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中国の卵子提供ビジネス

多くの卵子仲介業者が支配する闇市場が、北京で活況を呈している。卵子提供ビジネスは、最初の適性検査、続く健康診断、採卵、代理母探しなどいくつかの行程が絡み合って一連を成す。エージェンシーは大学生を勧誘の対象にし、名門の北京大学あるいは清華大学の学生であれば30000元(US$4,760)もの費用を払う。これは北京の平均年収50,415元の半分以上にあたる。

学修資格証明書の他に、血液型、身長、体重、出生地、瞼が一重か二重かということまで選抜の要素に入る。RenRen(中国版Facebook)の「北京の大学生のためのアルバイト・実務研修」グループに寄せられた卵子ドナー募集の投稿には「応募要件は身長163センチ以上、二重瞼・・報酬は3万元。北京大学と清華大学の学生以外はご遠慮ください。(Momo)」とあった。

記者が女子大生になりすまして連絡すると、申し込み用紙が送られてきた。身長、血液型、月経サイクルなどの記入欄がある。複数の角度から撮影した写真4枚、政府発行の身分証明書と学籍番号のコピーも必要だという。
「うちのお客さんは、特に北京大学か清華大学の学生をご希望です。今のところ、あなたの大学には希望がないので、もし本当に提供したいのだったら待たなくてはいけません。 報酬はそんなに高くないですよ。」と用紙の提出後、Momoは記者に電話で伝えてきた。「それにお客さんは二重の女性しか欲しがらない。」
Momoによると、卵子ドナーを募集する類似エージェンシーは数多くあるという。そうしたエージェンシーがドナーと顧客の間を取り持つ。全過程において、与える側と受け取る側は全く接触しない。

北京に拠点を置くSunshine Surrogacy Networkの広告にはこれみよがしの言葉が並べられている。「世界中の不妊に苦しむ家族を救います。同時に、経済的に苦しむ女子学生を救います。」Sunshine Surrogacy Networkの責任者Li Chenによると、この会社は7年前に立ち上げられた。会社が提供するのは、代理母探し、卵子の仲介、入院手続き、実父確定検査の手配、出生証明書の入手の手助けなどを含む完結型のパッケージである。

Li Chenは卵子ドナーを「ボランティア」、報酬を「 nutrition expenses(発展途上国の子供に食費を寄付するとき等に使用される言葉)」 と呼び、卵子ドナーと正式な契約を交わすことはしない。
「一流大学の学生ですから、こうしたビジネスが国内で違法だと知った上でやっているのでしょう?」両者の安全とプライバシーを守るために、書面での同意書は作成しないのだとLi氏は記者に語った。
「nutrition expense」は採卵の手術日当日に支払われる。「一般的に報酬は5000元(US$795)です。一流大学出身者であっても、今は北京の大学生のボランティアが非常に多いですから、この金額で十分だと思います。」

Li Chenは、これから親になろうとする人が卵子ドナーを選ぶための週会を開催しており、記者もそこに呼ばれた。北京の繁華会のカフェで、10代後半の女性数人がテーブルをはさんで40-50代の夫婦らの向かいに座る。終始むっつりした表情の夫婦たちは、各女性を冷静に眺めては時々配偶者に何かささやいている。夫婦が追加情報を欲しいと思えば、資料を持った仲介人が間に入り質問に答える。
一方「ボランティア」の方はほとんどしゃべらず、非常に退屈そうにしている。携帯電話を触っている者もいれば、頬杖をついてぼんやりしている者もいる。記者は女性たちに話しかけ、どこの学校か聞こうとしたが、彼女らは警戒して話そうとしなかった。
Li Chenは記者の写真を撮った。「あなたをもっとよく見たいというお客のためです。」
数時間で女性たちも客たちもほとんど出て行った。「あなたの最大の弱点は一重であることですね。」記者は基準に達しなかったとLi Chenは言った。

しかし一週間後、記者は再びSunshine Surrogacy Networkの週会に呼ばれた。前回よりも大きな集まりで、20人以上の「ボランティア」と30人程の客が来ていた。会に参加するために顧客は300元の入場料を支払わなくてはならない。
客の要求も多岐にわたり、明確である。特定の大学を指定する客。二重で色白の女性を探す客。夫婦ともに一重なので、将来子供が自分たちに似るよう一重の女性の卵子を希望する客もいる。子供に血縁関係のことを知られないよう「A型はダメ。BかOで。」と強調する客。中国北西部から来た客は、近親結婚の心配をしないですむよう南部出身の女性を希望した。
2日後Li Chenが電話をかけてきた。「あなたは選ばれましたよ。生理がきたらすぐ知らせてください。真夜中ならメールで。身体検査を手配します。」さらに、検査に通るよう、豆乳を飲み高タンパクな食事を摂ること、夜更かししないよう言い聞かせた。

中国衛生省は商業的な卵子の採卵や提供を禁じている。不妊治療を受けた女性が体外受精のために採卵した後の余剰卵のみ、使用が認められている。つまり、卵子ドナーは、体外受精を行なう女性でなくてはならない。提供が法的に認められるのは、彼女らの余剰卵子だけなのである。

仲介業者の値段表を見ると、客は6万から10万元を業者に支払わなければならない。仲介料8000元、ドナーへの支払い40000-80000元、不妊クリニック代10000元などがここに含まれるとある。
しかし北京大学や清華大学の学生でなければ、通常ブローカーがドナーに払うのは5000元である。残りはブローカーの懐に入る。
「いや、手間の割に金額は多くないですよ。」と8年間卵子提供ビジネスをやってきたWang Chaoは言う。彼によると、違法であるがゆえに、不妊治療に関わる医師や看護婦など内情に通じている者に賄賂を送らなければならないのだという。「このビジネスに加担することで、医者は年間数百万も儲けられると聞いています。」

ブローカーはドナーたちに「卵子提供は安全で害は全くない」と言うが、Peking University Women and Children’s HospitalのDr. Xue Qingは反論する。採卵は卵巣過剰刺激症候群を引き起こす可能性があり、最悪の場合死に至るという。
中国では不妊に悩むカップルの率が年々増加していると報告されているが、そうした患者たちの中で、合法的に卵子提供にアクセスしている者は非常に少ないと考えられる。ドナーが法的に守られない状況下で何らかの事故が起きる可能性も高い。

Illegal egg-donation business covets girls from China’s top two universities: PKU and THU
[Ministry of Tohu November 16, 2011]

Girls trade eggs for quick cash
[Sina.com 2011-11-15]

A Child at Any Cost: Beijing’s Black Market of Student “Egg Donors” Exposed
[eChinacities.com Nov 30, 2011]

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by technology0405 | 2012-06-25 16:16 | Countries | Comments(0)
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