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代理出産のゲイカップルに親権(D&L case)

イギリスのゲイカップルに対し、インド代理出産で得た双子の法的な親権を与える裁定が下された。代理母の書面上での同意がないのに高等法院が親権を認めるのは初めてのケースである。この代理母は、子供の引渡しに反対はしていなかったが、ゲイカップルが法的な親と認められるために必要な同意書にサインする前に行方がわからなくなってしまっていた。

シビルパートナーであるこのカップルは2010年、ハイデラバードのクリニックに総額£17,000を支払い、代理出産契約を依頼した。匿名の提供卵子とカップルの片方の精子を受精させ、アンドラプラデシ州に住む代理母に移植。契約では、代理母との面会は禁止されていた。

カップルは2011年に双子の男の子が生まれて2日後に彼らを受け取り、3週間後にパスポートを受け取り、子供たちをイギリスに連れて帰った。しかし、弁護士の再三の求めにも関わらず、親権獲得に必要な代理母の同意書が、クリニックから送られてこなかった。カップルがクリニックに書類を求め、送られない場合は当局に正式に告訴する意思があることを伝えたところ、おそらく院長からだろうが、裁判所によると「侮辱的な表現の」紙切れ一枚がDHL国際宅配便で返ってきたきりだという。カップルは自力で代理母を探そうと試みたが、聞いていた代理母の住所は虚偽のもので、代理母を見つけることはできなかった。以来カップルは親権を持たないまま双子を育てていた。

イギリスの法律では、代理出産契約を交わした依頼親は必ず、法律上の親になるための申請を裁判所に提出しなければならない。親権が認められるために必要な書類の1つに、子供の誕生から6週以降の代理母のサインがある(養子縁組の場合と同様、子の生後6週間以内になされた同意は無効である)。その同意は「完全な、自由意思による、無条件の」同意でなくてはならず、代理母が結婚している場合はその夫の同意も必要である。しかしこれには例外があり、代理母が「見つからない」場合、同意書は求められない。この例外条項は以前から存在していたが、実際に行使されたのはこのケースが初めてである。裁判所は、出産6週以降のサインはないものの、代理母がそれ以前に子供の引渡しに同意していたことを考慮した。

ベイカー裁判官は、カップルが代理母の同意書を得るためにあらゆる措置を講じたことを認め、子供の福祉が裁判所にとって最優先の検討課題であり、代理母の同意書と報酬の妥当性の問題を免除し、カップルに親権を与えるのが子供の利益に叶うと結論づけた。
「カップルがこうした問題に陥ったのは、彼らのせいではないと受け止めている。クリニックとそのスタッフが責任ある行動を取るだろうと彼らが考えたのも、納得できる。カップルと双子は、随分と失望させられただろう。」しかし、このケースは海外代理出産に伴うリスクへの警告でもあると続けた。「今後、申請者やアドバイザーたちはこのケースから学び、同意をスムーズに得るため、出産前から代理母と確実に連絡をとるための備えをすべきである。」

判決 D and L (Surrogacy) [2012] EWHC 2631 (Fam)
[Family Law Week, 28 September 2012]

Gay couple win right to be parents of twin boys in legal first after Indian surrogate mother vanished before giving consent
[Mail Online, 02 October 2012]

Judge warns of pitfalls of surrogacy after mother 'disappears' before giving consent
[Telegraph, 02 Oct 2012]

International surrogacy – judge awards parenthood to gay dads after Indian surrogate ‘disappears’
[Natalie Gamble Associates, October 3rd, 2012]

UK High Court awards parenthood to male couple after Indian surrogate disappears
By Ruth Retassie
[BioNews, 08 October 2012]

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by technology0405 | 2012-10-22 16:04 | Countries | Comments(0)
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