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体外受精のリスクに関する研究

イギリスのRoyal College of Obstetricians and Gynaecologists(RCOG)が6月上旬、「生殖補助医療は、母体と分娩に悪影響を及ぼすリスクがわずかに高い」というプレスリリースを出した。先進国では4%の子供が生殖補助医療で生まれる。
生殖補助医療による多胎妊娠のリスクはよく知られているが、RCOGは「単胎妊娠であっても、高血圧、糖尿病、未熟児、低出生体重児、周産期死亡率が――年齢、経産回数、胎児性別を考慮に入れた上でも――高い。」「さらに、最近の研究では、生殖補助医療と先天的奇形率の関連性も示されている。」と警告している。

IVFのリスクに関するオーストラリアの研究で、IVF治療を受けた女性は、IVFを伴わない不妊治療を受けた同年齢の女性より乳がんにかかる率が56%高いという結果が、20-40歳の21,025人の患者を対象とした調査で分かったという。これらは、生殖補助医療の危険性を明らかにした多くの研究のうち、最新のものを挙げたに過ぎない。

オーストラリアではICSIで生まれた子供のリスクを指摘する研究も出されている。
300,000人の子供を対象とした調査で、通常の妊娠に対してICSIで生まれた子供は障害を持つリスクが高いという報告があった。アデレード大学のRobson Instituteによると、通常の妊娠で生まれた子供の出生異常率は5.8%、IVFでは7.2%、ICSIで9.9%だった。イギリスでは不妊治療の約半数でICSIが実施されている。

薬による過剰排卵の問題もある。2011年10月23日のSunday Timesには、一回の採卵で最大限の結果を得ようとするクリニックの姿勢が女性を搾取している恐れがあると書かれている。最新のデータでは、一人の女性から85個、別の女性から80個、他の3人の女性から一人70-72個の卵子が採られていたという。2008年クリニック5施設に実施した調査では、一回の採卵で一人から50以上の卵子を採取していた。

健康面のリスクだけではない。St. George’s Hospital Medical Schoolの産婦人科Sir Sabaratnam Arulkumaranは「不妊の問題が、カップルの生活の質(クオリティ・オブ・ライフ、QOL)に大きな影響を持ちうる」と語った。

イギリスの団体Society for the Protection of Unborn Children (SPUC)の広報取締役Anthony Ozimic氏は、ルイーズ・ブラウンの母親レスリー・ブラウンの訃報を受け、次のようにコメントした。「これまで見過ごされてきたのは、IVFの過程で何百万もの胚が殺されてきたことである。質的管理といいながら本質的にそれは人間への虐待にあたる。」「もしIVFに費やされた何百万ポンドというお金が、効果的な倫理的代替案に投資されてきたなら、もっと大勢の子供が生まれていただろうに。」

カトリック教会の公教要理2375番には「不妊を減らすための研究は奨励されるべきである」とある。しかし2378番はこう付け加える。「子供とはつくられるものではなく、神からの贈り物である」。「子供が一個の財産とみなされてはならない」と公教要理は警告する。生殖補助医療には代償も付きまとうことを忘れてはならない。


RCOG Press release
[Royal College of Obstetricians and Gynaecologists 07/06/2012]

The Hidden Costs of Reproductive Technology
[ZENIT 2012-07-06]

Society for the Protection of Unborn Children (SPUC)

Five millionth IVF baby born
[Iona Institute 3rd July 2012]

In vitro fertilization and breast cancer: is there cause for concern? 
[Fertility and Sterility published online 28 May 2012]
by technology0405 | 2012-07-12 16:57 | Countries | Comments(0)
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