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ロシアのART

ロシアには、ARTを包括的に規制する法律も、イギリスのHFEAのような機関もない。
商業的代理出産を含めて代理出産は合法であり、海外からも代理出産のサービスを求めてロシアに来る人々は多い。

ロシアがART関連に寛容なのは、1993年のCitizens' Health Protectionの第35条による。
「出産年齢にある女性は皆、人工生殖医療と胚移植を受ける権利を持つ。人工生殖医療と胚移植は、認可を受けた施設で、夫婦(あるいはシングルの女性)の同意を書面で得た上で行われる。実施された人工生殖医療や胚移植に関する情報は、ドナーの身元と同様に医療秘密とする。」

2003年2月26日に出されたOrder No.67 of the Russian Federation Ministry of Healthcare「男女の不妊治療のための生殖補助医療技術の使用について」は、制定法でなくあくまで条例であるが、すべてのIVFクリニックがこれに従っている。
・IVF治療を受けるのに年齢制限はない。ただし、女性患者は成人年齢(少なくとも18歳)に達しており、「出産可能な」年齢であること。
・ARTを受けるのに結婚しているかどうかは関係なく、シングルの女性でも同じ治療が受けられる。

女性の「母になる権利」が1993年以降、法律によって保障されている点がロシアの特徴。代理出産に関しては、親の資格という観点からシングルの女性を断るクリニックが多かったのだが、それも最近は変化してきている。一方、男性の「父になる権利」を認める考えはロシアに存在しない。

配偶子提供や胚提供も認められている。イギリスなどと異なり、子供はドナーの身元を知る権利を持たない。人口80万人の地域で同じドナーの子供が20人生まれたら、その地域でのドナーの使用はそこで差し止められる。レシピエントは、クリニックが提供する匿名のドナー、あるいは親戚、知り合いをドナーとすることもできる。

提供を受けるにあたっては、医学的、社会的適応資格(性関係のあるパートナーが女性にいないこと)が必要。しかし、性関係のある女性パートナーがいないことを記載する、などといった、シングルの男性が卵子提供を受けるための適応資格は存在しない。
配偶子や胚の提供を受けた場合でも、法的な母親は子供を出産した女性となり、女性が結婚している場合はその夫が法律上の父親である。
通常、卵子提供の報酬は大体1000USドルで、関連経費すべてが加算されて支払われる。


代理出産に関しては、ロシアでも、旧ソビエト国(アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、グルジア、カザフスタン、キルギス、ウクライナなど)でも合法であるが、通常は異性カップルとシングルの女性のみ可能

Family Codeの51条4項には「婚姻関係にあり、出産目的で他の女性に胚を移植することに互いに同意した夫婦は、代理母の同意がある場合に限り子供の両親として登録される。」と定められている。つまり、代理出産で生まれた子供を依頼者の子供にするのに必要なのは代理母の同意のみで、代理母の名は出生証明書に記載されない。いったん出生証明書が依頼者夫婦の名で出されてしまえば、代理母の子供に対する一切の権利は失われ、くつがえることはない。

ただし代理母が依頼者夫婦に子供を引き渡す義務というのは明文化されていないので、出生証明書が出される前であれば、たとえ事前の同意があっても、代理母は妊娠を途中でやめることもできるし、子供を自分のものにすることもできる。

イギリス(HFEA,2009)やウクライナ(Order No.771 of Ukrainian Health Ministry)では依頼者夫婦のどちらかの配偶子が代理出産で使われなければならないが、ロシアではそうした遺伝的つながりは必要ではない。代理出産の報酬は15,000USドルから30,000USドルまで様々で、100,000USドルという高額報酬のケースもあったようだ。

ロシアで最初の代理出産プログラムは、1995年St Petersburgの産婦人科協会IVFセンターで実行された。世論も代理出産には寛容で、代理出産を公言している有名人もいる。外国人もロシア人と同じようにARTを受ける権利を持っている。代理出産プログラムによってロシアで生まれた子供は、ロシア国籍を持ち、出生証明書には依頼者夫婦の名前が記載される。配偶子提供により依頼者夫婦と遺伝的なつながりがなくてもよい。

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Rosjurconsulting, Reproductive Law & Ethics Research Center


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by technology0405 | 2010-11-05 16:02 | Countries | Comments(0)
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