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NHS「3回まで無料」のはずが

IVF治療に不妊カップルがアクセスすることを拒否したとして、NHS(National Health Service イギリスの国民保健サービス)が非難を受けている。イングランド地方とウェールズ地方のヘルス・トラストの73%が、「不妊カップルは上限3サイクルの不妊治療を受けることができる」というNHSのガイドラインを無視していた。

APPG (all-party parliamentary groupイギリス議会の中の全政党からなるグループ)から出された報告によると、NHSがIVF治療へのアクセスに「独断の規制」を設けていたという。NICE(National Institute for Health and Clinical Excellence)の指導では、「女性側が23歳から39歳までの不妊カップルは、NHSによるIVF治療が3回まで受けられる」となっている。

しかし、PCT(primary care trusts人びとが最初に診察を受ける医療サービス機関)の中には、女性が適用年齢内であるにも関わらず治療を拒否したり、カップルの体重や喫煙状況、カップルの片方が前の婚姻関係で子供を設けていることを理由に治療を拒否したりする機関があった。

例えば、39-40歳の女性にIVFを提供していたのはベリーのPCTのみで、ミルトン・キーンズとハンプシャーでは30-34歳、ボーンマスとバッキンガムシャーでは30-35歳の女性だけに適用していた。ウォリントン、ウェストサセックス、ストックポート、ノース・スタッフォードシャー、ノース・ヨークシャー&ヨークの5か所のPCTには、IVF治療自体がなかった。2004年に導入されたNICEのガイドラインを守っていたのは、4施設に1つという割合だった。

National Infertility Awareness Campaignのリーダーでpatient charity Infertility Network UKの幹部であるClaire Lewis-Jonesは、こうした状況を「とても受け入れがたい」と言う。「報告では、PCTの大部分がいまだに勧告に従っていません。PCTの中には、新鮮胚を使った最初のIVFだけ提供し、凍結胚の移植には資金を出さないなど、独断でIVFの実施を規制している機関が多くあります。IVF治療にアクセスする権利を持つ患者が、別の場所に住んでいれば利用できたはずの治療を拒否されているのです。」

不妊治療医師の代表であるBritish Fertility Societyの会長Tony Rutherfordは、次のように言う。「WHOは不妊を、治療の必要な身体的疾患だと認めている。しかし、不妊は心理的にも深刻な悪影響を及ぼす。NHSによる治療への公平なアクセスができないということは、患者から、家族を作る機会を奪っているということだ。」

Public health ministerのAnne Miltonによると、多くのPCTはNICEのガイドラインを守るための努力を続けてきたが、財政的な問題のために、一時的にIVFの提供をストップしている機関もあるのだという。

Couples 'arbitrarily denied' IVF treatment, say MPs
[The Guardian, 7 June 2011]


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by technology0405 | 2011-12-20 17:03 | Countries | Comments(0)
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