないようにする」ことが法務省の意図である。Singapore general hospital(SGH)産婦人科のシニアコンサルタントYu Su Ling医師も、取り違えに関するこうした法案の采配は評価できると語った。

Singapore proposes new laws on parentage of children born through ART
By Maria Sheppard
[BioNews, 26 November 2012]

『STATUS OF CHILDREN (ASSISTED REPRODUCTION TECHNOLOGY) ACT 2012』

Public Consultation on the Proposed Status of Children (Assisted Reproduction Technology) Bill
Ministry of Law Singapore パブリックコメントの受付サイト(既に終了)

Singapore - Proposed law to address parentage of IVF babies
[The International Institute of Medicine and Science,  November 23, 2012]

Singapore mulls new laws to clarify legal status of ART children - 19Nov2012
ニュース YouTube動画

Copyright(C) 2011 SGRH. All Rights Reserved.
by technology0405 | 2013-04-01 16:23 | Countries | Comments(0)
各国のARTに関する資料や記事を集めています (※ このブログに書かれている情報の信ぴょう性は各自でご判断ください)