代理母保護への動き(マハーラーシュトラ州)

2011年12月インド人民党(Indian People's Party、略称BJP)のリーダーDevendra Phadnavis氏が、マハーラーシュトラ州(ムンバイが州都)での代理出産の規制に向けて議員立法法案を示した。内容は現在国会で審議中のAssisted Reproductive Technologies Bill 2010とほぼ同じ。「国レベルで代理出産を規制するための法案は必要だが、まだ(Bill 2010は)通過していないのだから、マハーシュトラ州が先行的に進めればよい。代理出産はグジャラート州で行われていると思っている人が多いが、実際にはマハーシュトラ州ではもっと行われている。女性をだます仲介業者や代理母を募集するウェブサイトまで存在する。こうした現状を規制するための法律が早急に必要だ。」とPhadnavis氏は言う。

Spark(政策支持団体。Phadnavis氏の法案作成に関わる。)のディレクターPriya Khanも次のように言う。「これまで、代理出産というのはグジャラート州での出来事だとみんな思ってきた。でも、Aamir Khanや他の外国人の代理出産のニュースが、パンドラの箱を開けたように思う。ムンバイには何百ものIVFセンターがあって、そこで行われていることを誰も知らない。虐待があったって、代理母は名乗り出て通報したりしない。結局、儲けるのは医者と仲介人で、代理母は搾取されるんだ。」

国連機関United Nations Population Fundの現地コーディネーターでジェンダー関連のプログラムを統括するDr. DK Mangel氏は「政府は代理母が搾取されないような厳しい政策を立てる必要がある。遺伝上の親が子供の引き取りを拒否するケースまであった。こうした状況に対処する現行法がない。困ったことに、医者と親の間における透明性も欠如している。」と語る。現在議論中の法案を評価し、「この問題は、関係者全員でさらに広く議論されるべきだ。」と付け加えた。
法案はまだ法的拘束力を持たない。しかし「この法案が、代理出産の問題に対する議員たちの意識を高めるだろう。」とPriya氏は言う。

代理母の扱いに関する責任は現在、医者とクリニックに委ねられている。「ほとんどのクリニックは様々な方法で代理母を保護している。健康面、栄養面、物質面でのケアに加え、家族の面倒までみているところもある。」と、デリーのSir Ganga Ram Hospitalで準コンサルタントを務めるDr. Ruma Satwikは語る。しかし「法的に依頼親を保護するための書類なら、我々のもとに全てそろっているが、代理母は法的には守られていない。法案の条項でもおそらく十分とは言えないだろう。」と続ける。

ジャイプールの産婦人科医Dr. Sadhna Aryaは、2008年のマンジ事件に関わったチームの一人だった。当時Dr. Aryaは代理母への扱いについて「代理母は工場として利用され、物のように扱われている。」と非難した。
「代理母は貧しい階級の出身だから、自分たちの権利についてほとんど知らない。ART法は、法律と倫理とのバランスを取ろうとしているけれど、非倫理的なやり方はまだ残っている。」と現在のDr. Aryaは言う。

ボリウッド映画スターのAamir Khanが2011年に代理出産で子供を得たことで、インドでは改めて代理出産が大きな話題となった。法案が審議中ということもあり、インドのニュースで代理出産について語られることが徐々に増えている。記事を読むと、インド国民にとって代理出産はまだまだ「グジャラート州での出来事」「金持ちの外国人の話題」というイメージが強かったのだろうという印象を受ける。ART法案の審議は、「国による法的保護」を代理母に与えるべきという考えを浸透させるのに貢献しているようだ。

Bill to regulate surrogacy in Maharashtra
[DNA Dec 18, 2011]

Surrogate mothers need to be protected
[DNA December 18, 2011]

Protecting the Rights of Surrogate Mothers in India
[The New York Times October 4, 2011]

International Conference on Feminism and the Law 2012
2012年2月にインドのプネーで開催された。Surrogacyのカテゴリーがある。

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by technology0405 | 2012-02-14 16:55 | Countries | Comments(0)
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