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カナダの代理出産トラブル

カナダのブリティッシュコロンビア州に住む夫婦が、胎児にダウン症が見つかったとして代理母に中絶させた出来事が議論を呼んでいる。代理母は自分で子供を育てると中絶を拒否したが、夫婦が一切の資金援助を断ったため、2児の子供を持つ若いシングルの代理母は中絶せざるをえなかった。

カナダでは2004年から利他的代理出産のみが認められているが、その代理出産契約に関してはクリニック任せであり、政府が監督しているわけではない。もし代理出産契約の内容について法廷で争われるケースが出てくれば、契約そのものを認めない判決も出てくる可能性がある。

治療にあたったKen Seethram医師によると、この代理出産契約は「非強制的な」環境のもとで交わされたが、代理母の権利を損なった可能性があると示唆した。契約上では、代理母が中絶を拒否した場合には、子供に対して依頼夫婦が責任を負わなくてよいことになっていた。

Calgary大学のJuliet Guichon教授は次のように言う。「これは、欠陥品があったといって生産ラインを止めるようなものだ。商品の製造では通用するが、生殖では問題が大きい。裁判所も、代理出産契約より家族法を重視し、依頼者夫婦に子供の責任を負わせる可能性が高い。」

しかし、カナダでもアメリカでも、代理母が依頼者の希望に反して中絶を拒否した場合は依頼者の主張が認められる場合がほとんどであるとSurrogacyInCanada.ca.のSally Rhoadsは言う。「全責任を負わされるのは代理母側。夫婦が離婚して代理出産を途中でキャンセルしたので代理母がその子供を育てているケースがカナダで3件。双子を妊娠した代理母に減数手術を行い、妊娠そのものがだめになったケースもあった。不当な扱いをされたと感じて終わるのはたいてい代理母の方だ。」

今のところ、代理出産契約がカナダの法廷で争われたことはない。しかし、依頼者と代理母、生まれてくる子供の立場をあいまいにしないためには、代理出産契約の内容にまで踏み込んだガイドラインが必要であろう。

Couple urged surrogate to abort fetus due to defect
[ National Post · Oct. 6, 2010]

Canadian Surrogacy Case Sparks Intense Debate
[Family Law Prof Blog November 18, 2010]


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by technology0405 | 2010-12-17 12:04 | Countries | Comments(0)
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