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辰年のベビーブームにのる代理出産産業

Gaoが代理出産で男の子を生んでから2年が経った。インターネットにアップされた依頼者の笑顔の家族写真に彼女は安らぎを見出す。彼女自身には7歳の子供がおり、Gaoは再び、代理出産を望む別の不妊カップルを探している。

Gaoは、中国人代理母の一人である。「子宮貸し」産業は法的にグレーな領域にある。この産業が非難の的になったのは、12月に広州の金持ち夫婦が2人の代理母を使い、100万元を払って8人の子供を同時につくったというニュースが流れた時であった。一人っ子政策を布いているこの国にとって「八つ子スキャンダル」――写真館の宣伝に写真が使用されたことで明るみに出た――は、全国に大きく報道された。

中国は太陰年で最も縁起の良い辰年に入った。代理出産関係者らは、この年に子供を持とうとする親が急増することを見込んで準備している。上海市は、去年より10%増の18万人の子供が2012年に生まれると予測。「龍」は、権力と知性の象徴であり、皇帝のイメージと結び付けられてきた歴史がある。辰年ベビーブームは、中国だけでなく華僑の多い国々でも見られる現象である。

Gao(仮名)も切迫感を抱いている。「3月までには次の客を見つけないと。もう32歳だし、時間がない。」と語る。多くの代理母と同様Gaoも中国辺境の出身者。彼女の場合は最北東の黒竜江省(中国最北東の省で、ロシアと国境を接す)出身である。

2年前の代理出産では、彼女は南京の夫婦から20万元の報酬を受け取った。代理出産の報酬は大体10万元から30万元、これは北京の大学卒の平均月収の約120倍にあたる。中国には代理出産に関する特定の法律はないが、2001年に保健省が受精卵や受精胚の売買と病院による代理出産の実施を禁止して以来、実施は潜行的になった。

しかしそうした規制が破られていることは周知の事実である。正式な集計ではないが、広州を拠点とするSouthern Metropolis Weekly紙の2011年の記事によると、この30年間に代理出産で生まれた子供は25000人になると推定される。インターネット上には100以上のエージェンシーが広告を出している。

保健省の調査によると、国内のカップルの10%が不妊で、その率は増えつつある。つまり、代理出産のための巨大な市場が中国には潜在するということだ。「上海や北京に住む夫婦が、移植を承諾してくれる代理母と病院を見つけようと思ったら、武漢やハルビン(黒竜江省)、フフホト(内モンゴル自治区の区都)など遠方の町まで行かなくてはならない。」と上海で仲介業を営むMrs Zhouは言う。カップルと代理母のペアリングは、インターネット・ベースの仲介業者の手配によるものが多い。月に1-2人の代理母を紹介し、紹介料として一回2000元をとるのだという。

妊娠中の代理母は契約により「代理母寮」に住むことが義務付けられる場合が多い。寮では、部屋を共有し、家政婦に世話されながら、厳しい規則に従って生活する。Zhouの営むエージェンシーでは、夜9時半までに就寝すること、友人や親戚に寮の場所を教えないことなどの決まりを設けている。違反した代理母は500元の罰金を科せられ、契約を打ち切られる可能性もある。

多くの不妊カップルは、子供を得るための金を惜しまない。「この先ずっと子供を持てないかも知れないという不安から受ける心理的苦痛は大きい。」と代理出産で子供を得た42歳のMr Li(仮名)は言う。「代理母が妊娠した時も何か起こりはしないかと心配し、子供を腕に抱いてさえも、誰かが真実を知るのではないかと気になって・・。」
Li氏は成都でレストランのチェーン店を経営している裕福なビジネスマンである。すでに7歳の娘がいるが、辰年生まれの男の子を欲しいと考えている。

保健省が生殖技術を中国の「家族計画政策」に従って使用するよう規定しているにも関わらず、代理出産が裕福な夫婦にとって一人っ子政策を逃れるための手立ての一つになっている面がある。「代理出産によって一人っ子政策を回避しようとする親もいるが、代理出産は法律や規則などで規制すべきだ。」とRenmin大学のSchool of Sociology & Population Studiesの学部長Zhai Zhenwuは言う。
「富裕層が望むだけ子供を持てるというのは、貧しい人々に対する不正である。金で開かぬ扉もあるということを教えなければいけない時代にあって、これは、金で何でも買える社会に対する警告だ。」

しかしGaoのような女性にとって、代理母になるという決断に倫理的要素はない。たとえ感情的な犠牲を伴うとしても、今一番必要な現金を家族にもたらす手段である。最初の代理出産では夫が家で彼女の世話をしたが、次は家を離れるつもりでいる。「また死産だったと言えば、親戚や近所の人が怪しむでしょうから。」

China's surrogate mothers see business boom in year of the dragon
[The Guardian 8 February 2012]

Chinese wombs for hire
by Aw Cheng Wei
[The Jakarta Post, May 13 2012]

中国で人気の辰年出産、香港のママたちには悪夢に
[AFP BB News 2012年01月24日]

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by technology0405 | 2012-06-14 16:57 | Countries | Comments(0)
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