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イスラエルの卵子提供

10年間に及ぶ審議の後、2010年6月7日、イスラエル議会Knessetは、卵子提供に関する新法案を可決させた。イスラエルの卵子提供規制は大幅に緩和されることになる。

①卵子提供を目的とした卵子の採取と使用を認める
 (これまでは、不妊治療者の卵子しか提供を認められていなかった。)
②レシピエントは、不妊(妊娠できない、あるいは自分の卵子を使うことができない)と診断された女性。
③レシピエントの年齢は18歳から54歳まで。(51歳から引き上げられた)
④ドナーは匿名で、年齢は20歳から35歳まで。
⑤提供は、6か月以上の間隔をあけ、全部で3回まで
⑥1人のドナーが提供できるのは3人まで

⑦レシピエントは、ドナーの宗教を事前に知ることができる
⑧ユダヤ教以外のドナー卵子で生まれた子供がユダヤ教徒と認められるには、改宗儀式を必要とする

⑨18歳になれば、自分が卵子提供で生まれたかどうか照会できる。(ドナーの個人情報は不可)
⑩卵子提供で生まれた子供は、婚約者との血縁関係の有無を照会できる。
⑪卵子提供で生まれた子供を登録する
⑫生まれた子供の法的な親はレシピエントである

⑬例外的なケース(自分の姉妹に提供など)に認可を出すための委員会を設置
⑭不妊治療は国の保険がきく
⑮ドナーには国が逸失利益を含めた補償金を出す(金額は明文化されていないが、NIS6,000[=USD1580]に設定?)
⑯卵子の売買は禁止
⑰イスラエル女性が海外で卵子提供するのを禁止

イスラエルの卵子提供にはこれまで厳しい規制がかけられており、希望する国民の多くは、ルーマニアなどの海外に卵子を求める状況であった。2000年に、何も知らされていない患者や、小細胞の提供にしか同意していない患者から大量の卵子を採取していた医師らが逮捕されて以来、国内の卵子提供数は劇的に減少、卵子不足が深刻化した。2009年にはルーマニアで違法な卵子売買に絡んでいたイスラエルの組織が逮捕される事件が起こっている。

国内の卵子提供規制の緩和は、遺伝的つながりを重んじるユダヤ教の反発で、長らく保留にされていた。しかし、男系社会のアラブに対し、ユダヤ人社会は母系社会であり、イスラエルの国内法は、「ユダヤ教徒を母として生まれた者」をユダヤ人、ユダヤ教徒と認定している。つまり、厳しい規制によってイスラエルの女性が海外に卵子提供を求めると、ユダヤ教徒でない女性から卵子提供を受けるというジレンマが生じる。今回⑦⑧の条件を法案に入れることで、ラビ(ユダヤ教の指導者)たちは法案の支持を約束し、法案の通過に至った。

Egg Donation Law

Knesset approves bill easing restrictions on egg donation in Israel
[HAARETZ.com 07.06.10]

Israel: Egg Donation
[the Law Library of Congress ]

Israeli Feminists Weigh in on Egg Donation and Surrogacy Laws
[BIOPOLITICAL TIMES June 16th, 2011]

Egg Donation in Israel,Action Research, 2009-2010
Isha L'Isha – Haifa Feminist Center

A Decade in the Making, Egg Donation Bill Passes Knesset
[Forward Association June 8, 2010]


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by technology0405 | 2011-11-29 17:25 | Countries | Comments(0)
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