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発展途上国での不妊治療に関するESHREの提言2009

世間一般の通念とは逆に、原発性不妊、続発性不妊は、質的にも量的にも発展途上国の大きな健康問題である。サハラ以南のアフリカでは、不妊カップルは30%にも上る(世界では8-12%)。ESHREは、発展途上国の不妊治療に関し、以下の提言を行っている。

原則
・不妊治療は、家族計画、母性ケア、リプロダクティブヘルスなどを含む統合的プログラムの一環であるべき
・不妊治療は、子供を望む人々の「性と生殖に関する自律」の強化を目的とした治療介入であるべき

福祉
・政府、NGO、国際機関による発展途上国での投資は、主に不妊の防止に焦点を当てる
・病院や保健所は、感染症など不妊の原因を診断するための手段を備える
・安全なお産や中絶の提供などにより、多くの不妊要因を回避することができる

教育
・国家投資は、生殖器官や生殖サイクルに関する国民の教育を優先する
・国民と医師の両方が、不妊の原因、不妊防止のための適切な行動、利用可能な不妊治療技術についての知識を持つ
・教育や女性のエンパワーメント、経済繁栄は、人口増加と不妊どちらの問題解決にも非常に有効な手段である
・教育は、不妊の人々に対する社会的疎外とスティグマ化を避けるのにも有効

公正
・性感染症の治療などをはじめとする、低コストの治療介入を提供する
・高度先端治療に対する償還や公的資金の導入が検討されうるのは、そうした治療にかかる直接経費が大幅に引き下げられた時のみ

研究
・不妊治療の費用対効果を上げるための研究や、地域的条件と財政事情に見合った技術導入を図るための研究を奨励する
・国際専門家組織は、研究への資金提供や、研修コースの開設などによって貢献する

規制
・医療技術導入の際には、卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠が起きないよう、注意を払う
・技術悪用を避けるため、政府は法的規制を導入し、医療従事者の資格制度導入、医療行為の監督、成功率の検証などを行う

Providing infertility treatment in resource-poor countries
ESHRE Task Force on Ethics and Law including G. Pennings, G. de Wert, F. Shenfield, J. Cohen, B. Tarlatzis, and P. Devroey
Human Reproduction, Vol.24, No.5 pp. 1008–1011, 2009


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by technology0405 | 2012-01-05 11:25 | Materials | Comments(0)
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