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商業的代理出産における搾取(論文)

「Examining the Exploitation Argument of Commercial Surrogacy with Evidence from India」
By Sheela Saravanan

2009-10年、インド西部にある代理母ハウス付きのクリニックで、代理母13人、依頼親4人、クリニックの医師2人に対し、半構造化面接を実施。

代理出産における活動のほとんどは、依頼親の関心や希望に合わせられていることが分かった。医療提供者は、代理母にルールを守らせ、依頼親と代理母の間に安全距離を保つために重要な役割を果たす。代理母の活動の大部分は管理され、代理母に選択肢はほとんど提供されない。代理母がこうした扱いに甘んじるのは、貧困のためだけでなく、医師や依頼親に比べて社会経済的に不利な地位にあるからである。構造的不平等が代理母の無力さ、従順さにつながっている。また、代理出産のプロセスは医師の手に委ねるしかないという事実も、代理母が搾取的な扱いを受け入れる一要因である。依頼親もまた、過剰請求や誤解を与える情報、安請け合いなどにより搾取を受けている。構造的不平等と代理母の貧困を利用した商業的代理出産への不当勧誘は、有害搾取にあたる。

代理母自身がインドの代理出産システムを変えたいと提案しているという事実は、非常に重要である。単なる報酬の値上げだけではなく、意思決定の拡大と医学的介入の減少を代理母は求めている。

出産後に子供を世話した代理母は特に、子供の引渡しにおいて精神的動揺を経験するのは明らかであるが、これは心理分析によって立証する必要があろう。また、妊娠期を代理母ハウスで過ごした者と自宅で過ごした者との心理学的状況の比較も、福祉の議論のために必要である。クリニックの仮説によると、代理出産した女性は以前に比べて自信がつき、家庭でのジェンダーロールがプラスに変化するという。代理出産の前と後で家庭でのジェンダーロールや関係性が変化するかどうか、さらなる調査が待たれる。現在分かっている実証的事実に基づきART法案を見直すことも重要である。

現在、医療提供者が代理出産エージェントの役割を担っている場合が多く、結果的に意思決定やルール規定において支配的な立場にある。クリニックが営利機関であり代理母と依頼親を搾取している以上、エージェントとしての役割をクリニックから引き離し、その権限を小さくする必要がある。こうした有害搾取の存在が公知となるにつれ、外国人依頼親の社会的責任という問題も考えなくてはならない。

Philosophy, Ethics, and Humanities in Medicine

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by technology0405 | 2012-12-11 16:57 | Countries | Comments(0)
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