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代理出産のエビデンス(英)


2008『代理懐胎を中心とする生殖補助医療の課題』 (日本学術会議)'代理懐胎を中心とする生殖補助医療の課題'では、法律で代理出産を禁止するとともに、臨床試験を目指して限られたケースに限り実施するという方針が打ち出されている。
英国では、非営利での代理出産を認めており公設機関によりデータ収集がなされている。日本で、今後、商業化を防ぎつつ代理出産を実施する方式を採用する場合、英国のエビデンスが参考になるだろう。

Surrogacy:the experiences of surrogate mothers[Human Reproduction, 18/10, 2003]
Vasanti Jadva, Clare Murray, Emma Lycett, Fiona MacCallum and Susan Golombok
代理母が代理出産に至った動機、その経験と心理的影響についての研究。代理出産をしてからおよそ1年経った34人の女性をインタビューし、データをとった。質問内容は(ⅰ)女性が代理母になった理由(ⅱ)妊娠前、妊娠中、出産後それぞれの依頼者との関係を振り返って(ⅲ)子供を手放すときと、手放した後の経験(ⅳ)代理母になることへの周囲の反応。代理母は一般的に、依頼者との関係、子供の引き渡し、周囲の反応に大きな問題を経験していないことが結果としてわかった。出産の数週間後に情緒的問題を経験した代理母もいたが、時が経つにつれ消失する傾向にある。代理母は、代理出産によって心理的問題を経験するわけではなさそうだ。

Surrogate Motherhood: Attachment, Attitudes and Social Support[Psychiatry 54,1991]
Susan Fischer and Irene Gillman
代理母が子供を遺伝上の父親に引き渡すことを拒否したベイビーM事件は、胎児に対する代理母の本能的な愛着という問題を世間に考えさせる契機となった。これまでの研究では、代理出産の経過に伴う変数の中に、愛着度は入れられてこなかった。この研究では、代理母とそうでない妊婦の違いに焦点を当て、愛着の度合いや質、妊娠への態度、社会的支援について比較する。客観的な手法と形式ばらないインタビューによって、代理母にとっての妊娠の意味への理解を深めた。代理母になることに伴う様々な現象についても考えられている。

Psychosocial aspects of surrogate motherhood[Human Reproduction Upd. 13/1,2007]
Olga B.A.van den Akker
代理母、依頼女性、子供という3者の社会心理学的研究の再調査。子供への愛着や情報の開示;代理母の経験や特徴、動機 ;依頼する女性の経歴の変化など、多くの点に焦点を当てた研究である。これまでほぼすべての研究は厳選されたサンプルを使っており、一般化することは困難であった。理論が著しく欠落しており、長期的な研究や異なった集団を比較する研究ばかりであった。代理出産が家族にもたらす意味や必要性、あるいは専門家や医療能力、経済的要因が代理母や依頼女性の選択に及ぼす影響について、疑問を投げかける研究はほとんどなかった。社会的態度は幾分変化してきた。しかし、世間の考え方では、子供を持たない女性はまだ認められにくい状況に置かれている。代理母と依頼女性は、意識の改革によってこの奇抜な選択をしており、この意識改革の成功や失敗によって、自分の選択にオープンで正直になれるかどうかが決まる。反対に一般の人々に対する調査では、代理出産をあまり受け入れていないことがわかる。つまり、彼らは意識改革する必要がないので、元の規範意識をそのままの状態に保とうとするのである。

Psycological trait and state characteristics, social support and attitude to the surrogae pregnancy and baby[Human Reproduction, 22/8, 2007]
Olga B.A. van den Akker
代理母と依頼女性の性格の違いは、UKでは研究されてこなかった。さらに、代理出産契約が及ぼす心理的影響は、長期的な展望を持っては調べられてこず、この研究は代理母と依頼女性の心理研究を行った最初の論文である。61人の代理母と20人の依頼女性、計81人に、妊娠第1期、2期、3期それぞれにおいて郵送でインタビュー調査した。出産に成功した人には、子供の誕生後第1週、6週、6か月後にそれぞれ再調査した。代理母と依頼女性の性格には大きな違いはなかった。社会的支援、夫との関係、不安感に関しては、それぞれの段階で代理母と依頼女性で大きく違っていた。妊娠への態度や子供への態度も妊娠中には大きな違いが見られたが、産後鬱は見られなかった。代理出産が心理的影響を及ぼし、その影響が継続することがわかったという点で、この結果は重要である。また、心理検査や支援が必要であることも明らかになった。

Surrogacy:The experience of commissioning couples[Human Reproduction, 18/6,2003]
Fiona MacCallum, Emma Lycett, Clare Murray, Vasanti Jadva and Susan Golombok
代理出産によって得られた子供を持つ家族の研究。依頼者夫婦の経験に焦点を当てた論文である。代理出産で生まれた1歳の子供を持つ42カップルにインタビュー調査した。代理出産を選んだ動機、代理母に関する詳細、妊娠中と出産後の経験、友人や家族に対する代理出産の事実の公開について。カップルは長い不妊の結果、唯一の選択肢として代理出産を行っていた。妊娠中を通してカップルの不安度は低かったといい、代理母との関係も一般的に良かった。これは、代理母とカップルが、契約前から知り合いであるかどうかに関わらず当てはまった。子供の誕生後も、大多数のカップルが代理母と何らかのコンタクトをとり続けており、良好な関係を保っていた。すべてのカップルが代理出産のことを友人や家族に話しており、子供にも伝えるつもりである。代理出産を依頼したカップルは、おおむね、代理出産を前向きな経験としてとらえていることが分かった。

A longitual pre-pregnancy to post-delivery comparison of genetic and gestational surrogate and intended mothers: confidence and genealogy.[J Psychosom Obstet Gynaecol, 26/4, 2005]
Van Den Akker OB.
代理出産を依頼する女性は、子供との遺伝的つながりの有無を選択する。代理母もまた同様の選択をする。この選択と、誕生後6か月の子供に対する認知度の強さの関係について調査した研究。AIもしくはETを経験した代理母と依頼女性81人を契約時から4グループに分けて調査し、出産まで至った34人を子供の誕生の6か月後に再インタビューした。契約に関する自信度は、代理母と依頼女性で大きな違いがあった。遺伝的つながりを重視する考えが、ETを選択する判断材料になっていた。1年半の研究期間を通して回答が寄せられた。得られた結果が倫理的、臨床的に意味していることを、代理出産のプロセスや遺伝的つながりの重視と、自主的な選択と自信との関係の中で明らかにする。

Experience of in vitro fertilization surrogacy in Finland[Acta Obset Gynecol Scand, 81, 2002]
Viveca Soderstrom-Anttila, Tom Blomqvist, Tuija Foudila, Maritta Hippelainen, etc
フィンランドのIVF代理出産の経験に関する、10年間にわたる研究。1991-2001年に、4つのクリニックで代理出産した女性17人を調査。彼女らは、代理出産の過程で卵巣刺激の処置を経験している。代理母たちはボランティアであり、依頼者との関係は、6人が姉妹、3人が母親、1人が夫の姉妹、1人が従妹、4人が友人、3人はその他のボランティアである。依頼者夫婦、代理母とそのパートナーに対するカウンセリングは通して行われた。28サイクルのIVF代理出産処置が17人の女性に行われた。先天的に膣と子宮がない女性5人を含めて、すべてのケースで経膣採卵が適用された。平均で1.8個の胚が一回に移植され、11人が妊娠した(50%が新鮮胚、16%が凍結胚移植)。健康な9人の子供と、双子1組が生まれた。流産が1人。すべてのケースで、誕生直後から依頼者夫婦が子供の世話をした。2人の代理母が産後抑鬱症にかかった。結果として、利他的な代理出産はうまくいくが、関係者すべてに対し注意深いカウンセリングを行うことが必要不可欠であるといえる。


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by technology0405 | 2010-09-17 10:05 | Countries | Comments(0)
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