インドネシアでIVF推進の動き

インドネシアで不妊治療がようやく身近なものになりつつある。数十年前は、体外受精という言葉すらインドネシアでは耳なじみのない言葉だった。1978年に世界初の試験管ベビーが誕生し、9年後の1987年にはインドネシアにもIVFの技術が導入されたが、国内でこの治療を受けるカップルの数は、他のアジア諸国に比べて現在でも少ない状況にある。

Indonesia Association for In-Vitro Fertilization (Perfitri)のデータによると、2010年に国内で実施されたIVF数は2000件である。ベトナムの6000件やタイの4000件に比べるとかなり少ない。インドネシアの不妊カップルは、シンガポールでの治療を希望するケースが大半だった。
頼れる医療支援システムも人的資源もない上、治療費が高く、情報は少ないことから、インドネシアのIVFは低開発であった。一方で国内の出生率は10-15%と憂慮すべき数字にまで下がっていた。

しかし、事態はここへきて改善の兆しを見せており、不妊カップルはもう海外に出なくてもよくなるかもしれない。2009年にインドネシアの産婦人科医たちが、不妊カップルを支援するための団体Perfitriを設立した。この協会は、インドネシアの8つの主要都市にある不妊クリニック20施設と、南スマトラ州パレンバンと南スラウェシ州マカッサルにもうすぐオープンする2施設で構成されている。
「協会のクリニックは、不妊専門医とトップクラスの設備を抱えているからね。治療のことから費用のことまで様々な相談にのるよ。」と議長のSoegiharto氏は言う。現在、医師、エンブリオロジスト、看護婦を含めた医療専門家120人が、協会のメンバーになっている。Perfitriは MauPunyaAnak.comというウェブサイトも運営しており、IVFに関するあらゆる情報を提供している。
2012年3月に初の学会を開催したPerfitriの支援により、2011年には、国内のIVF数が前年の50%増の3000になる見通しである。
Perfirtri の事務局長Budi Wiweko氏は、地方クリニックでのIVF治療が進んだこと、病院が不妊治療をカップルに勧めるようになったことで、国内のIVF患者数は上昇を続けると予測している。

インドネシアの社会的、文化的規範は、結婚したカップルが子供を生むことを当然の義務とみなす。世界で4番目に人口の多い国でありながら、こうした理由で、インドネシア国民は産児制限になじまなかった。カップルたちが、子供を持つためならば技術利用を含めて何でもやるのは、こうした社会通念と政府の曖昧な人口政策とが原因となっている。

結婚して1年半後に医師から不妊の診断を受けたShanty S. Marthondy も、その1人である。40歳のShantyは、卵管に問題があり、妊娠できないことが分かった。どうしても子供が欲しかったShantyは、夫に頼み、シンガポールでIVF治療を受けた。しかし、着床後2週間で流産してしまう。

彼女はインドネシアで不妊センターを探すことに決めた。治療中の家族の協力が不可欠だと気付いたからだ。「国内の方がいいです、安心できますから。」と彼女はインタビューに答えている。シンガポールとインドネシアでそれぞれ一回ずつ失敗を経験したのち、2009年、ジャカルタにあるCipto Mangunkusumo General HospitalのYasmin fertility clinicで、彼女は子供を出産した。2年後には同クリニックで2人目を生んでいる。
「最初は、シンガポールの治療費とそれほど違いはありませんでした。けれど、宿泊費や食費のことを考えると国内の方が安くつきましたね。」とShantyは言う。インドネシアのIVF治療費は約US$4,400、シンガポールでは約US$5,034である。

2012年2月にはPerfitriとドイツの医薬品・化学品メーカーであるMerck(メルク)が協力してIVFをインドネシア社会に広めていくという発表があった。決して安いとはいえないインドネシアのIVF治療だが、今後、急速に浸透していきそうな気配を見せている。

From tube to cradle
[The Jakarta Post, 04/10/2012]

PERFITRI

PERFITRI and Merck socializing IVF to Indonesian Society
[MERCK press release 14th February 2012]

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by technology0405 | 2012-04-20 17:04 | Countries | Comments(0)
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