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代理母ハウスの代理母たち

小学校を4年生で中退したReshma Sheikh(21)は、たどたどしい英語で「I have twin babies.(双子を妊娠しています)」と言った。Sheikhは現在妊娠12週で、普通の母親たちと全く変わらない。子供の誕生の無事を毎日熱心に祈り、体に良いものを食べ、ビタミンと葉酸の薬を決まった時間に飲み、定期的に診察と超音波検査を受ける。

Sheikhがこのように規則正しい生活を送るのは、赤ん坊のためというだけではなく、自分の仕事を全うするためである。双子を生めば10万ルピー加算されるので、イスラエル人夫婦に子宮を貸すこの仕事で25万ルピー以上の金額を手にするわけである。帝王切開で生めば、さらに5万ルピーが追加される。

「男の外国人が私の写真を撮り、次は奥さんを連れて来たわ。その夫婦を助けてあげたかったし、娘のためにお金も欲しかったから、代理出産にOKしたの。私は10歳の時に父を亡くして学校をやめたけど、娘には、コンピューターを覚えて一人前になって欲しい。」とSheikhは、その日会いに来ていた2歳の娘Nafisaを抱きしめながら言った。

娘の初めてのコンピューターは、母のSheikhが、インドで最初に建てられた代理母ハウスで1年近く過ごして得られたお金で買う。彼女の家はTaimur Nagarにあり、夫はそこで中古品販売店を営んでいる。家族と離れることはそれほど気にしていないと彼女は言う。家よりも良い食事とケアを受けられるからである。「家族と離れて寂しいけど、毎週来てくれるし、Nafisaが泊まっていくこともある。だけどやっぱり、お金よりも、家に帰るのを楽しみにしているのよ。」

インドの代理出産は一大産業に発展した。最初は小さい個人経営のクリニックが買い手市場でやっていた。それが今では、Max Super-Speciality 、Sir Ganga Ram Hospital 、Fortis Group of Hospitalといった企業系の専門病院が、結果に応じて代理母に固定価格を払い、出産までのケアをすべて提供している。報酬と医療費の他に、代理母は住むところも提供される。

Sheikhは、西デリーのJanakpuriにある代理母ハウスで、5人の代理母と一緒に住んでいる。この代理母ハウスはWyzak Surrogacy Consultants(WSC)というエージェンシーが経営している。代理母の住まい、法律関係の相談、IVF治療、出産に至るまで、代理母に関することはすべて扱う。

「代理母をこうして一か所に住まわせると、健康状態、栄養、衛生状態をより細かくチェックできる。」とWyzak Surrogacy Consultants経営者のVivek Kohliは言う。2年前にメディカルツーリズムから代理出産の分野に参入した。「デリーに初めての代理母ハウスを建てたのが一年半前で、すでに10組のカップルが子供を得ている。我々は80人以上の代理母のリストを持っており、平均して月に50件の問い合わせがある。9割は外国人だ。」

「出産費用とは別に、代理母の食費、医療費、家賃に15万ルピーかかる。通常10ヶ月から11か月間ここで暮らすからね。」とSheikhがいる代理母ハウスの責任者Jagatjeet Singhは言う。「文化的嗜好や食事に応じて、代理母をグループ分けしている。例えばベジタリアンは、肉食の人と一緒に食事したがらない。家族はいつでも会いに来られるし、代理母が家に帰ることも許されている。妊娠初期は大事な時期なので、できるだけ家に帰らないようにとは言うけれど。」Wyzak Surrogacy Servicesは、このJanakpuriの代理母ハウスの他に、Loniに1つ、Ganga Ram Hospitalのそばに1つ、家族と過ごしたい代理母のために個室の代理母ハウスもHari Nagarに持っている。

Sheikhと同様、彼女と同室の代理母らは全員結婚しており、子供がいる。子供がいることは「生殖能力」の証明であり、代理母になるための大事な必要条件である。Palam Colonyに住むSushma Ravi(24)は、6歳のVarunと2歳のSeemaという2人の子供がいるが、同居する家族たちの賛成を得てここに来た。「私は多世帯で同居しており、家族でこのことを話し合いました。困っている人を助けるdaan(善行)だと、皆が賛成してくれました。子供の教育費にも当てられますし。」とSushmaは言う。彼女の夫で電気工をしているInder Raviは「息子はEnglish Schoolに通っており、月謝は2500ルピーです。来年には妹も通わせる予定です。子供のために代理出産をやろうと決めました。父以外の家族は皆知っています。父はこうした科学の進歩を理解しません。」と語った。

Parveen(30)は、代理出産のお金で夫Sureshのタクシーを買うつもりだ。「夫は運転手で、雇われて働いています。自分のタクシーを持てたら会社を設立できるので、10歳と7歳の息子にもっといい暮らしをさせてあげられます。」

家族と離れて寂しくないのだろうか。「もちろん寂しいです。家族全員そう思っています。でも、ここでの暮らしもそんなに悪くありません。一日中座っておしゃべりしたり、テレビを見たり。もっと悪い生活だって考えられるでしょう。」とParveshは答える。では、今お腹にいる子供を手放すことは?「全然寂しくない。この子のことは気にならない。」とSushmaは肩をすくめた。

Stay home, moms
[Hindustan Times March 03, 2012]

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by technology0405 | 2012-03-16 10:23 | Countries | Comments(0)
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