早急に必要な代理母の保護

30歳の貧しい代理母Premila Vaghelaが先月亡くなった。報道では、アフメダバードの病院で定期検診を待っているときだったという。メディアはこのニュースをほとんど報じなかった。とにかく彼女は契約した仕事をやり遂げ、アメリカ人依頼親に引き渡す予定だった妊娠8ヶ月の胎児は無事だった。

実際には、Premilaのような貧しい代理母が他にも大勢いる。妊娠で体を悪くしたり命を落としたりする可能性があるが、すぐに忘れ去られる存在である。秘密めいた無規制の赤ちゃん工場(その多くは合法のIVFクリニックの体裁をとっている)は今やインド中で急激に増加している。その工場の関心は最終産物、つまり子供だけである。

控えめに見積もってもインドでは年間25,000人以上の子供が代理出産で生まれており、20億ドル産業となっている。こうしたクリニックは大都市だけでなく小都市にも広がる。国内需要も増えているが、代理出産児の少なくとも50%以上が外国人――主に西欧人――との「契約」によって生まれてくる。

依頼親はちがえど、子宮を貸すのは常に、下層の貧しいインド人女性である。世界のどこよりも不妊治療費や代理母報酬が少なくて済むインドには、自分の遺伝子を受け継ぐ子供を持ちたいと願う人々が押し寄せる。

規制はない。インドの医療監視機関が2年以上前に規制法案を出したが、未だ審議中であり、代理母も子供も危険に晒されたままになっている。経営状態は良いであろうと思われるクリニックですら、その実情は不透明である。

Premila の事例に当てはまるとは断言できないが、悲しいことに多くの場合、代理母の生命は二の次にされ、子供が最優先される。病院が支払いを受けているのは、その子の誕生に対してなのだ。
また、彼女のような悲劇が起きても、代理出産の仕事は「成功」したわけであるから、病院は直ちに家族に報酬を支払う。従って家族が訴え出る可能性は低い。通常のお産で毎年数千人の女性が亡くなる国で、一人の代理母の死に誰が苦情を申し立てるだろう。

博士号取得のため代理出産の研究をしているAnindita Majumdarは、個人的に、こうした代理出産への「恐怖」があまりにも簡単に金の力で片付けられていることに心を痛めている。違法すれすれの行為は多い。たとえ規制法案が成立をみても、その法案は、代理母の権利よりも医療団体に有利に働くのではないかと彼女は案じている。
4個以上の胚移植や侵襲的「減数手術」、また誕生日を依頼親の都合に合わせるための帝王切開もよくみられる。

女性たちは、そうしたリスクを喜んで引き受けていた。子宮(おそらく彼女たちの持つ唯一の資源)を貸すことで、家族を養うための金が十分に稼げると感じているのだ。そして確かに多くの代理母は、家族で暮らすための小さな家を買ったり、子供の学費に充てたりする。代理母の一人は私に、娘にはちゃんとした教育を受けさせ、あなたのように英語を話せるようにしたい、と語った。彼女はまだ21歳で、依頼親のために双子を妊娠していたが、その時すでに、あと3回代理出産することを決めていた。

別の研究者によると、ホルモン注射を20サイクル以上やった女性もいるという。子供は(依頼親の滞在に誕生を合わせるため)帝王切開で生まれることが多いので、代理母の健康は手術ごとにダメージを受けている可能性が高い。

代理出産に携わる医師たちは、通常の生殖周期を分断された女性たちがその後どうなるのかという心配をほとんど抱かない。Premilaの事例のように、医師たちは最終産物である子供にしか興味がないように思える。

もしインドが規制法案をすぐに通過させないのなら、国際社会が圧力をかけるべきである。代理出産は今や地球規模の産業であるから、国際法および、生殖に関する国際的な規制団体が必要である。そうしなければ、現在の不正行為のほとんどが潜行することになる。この産業を覆う秘密主義の霧は、今よりもっと濃くなってしまうだろう。

India's surrogate mothers are risking their lives. They urgently need protection
[the guardian 5 June 2012]

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by technology0405 | 2012-08-08 12:08 | Countries | Comments(0)
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