人気ブログランキング |

インド商業的代理出産「合法」について

インド初の代理出産児は1994年6月23日に誕生したが、現在のようなインド型商業的代理出産の確立は、実質、ICMRがガイドラインを出した2002年にスタートしたといえる。「インドでは2002年に商業的代理出産が認められた」という記述をよくみかけるのはこのためである。

2002年のガイドライン3章5条4項の記述は以下のようである。
「All the expenses of the surrogate mother during the period of pregnancy and post-natal care relating to pregnancy should be borne by the couple seeking surrogacy. The surrogate mother would also be entitled to a monetary compensation from the couple for agreeing to act as a surrogate; the exact value of this compensation should be decided by discussion between the couple and the proposed surrogate mother.」
代理母の妊娠中と産後のケアにかかる費用は、すべて代理母を依頼したカップルが負担しなければならない。また、代理母は、代理出産への同意の対価として、カップルから金銭的報酬をもらう権利がある。この報酬の金額はカップルと代理母候補者との話し合いで決めなければならない。

2008年には日本人の両親による離婚で帰国できなくなった山田マンジの判決が最高裁から出され、商業的代理出産はインドで法的にも「認められた」かたちになった。

2008年マンジちゃん事件の判決文には、こうある。
"Commercial surrogacy" is a form of surrogacy in which a gestational carrier is paid to carry a child to maturity in her womb and is usually resorted to by well off infertile couples who can afford the cost involved or people who save and borrow in order to complete their dream of being parents. This medical procedure is legal in several countries including in India where due to excellent medical infrastructure, high international demand and ready availability of poor surrogates it is reaching industry proportions. Commercial surrogacy is sometimes referred to by the emotionally charged and potentially offensive terms "wombs for rent", "outsourced pregnancies" or "baby farms".(「商業的代理出産」は、代理出産の一つの形態である。代理母は自分の子宮内で子供を妊娠出産し、金銭的支払いを受ける。多くの場合、それに伴う費用を払える裕福な不妊カップル、あるいは親になる夢を叶えるため貯金や借金をする人々が依頼者である。この形態は、インドを含めた数か国で合法である。そうした国では、優れた医療インフラ、高い国際的需要、貧しい代理母たちを入手しやすい環境により、一つの産業になりつつなる。商業的代理出産に対しては、時に「子宮のレンタル」「妊娠の外注」等の攻撃的な言葉が使われ、強い非難を受けることもある。)

2008年ドイツ人夫婦の依頼人がインドで代理出産した双子が、パスポートが発行されず帰国できないトラブルが生じ、親のJan Balazがインドに子供の国籍を求めた事件が起きた。2009年にグジャラート高等裁判所で出された判決文にも、商業的代理出産は違法でないという表現が入っている。
「Commercial surrogacy is never considered to be illegal in India and few of the countries like Ukrain, California in the United States.(商業的代理出産は、インドおよびウクライナやアメリカのカリフォルニア州など数少ない地域で、違法ではないと考えられている。)」

マンジちゃん判決では子供にとりあえずの出国許可が下り、この判決でも、子供にはインド国籍が与えられ、両親は子供を養子縁組することができた。2つの判決が「帰国トラブルは、最終的には何とかなり、子供を連れて帰れる」という印象を与えた事実は否定できない。2002年以降の代理出産ツーリズムの加速には、こうした法的前例が大きな後盾になっていることは間違いない。
by technology0405 | 2012-07-31 17:06 | Countries | Comments(0)
各国のARTに関する資料や記事を集めています (※ このブログに書かれている情報の信ぴょう性は各自でご判断ください)